氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

墓猫

2005-12-31 11:27:43 | 懐かしい言葉
昨日は年始の墓掃除に近くの町立霊園へ娘と「仏花」を持ってお参りに行きました。
我が家には墓石が6基も有り「仏花」が6対も必要でなのです。
私が箒で掃除をし娘が「仏花」を揃えていると・・・
近所のお墓から子供の歌声が聞こえてきました。

小学生の姉妹が大声で唄いながら墓地の境界の敷石の上を元気に行進しています。
お母さんとお父さんは掃除に一生懸命でした。
境界の石垣の上の狭い所を早足で歩く姉妹にお母さんが「危ないから降りなさい」と注意します。
姉妹は何処吹く風で聞き流し益々早く行進する。

業を煮やしたお母さんの怒鳴り声が響く「墓でコケたら(転倒)墓猫になるでぇ
子供達は凍り付いて敷石の上から降りました。

「仏花」を揃えていた娘が「懐かし~ぃ・・・墓猫って・・・今でも言うんや~ぁ」
「20年振りくらいに聴いたわ~ぁ お祖母ちゃんに言われたな~ぁ」
お祖母ちゃんを思い出した娘はしみじみと言いました。

「お墓でコケたら墓猫になる・・・」
大和(奈良県)の古い言い伝えです。
我が家の娘と息子の姉弟は悪ガキでお墓参りの都度に祖母から何時も言われていたのです・・・

私も久々に亡き母の声を聴いたような氣がしました。

今年も今日が最後ですが皆様方に来年も好い歳で有りますように祈ります。

あぶり出し

2005-12-30 11:06:44 | 懐かしい遊び
家に「火鉢」が有った頃の思い出です。
私は「火鉢」にへばり付いて本を読みながらミカンやお餅を食べるのが大好きでした。

其の頃の「月刊漫画誌」には人気の「少年探偵団」や「忍者物」が掲載されています。
その特集記事で「暗号」や「秘密の手紙」「財宝の隠し場所の地図」を書く時に他人に秘密を知られないように「あぶり出し」を書く事を知りました。

お手軽な「あぶり出し」は「ミカンの絞り汁」を浸した筆で絵や文字を書き乾かすと何も見えなくる簡単な物です。
その紙を燃えないように火にかざすと茶色くなった絵や文字が浮かび上がる。

何でもやりたがる好奇心旺盛な私は早速に挑戦します。
スッパイミカンを絞り汁をお皿に溜めて筆で「あぶり出し」を書きました。
乾くと何も見えません。
「火鉢」の火に「あぶり出し」をかざすと茶色の文字が浮かび上がる・・・

上手く書けましたが「暗号」を書いて渡す相手は居ません。
それに「財宝」や「宝の隠し場所」も有りませんでした。

最近のミカンは水臭いのは有るけれどスッパイミカンは有りません。
「あぶり出しで」遊んだあの頃が懐かしい。

火鉢

2005-12-29 09:17:55 | 懐かしい品物
昭和30年代の初めまでの家庭の暖房器具は「火鉢」(ひばち)「炬燵」(こたつ)「行火」(あんか)「湯たんぽ」くらいでした。
お金持ちの家庭には「ガスストーブ」や「電器ストーブ」が有りましたが「石油ストーブ」は未だ一般的ではありません。

「火鉢」は瀬戸物や唐津物の陶器製でした。
毎朝ガスこん炉で炭を熾し「火鉢」に入れる。
炭を灰で隠して五徳の上に薬缶をかけていました。
お客さんが来ると薬缶のお湯でお茶を入れて「火鉢」の灰を掻き分けて埋もれていた炭を出し暖かくします。
客用の少し小さい「手あぶり火鉢」も有りました。

「練炭火鉢」も有りましたが家では使わなかった。
「練炭」による一酸化中毒が多かったからです。

私は「火鉢」が好きでした。
「干し芋」や「カキモチ」(お餅を薄く切って乾かしたオカキ)を焼いて本を読む。
至福の時間です。

「火鉢」にへばりついて「漫画」を見ていると大人によく言われました。
「子供は風の子・・・表で遊んでおいで」
表は寒いし誰も遊んでいません。
直ぐに家に帰り「火鉢」に駆け寄り言いました。
「子供は火の子・・・火鉢の子」

瀬戸物の「火鉢」が懐かしい。
しかし「炭」は何処で売っているのだろう?
バーベキュー用の炭や高級な「備長炭」は見るが普通の「木炭」は見かけない。

石炭ストーブ

2005-12-28 08:26:04 | 懐かしい品物
私が小学生だった昭和30年代の初めには冬に成ると学校の暖房は「石炭ストーブ」でした。
教室の前か後ろに「石炭ストーブ」が据え付けて有りブリキの煙突が窓へと出ている。
「ダルマストーブ」と言うのか「石炭」を燃やした「ストーブ」の熱と教室内に付けれられた煙突を通る熱煙で暖をとるのです。

