179121 IMFが金(きん)を大量に売却する可能性について①~金の地上在庫16万トンは本当か?
猛獣王S ( 30代 営業 ) 08/06/13 PM07
『[880]金(きん)をIMFが大量に売却するという噂記事がわざと流れる。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2008/06/09』(気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板)より転載します。
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~前略~
ご質問の、「IMFが財政危機に陥っており、保有している金405トン、およそ120億ドルに相当する金をアメリカ大統領選の後、売却する可能性があり、金は暴落の恐れがある。」と言うのは、ありうることだと思います。
しかし、私の記憶では、いつも、このように、政府機関が、金を売る、金を売る、とアナウンスするのですが、どうも実際には売らないようです。
1998年から2000年ごろにも、盛んに、スイス銀行やベルギー銀行が、金を 200トンぐらいずつ売る、という噂のような、新聞記事が出ました。実際には売らなかったようです。
IMFと世界銀行 は、国際金融機関(資金の決済機関)ですから、金は、各国政府との資金の供給、需要(貸し出しの資金の調達)のために有るものですから、IMFが、金を、市場に一斉に放出するような形で売り出す、ということはないでしょう。
今年(2008年)の3月14日に、金が、1000ドル/トロイオンス(31・1035グラム) にまでなったので、それを冷やす、けん制するために、トークダウン するための情報戦略でしょう。
今の、金の値段の 900ドル近辺とか、日本での1グラム3000円、というのは、決して高い、高騰した値段では有りません。 まだまだ、あがってもおかしくない値段です。 ですから、どうせ、金は、1グラム6000円ぐらい(2500ドル/オンス)までは、行くでしょう。それに、数年かかるのか、あるいは、一気に来年にはそうなるか、の話だと私は予想しています。
それから、気になるのは、金の地上在庫(掘り出された世界中の全部の金の量)は、16万トン、ということになっていますが、そんなに少ないはずが無い、と、私は、10年前からずっと、にらんできました。
16万トン(あるいは、15万トン)というのは、ワールド・ゴールド・カウンシル というイギリスに本拠を置く(おそらく、ロスチャイルド家の系統の)組織がいつもいつも公表している数字です。
どうも、その3倍の、50万トンは、あるだろう、というのが、私、副島隆彦の考えです。
この考えは、つい最近、先週、『天皇の金塊 -略奪財宝、「黄金の百合(ゆり)」の正体と真実』(高橋五郎 著 、学研 刊、1800円) と言う本が出版されて、私の推薦文つきで、発売されたのですが、その内容に沿って考えると、はやりこの地上には、あと30万トンぐらいの金が、隠されて保有されているでしょう。
日本の天皇家が、スイスの銀行に、戦前から、1万トン(30兆円)ぐらい保有していると考えても、まったく荒唐無稽なことではなく、十分にありうることです。
日本政府の発表では、日銀は、たったの765トンを持っていて、しかも、その金は、日銀の地下金庫にはありません。アメリカのケンタッキー州のフォートノックスの地下の大金庫があって、そこが、世界銀行と、各国の準備(リザーブ)の資金と、特別引き出し権という名の、紙幣代用の紙切れ(預託証券)とかで決済するしくみなのですが、最後は、金地金をカーとで動かして、実際に決済するらしいのです。
そこに日銀保管の日本政府の金もあるらしいのです。 それは、たったの765トンということになっています。たったの2.2兆円分です。
そんなに少ないはずが無い。もっといろいろの形で日本政府は金を持っています。そうでなければ世界の金融規模との兼ね合いで、日本の力が小さすぎる。 日本国内の民間部門の金の保有だけでも、3000トン(10兆円)ぐらいにはなっているはずです。 アメリカ政府は、2万トン持っているとか、噂されていますが、本当は、イラク戦争の戦費の支払いとかで、もう、ほとんど残っていないのではないか、と思います。
