氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

鯨幕の色は何色?

2006-07-05 10:03:58 | 氣に為ること
「鯨幕(くじらまく)」はよくお葬式などで見かける凶事用の白黒縞の幕です。

ふと考えると白地に黒の縞なのか、黒地に白の縞なのか・・・?
別にどちらでも良いのですが、はたして何色の幕なのか・・・?
なぜか氣になります。

縞馬は何色の馬なのか?
白馬に黒い縞が有る馬なのか、黒馬に白い縞が有る馬なのか・・・?
これもどちらでも良いのですが氣になります。

幸福や不幸、幸運や不運、健康と病気、表と裏、そして生と死を現す
「陰陽思想」が見えて来るように思われてなりません。
物事の表裏やコインの裏表のように何事も両面性を持っています。

此の世に生まれ出た時から「生」の裏側に潜む「死」は内包されていて
寿命というタイマーは「死」へと時を刻み続ける。
どんなに長寿を誇る健康な人にも平等に終末は訪れます。
こんな話をしていますが私は悲観論者では有りません現実論者だと思っ
ています。

私も当然「死」を恐れていますし出来れば永遠に死にたくは有りません。
此の世に未練も有りますし楽しい事もまだまだしたいと思っています。
「死」を超越し悟ったような世迷い事を言う氣も有りません。
病気も嫌ですし「癌」や事故とも無縁で居たいと考えています。

かといって健康の為に好きな「煙草」を禁煙する気は有りません。
事故が怖くて車の運転を止める気も無いのです。

健康を維持して生きる為に好きな煙草を禁煙しても癌は容赦しないと思います。
運転を止めても事故は容赦してくれません。
寝て居る家に車が飛び込んで来る時代なのです。

健康に気を使い体に好い事を続けて病気に成る方がよっぽど不健康だと思います。
死ぬ為に生まれて来て、死ぬ為に生きているのに楽しまなくては生きている甲斐
が無いのでは?

いつ命を落とすか判らない儚い定めを持つて生まれて来たのですから・・・
だから楽しまなくてはと雖も刹那主義や享楽的に生きる事を勧めているのでは有
りません。
かと言ってストイックに生きるのも窮屈で息が詰まりそうです。

人間は自ずから矛盾を内包し二律背反した存在なのです。
冒頭でお話した「鯨幕」や「縞馬」の色のようにどちらとも言い切れない相反す
る物を持っています。

どちらに転ぼうとも其の瞬間その刹那の座標が揺れるだけで恒常には固定しません。
万物も状況も流転し変化変転します。
時には幸運で有りその幸運にも不幸の種は内包しているかも知れません。
不幸の中にも幸運の種は内包していて幸運に繋がる可能性も有るのです。

陰陽思想を知る事でバランス感覚を養って下さい。
嵐の海で進路を失い人生航路に迷おうとも悲観せず希望を捨てないで下さい。
嵐は通り過ぎて行きます。
順風満帆な幸福の中でも楽観せず惻隠の情を忘れないで下さい。
風向きは何時変わるかも知れない不安定なものです。
どちらも長い人生での瞬間なのですから・・・

人それぞれ楽しみ方にも違いが有り価値観も異なります。
自分に合った楽しみ方を発見し大切にして下さい。
隣の人と違っても善いではないですか。
自分のたった一回きりの人生なんですから。

酒は微酔のほろ酔いが最高です。
花は七分咲きを楽しみ余韻を残す。
腹八分で医者要らず・・・

足るを知ればこんな生き方が出来るように思います。
立派に「死ぬ為(死ぬまで元氣に生きる)」に「氣楽」に「楽しく」生きようで
は有りませんか・・・