毎朝、学校に設けれた貯炭場まで「ストーブ当番」が2人で「石炭バケツ」に其の日に燃やす「石炭」を取りに行く。
小さな薪と新聞紙で火種を作り「石炭ストーブ」に火を付けて燃やすのが「ストーブ当番」の仕事でした。
しかし「石炭ストーブ」に火を付けるのはとても難しいのです。
「石炭」を最初に沢山入れると消えてしまう。
寒いし煙たくて皆から責められた。

「ストーブ当番」は出席簿順に2人づつ毎日変わる。
冬の初めには良い「石炭」が有るが中頃からは「クズ石炭」や「粉石炭」ばかりで益々燃やしにくく成るのです。

「石炭ストーブ」も上手に火が付いて燃え出すと教室全体がポカポカしてとても暖かかった。

「石炭ストーブ」の周りには防火用のバケツに水を入れて置いてある。
放課後が近付くと掃除の為お湯を造る為に「石炭ストーブ」の上に防火用のバケツを載せた。
掃除の雑巾をお湯でゆすぐと「霜焼けの手」が暖かくなり痒かった。
最近は「霜焼けの手」をしている子供を見なくなった。
「あかぎれ」や「霜焼け」はもはや死語か?

寒い冬に成ると「石炭ストーブ」を思い出しあの頃が懐かしい。


ダイラケ二等兵

2005-12-27 12:05:26 | 懐かしいTV番組
昭和35年に朝日放送ABCTVで月曜日の夜6:15~6:45まで「ダイラケ二等兵」を毎週見ていました。
大人気の「ダイマル・ラケット」(兄弟の漫才コンビ)が主人公の兵隊喜劇ドラマです。
「藤田まこと」さんも出演していました。
ドラマの内容はほとんど覚えていません・・・

映画で人気シリーズに成っていた「伴淳、アチャコ」の「二等兵物語」をパクッた喜劇ドラマだったと思う。

戦後15年が過ぎて高度成長の真っ只中にある昭和30年代中頃の世相は「兵隊物」を寛容する余裕が出来て来たのだろうか?

戦争や軍隊を茶化した映画やドラマが多かったのです。
しかし流石に戦争や軍隊を賛美したり美化する映画は有りませんでした。
戦後60年の節目の歳を迎えた今年は「男達の大和」など話題の映画も封切られています。
良い映画でしょうが・・・私には観る勇気は有りません。

戦争を賛美する氣も国防に反対する氣も有りませんが余りにも辛すぎる。
先の戦争で犠牲になられた幾多の英霊に感謝し、無辜の犠牲者に哀悼の意を表します。合掌

大怪獣バラン

2005-12-26 10:20:51 | 懐かしの映画
「大怪獣バラン」は昭和33年に東宝がモノクロで制作した映画です。
監督 本多猪四郎 特技監督 円谷英二 出演 野村浩三 園田あゆみ 。
この映画はヒットしなかった。
前作の「地球防衛軍」や「空の大怪獣ラドン」が総天然色作品で配役も素晴らしかったが「大怪獣バラン」はセコかったのです。

東北の湖で前世紀の「大怪獣バラン」が出現する・・・
ムササビのように薄い羽を持ち空を飛ぶ。
ムササビは哺乳類なのに「バラン」は爬虫類みたいだし。(毛が生えた怪獣も見たかった。
東京や大阪の大都市を破壊するでも無し。(セットに大金が掛かるからか?
兎に角期待外れの映画でした。
小遣いを使って封切館で見たのに・・・

人気の有る怪獣はシリーズに成ったり脇役などでまたゴジラ映画に出演します。
不人気な「大怪獣バラン」はこれっきりでした。

しかし今と成れば不運な「大怪獣バラン」が何故か懐かしい。
「BS懐かし映画劇場」で放送しないかな・・・お願いします。


江戸川乱歩

2005-12-25 10:47:02 | 懐かしい思い出
私が始めて読んだ物語は「江戸川乱歩」の「怪人二十面相」でした。
「N書房」で漫画に飽きて「怪人二十面相」を借りて読んだ。
ポプラ社のシリーズだったと思う。
「少年探偵団」はTVや漫画でも人気が有り原作者の「江戸川乱歩」に馴染が有り読んで見る気になったのです。

絵物語は読んでいましたが挿絵が少しで文字ばっかりの物語は読んだ事が有りません。
「N書房」では漫画に人気が有り一冊10円の借り賃でしたが物語りは人気が無くて5円に割引してくれました。
最初に「少年探偵団」を借りましたが一日でスラスラ読めたのです。

続いて「妖怪博士」を借り「大金塊」「青銅の魔人」とシリーズを読みました。
其の頃には「江戸川乱歩」の虜になり物語の面白さに目覚めたのです。

ポプラ社のシリーズを読み終わり「江戸川乱歩」の大人向けの「白昼夢」や「人間椅子」を読もうかと思ったのですが挿絵も無く難しそうで止めました。
「N書房」のオバサンも「小学生が読むのは早いから他の本にしたら」と言ってくれます。