ベトナム戦争の時がそうでしたから。それで、1971年8月15日のニクソン・ショック(ドル・ショック、金ドル兌換の停止宣言)になったのでした。
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続く
179122 IMFが金(きん)を大量に売却する可能性について②~金本位制崩壊後どうなる?
猛獣王S ( 30代 営業 ) 08/06/13 PM07
179121の続きです。
『[880]金(きん)をIMFが大量に売却するという噂記事がわざと流れる。 投稿者:副島隆彦 投稿日:2008/06/09』(気軽にではなく重たい気持ちで書く掲示板)より転載します。
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金の地上の総量が 16万トンだと、1グラム3000円で、480兆円(4.8兆ドル、約500兆円)です。これだけでは、金本位制(ゴールド・スタンダード)には、人類は、復帰できません。
現在の世界の資金量は、仮儒(デリバティブ商品の残高)を除くと、実需(実際の各国の資金需要は、マネーサプライあるいは、ベースマネー)レベルで、合計で、5000兆円(50兆ドル)ぐらいでしょう。そうすると、その1割しか、実物資産である金(きん)での担保(保証、裏打ち)は出来ていない。
仮儒(デリバティブ)の総量は、7京円とか8京円と言われていますから、その1割が保証金(担保金)として、実体のある資金として積まれているとして、(ただし、契約高ベースだから、各種のリスク債券の残高は膨大である) 7000兆円 ということです。
そうしますと、金本位には、その最低、2割は、実物資産が必要なので、それで金の総量の500兆円が、この3倍の、1500兆円(15兆ドル)とか、4倍の2000兆円(20兆ドル)になると、なんとかなる。この金に加えて、その他の貴金属、鉱物資源や、石油・天然ガスのエネルギーと、それに穀物・農産物を加えて、それで、合計で、2000兆円ぐらいになれば、世界で8000兆円から1京円ぐらいの資金の需要に対して、2割という、実体のある資産での保証・担保となりうる。
これが、私が、ずっと本で書いて、予測(予言)してきた、「コモデティ・バスケット通貨体制」です。
そのためには、金融先物商品の取引の仮儒(投機、バクチ)の部分のレバレッジ(投資倍率)を、世界的に、10倍とか20倍までとかの、規制を加えて、それを、国際条約のような形にするのではないか、と私は、思うようになりました。
世界政府は、存在しないのですが、国際機関での、金融投機への規制、というのがやがて、出てくるのではないか。そうしないと、今のように、過剰な投機市場と化している各種の金融市場が、このまま、壊れることなく、維持できるとは、とても考えられない。
どこかから、常に、危機が生まれる。 信用破綻する金融市場が、次々に起きる事態が当然、予想される。 株式や債券(金利のスワップ市場) の市場規模に比べれば、実物資産である石油(原油)の市場は、非常に小さくて、全部で、150兆円にも満たない(金融市場全体の2%ぐらいだろう。 NYMEX、ニューヨークの石油先物市場を中心にして、3市場合計で)。
だから、石油が、1バレル140ドルとかに、高騰しているのです。そこの投機資金が逃げこんで、そこで、暴れているからです。
いずれにしろ、過剰なマネーゲームに狂って、そこで、異常に加熱した投機(スペキュレーション、ばくち)をする人々は、どうせ、大半は、大損をして市場から、退場することになります。金融ばくちで、自分が、儲かり続けるというのは、人類の巨大な幻想(イリュージョン)です。ほとんど参加者は、最後は、失敗します。勝ち残るのは、巨大な金融資本だけです。
それでも彼ら大銀行、大証券と言えども、手痛い打撃をうけて、市場そのものの崩壊(大暴落で、決済できず)という事態の前には、呆然とすることになるでしょう。人類という愚かな生き物は、そこまでゆきつきます。
私は、最後まで(すなわち、自分の人生の最後。自分の目が閉じるときまで)それらの愚かな所業を冷ややかに見つめることに決めています。
ですから、結論は、やはり実物資産すなわち、金地金を、自分の手元において置く事、そして、将来高騰したときに、一枚、1キログラムずつ売りながら、一枚で、十分に家族が一年間暮らせますから、そうやって、賢明に生きるというのが、よいと思います。金の地金は、かならずいつでも売れます。金そのものには、他の証明書とか何かは要りません。金の純度は、お店に備え付けの機械で、1秒で測れるのです。
~後略~
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