氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

鬼話

2006-07-28 00:53:38 | 台湾懐旧
台北市内の「林森北路」付近に「庚楽市場」と言うマーケットが有りました。
「林森北路」は賑やかな繁華街でナイトクラブやカラオケが並ぶナイトスポット
ですが「庚楽市場」の付近は繁栄に取り残された不法建築のバラックが立ち並ぶ
場所です。

その場所は昔の「日本時代」には「神社」と「墓地」が有ったらしい・・・
「庚楽市場」の薄暗いマーケットを抜けて奥に行くといきなり大きな石の「鳥居」
が見えてくる。
「鳥居」の両端の石の柱は民家の家に利用されていました。
「鳥居」の柱が向かい合う別の民家に飲み込まれている・・・
鬼気迫る不気味でシュールな光景でした。
「鳥居」の真ん中の空間が路地に成っています。

汚い「共同便所」が有りその基礎の一部が「墓石」でした。
第七代台湾総督「明石元次郎」の巨大な墓地の一部だったらしい・・

終戦後日本政府や台北市が墓を掘り起こそうとしたらしいが要人の墓地で有る
為に頑強なコンクリートで保護され埋葬した事と不法建築のバラック群が災い
し掘り起こせなかった。

遺骨の上に建つバラック群や「庚楽市場」で不幸な事や奇怪な事件が起きる
度に「台湾総督之鬼」が禍すると言う「鬼話」が囁かれる。

私も深夜に「庚楽市場」を訪れ件の「共同便所」で用を足しましたが異様な雰囲気
の場所でした。

現在は「庚楽市場」や不法建築のバラック群は再開発され跡形も有りません。
綺麗な「林森公園」に成っていて当時の面影は有りません。

再開発の時に「明石元次郎閣下」の遺骨は掘り返され日本に戻ったのでしょうか?
綺麗に再開発された「林森公園」にはもう「鬼話」は無いのでしょうか?