「宮沢賢治」の「銀河鉄道の夜」を読んで賢治のフアンになりました。
私が本に目覚め読書が大好きに成ったきっかけは「N書房」と「江戸川乱歩」のお陰です。

クリスマスイブ

2005-12-24 10:18:41 | 懐かしい思い出
前にもブログに書きましたがデコレーションケーキと言えばバタークリームでした。
「不二家」や「東鳩」「鳩キン」「モロゾフ」などの洋菓子メーカーのデコレーションケーキが「クリスマスイブ」のお楽しみです。
御馳走は「ローストチキン」でした。(美味しかった

家庭に「電気冷蔵庫」が普及した頃から「デコレーションケーキ」の新顔が売り出される。
なんと「アイスクリーム」の「デコレーションケーキ」です。
「アイスクリーム」は夏場の季節限定的な食べ物でした。
その「アイスクリーム」が冬に「デコレーションケーキ」に変身します。
新しい物好きな私は母親に「今年のクリスマスはアイスクリームのデコレーションケーキにしてや」とねだりました。

「クリスマスイブ」の晩に「アイスクリームのデコレーションケーキ」を家族で食べました。
ところが冷たくて頭が痛くなり沢山は食べられません。
食べ残しを冷蔵庫に入れて次の日に食べようと寝ました。

クリスマスの朝、枕元のプレゼントの電気機関車セットを見て大喜びの私は箱から出して線路を組み立てトランスをセットし初運転・・・
何時間も夢中で遊びました。
昼御飯を食べても電気機関車で遊びます。

3時のオヤツに昨夜の「アイスクリームのデコレーションケーキ」を食べようと冷蔵庫を開けて出して見ると・・・
箱の中には無残にも熔けたケーキが原型を留めていません。

複雑な色が混ざったアイスケーキをスプーンですくい食べました。
難儀な「アイスクリームのデコレーションケーキ」は二度と買ってくれとは言いませんコリゴリです。


貸本屋~3

2005-12-23 12:21:15 | 懐かしい思い出
「N書房」は貸本だけでなく月刊漫画雑誌の「付録」も販売していた。
あの頃の月刊漫画雑誌は全盛期で各誌が「付録」を競いエスカレートしています。
「12月特大号」や「新年特大号」は「付録」で膨れあがり頑丈に紐で結わえて有った。

「少年」が15大付録なら「少年クラブ」は16大付録・・・「漫画王」「冒険王」「ぼくら」「少年画報」「おもしろブック」も追随する。

「N書房」は「月刊漫画誌」を貸本していた。
「別冊付録」も月毎にタコ糸で綴じて一冊に製本して貸本にする。
その他の「付録」は箱に入れて10円~20円で販売していた。

来月号の予告で「付録」を各誌が宣伝するので楽しみです。
「N書房」のオバサンにお目当ての「付録」を予約して置くと取り置きしてくれる。

宣伝では「幻燈機」や「レコードプレイヤー」「マシンガン」「探偵セット」など凄い豪華な「付録」だったがほとんどが子供騙しの誇大広告です。

しかし裏切られても欲しかった・・・

子供達だけでなく大人向けの「主婦の友」などの「家計簿」や「装苑」の「洋服の型紙」などの「付録」も販売していました。
あの頃の懐かしい思い出です。

貸本屋~2

2005-12-22 10:22:44 | 懐かしの漫画
「N書房」では漫画本を毎日のように借りた。
其の頃は「貸本屋」専門の版元が有り一般の書店には流通しない「貸本漫画」が有ったのです。

大阪の「日の丸文庫」を覚えている。
水島新司の「番頭はんと丁稚ドン」(TV喜劇の人気番組)を読んだ覚えが有る。

前谷惟光の「ロボット三等兵」や「火星の八ちゃん」「落語漫画」などのフアンでした。

小島剛夕が連載していた「怪談」はシリーズで何冊も有った。

白土三平の「忍者武芸帳」や「サスケ」もよく読んだ。

長谷川町子の「サザエさん」「似た者一家」もよく借りた。

手塚治虫の「鉄腕アトム」横山光輝の「鉄人28号」武内つなよしの「赤胴鈴之助」「少年ジェット」桑田次郎の「まぼろし探偵」「月光仮面」河島光広の「ビリーパック」などはハードカバーでしっかりした製本の「貸本」でした。

水木茂の「墓場鬼太郎」や「河童の三平」もよく借りた。
水木茂が編集していた「少年戦記」などの戦記物や戦争物も好きでした。

劇画集団の「街」や「摩天楼」など分厚いハードボイルドもよく借りた。

月刊漫画誌も借りたけれど漫画週刊誌は未だ発刊されていない頃です。
サイクルが1ヶ月単位ののんびりしていた頃の話です。

「貸本漫画」はやがて「紙芝居」のように終焉を迎え壊滅する。
「紙芝居作者」~「貸本漫画作家」~「漫画家」へと不死鳥のように変身を遂げた「水木茂」の大フアンです。