原題 THE CIDER HOUSE RULES
製作年度 1999年
上映時間 131分
原作 ジョン・アーヴィング
脚色 ジョン・アーヴィング
監督 ラッセ・ハルストレム
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 トビー・マグワイア/シャーリーズ・セロン/マイケル・ケイン/デルロイ・リンドー/ポール・ラッド/キーラン・カルキン/キャシー・ベイカー
「ガープの世界」などで知られる米現代文学の巨匠、ジョン・アービング原作の感動作。
20世紀半ばのアメリカ。田舎町の孤児院で、堕胎を専門とする産婦人科医ラーチ(マイケル・ケイン)に育てられたホーマー(トビー・マグワイア)。成長し、彼の助手として手伝いをしていた彼は、やがて自立して孤児院を去ってゆく。
メイン州ニュー・イングランドの人里離れた孤児院で生まれたホーマー・ウェルズは、
新しい家族に引き取られても、いつもセント・クラウズに戻されてしまう。
やがて院長ラーチは、彼は特別な子だと思うようになる。
彼は愛情を注ぎながらも「人の役に立て」といい、ホーマーに知識、技術を伝授し、
自分の後継者にしようと半ば決めていた。

しかし素直な孝行息子にも反抗期はやってきて・・・
同年代のキャンディ(シャーリーズ・セロン)とウォリー(ポール・ラッド)との出会いをきっかけに
住み心地のいい孤児院、孤児たちのアニキという立場から巣立って行く・・・

ウォリーの計らいで彼の家の果樹園のサイダーハウスに住み、ホーマーの新しい生活がはじまる。
リンゴをもぎ、恋をし、ロブスター漁を知り、『ゴジラ』以外の映画を知る。
そして一年が過ぎた頃、避けて通れない事件をきっかけに
ホーマーはラーチの言葉を思い出す。「人の役に立て―。」
果樹園での生活は楽しく、プライバシーもあり解放される日々を送るが、
ホーマーはここで暗い真実と、悲しい現実を学ぶ。
そして、ラーチのルールの必要性を感じ取り・・・

血は繋がってはいないが、実の子以上にホーマーを愛し、道標となるラーチ。
大抵の若者がそうであるように、親とも師とも思い尊敬しながらもそのレールを拒むホーマー。
それは間違いなく家族の姿。
この時代、法的に認められてなかった堕胎を、そうしなければ生きられない多くの女性の為に、
役に立つことだと、信念を曲げなかったラーチ。
ホーマーがそこに辿り着くまで原作では、実に15年の年月を要しているというが
映画では15ヶ月。
本当に密度の濃い、無駄のない展開となっている。
ルール。それは人間を守り、人の幸せを守るためにこそ作られるべき。作るべき。
患者が(女性が)本当に何を望んでいるか、その一点が重大だとして即断するラーチの
エーテルと音楽に浸る、孤独な戦いが痛々しい。
また、そこで生まれ、新しい家族に引き取られる日を心待ちにする子供たちが
みんなとてもイキイキとして、時に涙を誘う。
重いテーマを扱いながらも、ラッセ・ハルストレム監督の作品は上品で温かく、清々しい。
この監督にはいつも、作品全体に柔らかでやさしい眼差しを感じて、大好きですね~
製作年度 1999年
上映時間 131分
原作 ジョン・アーヴィング
脚色 ジョン・アーヴィング
監督 ラッセ・ハルストレム
音楽 レイチェル・ポートマン
出演 トビー・マグワイア/シャーリーズ・セロン/マイケル・ケイン/デルロイ・リンドー/ポール・ラッド/キーラン・カルキン/キャシー・ベイカー
「ガープの世界」などで知られる米現代文学の巨匠、ジョン・アービング原作の感動作。

メイン州ニュー・イングランドの人里離れた孤児院で生まれたホーマー・ウェルズは、
新しい家族に引き取られても、いつもセント・クラウズに戻されてしまう。
やがて院長ラーチは、彼は特別な子だと思うようになる。
彼は愛情を注ぎながらも「人の役に立て」といい、ホーマーに知識、技術を伝授し、
自分の後継者にしようと半ば決めていた。

しかし素直な孝行息子にも反抗期はやってきて・・・
同年代のキャンディ(シャーリーズ・セロン)とウォリー(ポール・ラッド)との出会いをきっかけに
住み心地のいい孤児院、孤児たちのアニキという立場から巣立って行く・・・

ウォリーの計らいで彼の家の果樹園のサイダーハウスに住み、ホーマーの新しい生活がはじまる。
リンゴをもぎ、恋をし、ロブスター漁を知り、『ゴジラ』以外の映画を知る。
そして一年が過ぎた頃、避けて通れない事件をきっかけに
ホーマーはラーチの言葉を思い出す。「人の役に立て―。」
果樹園での生活は楽しく、プライバシーもあり解放される日々を送るが、
ホーマーはここで暗い真実と、悲しい現実を学ぶ。
そして、ラーチのルールの必要性を感じ取り・・・

血は繋がってはいないが、実の子以上にホーマーを愛し、道標となるラーチ。
大抵の若者がそうであるように、親とも師とも思い尊敬しながらもそのレールを拒むホーマー。
それは間違いなく家族の姿。
この時代、法的に認められてなかった堕胎を、そうしなければ生きられない多くの女性の為に、
役に立つことだと、信念を曲げなかったラーチ。
ホーマーがそこに辿り着くまで原作では、実に15年の年月を要しているというが
映画では15ヶ月。
本当に密度の濃い、無駄のない展開となっている。
ルール。それは人間を守り、人の幸せを守るためにこそ作られるべき。作るべき。
患者が(女性が)本当に何を望んでいるか、その一点が重大だとして即断するラーチの
エーテルと音楽に浸る、孤独な戦いが痛々しい。
また、そこで生まれ、新しい家族に引き取られる日を心待ちにする子供たちが
みんなとてもイキイキとして、時に涙を誘う。
重いテーマを扱いながらも、ラッセ・ハルストレム監督の作品は上品で温かく、清々しい。
この監督にはいつも、作品全体に柔らかでやさしい眼差しを感じて、大好きですね~
