木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

国リハ卒業研究発表会レポート(2)

2009年02月23日 21時55分53秒 | sign language
3本目の発表に行く前に訂正が一つ「国リハ」の名称に「障害者」が抜けてました。スミマセンでした。正式には「国立障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科」です。試験に出るかも知れないからキチンと覚えましょうね。過去の記事は修正しました。
それから
国立障害者リハビリテーションセンター学院手話通訳学科ホームページ(http://www.si-gakuin.net/netcommons/)で、去年の第17期卒業研究レポートを読むことができます。
今回の18期の発表が掲載されると17期のが読めなくなるかも知れませんから今の内にダウンロードしておくことをお奨めします。
まだ全部読んでませんが、去年の発表も面白そうですねぇ~。行きたかったなぁ~。
そういえば今日会場で世田谷福祉専門学校のI先生にお会いしたら、「来年はうちの発表会もデフニュースで流すから、是非来てね」と言われました。
残念ながら今年のは終わっていました。国リハと同じように誰でも参加できるそうです(知らなかった!)。来年は世田谷福祉専門学校の「実習成果報告会(世田谷は卒業研究というやり方ではなく実習の成果を発表するというものだそうです。)」も参加しよう!

卒業研究発表会と実習成果報告会のご案内

〈介護福祉学科〉卒業研究発表会と〈手話通訳学科〉実習成果報告会があります。是非お越し下さい。
〈介護福祉学科〉
日 時:2009年2月27日(金)
時 間:午前の部 10:00~( 9:45より受付)
午後の部 13:00~(12:45より受付)
会 場:センター棟 417号室(セミナーホール)

〈手話通訳学科〉
日 時:2009年2月19日(木) 実習報告
時 間:午前の部 9:30~( 9:15より受付)
午後の部 12:50~(12:35より受付)
会 場:センター棟 417号室(セミナーホール)
発表会会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
〒151-0052 東京都渋谷区代々木神園町3 番1 号
TEL 03-3467-7201(代表)


もう一つ書き忘れたことがありました。
今回の卒業研究発表会のレジュメ集の冒頭に「卒業研究の目的について」なる一文が付いてました。国リハの手話通訳学科の指導目標がわかるとってもいい文章です。全文載せたいところですが、国リハの了解全然取らずにこの記事書いているので、その中の「研究テーマ」について書かれた部分だけご紹介しますね。
当学科の卒業研究は「プロジェクトワーク」の一環として実施するものです。語学教育におけるプロジェクトワークとは・・・(中略)・・・したがいまして、当学科の卒業研究の目的はまず何よりも、(1)手話を用いて作業を行うこと、そして(2)手話で研究の成果を発表することにあります。
(中略)
研究テーマ自体には特に制限はなく、手話、文化のほか、通訳、教育、福祉などのテーマも選択可能です。しかし、手話を用いて作業を行うという条件は必ず満たす必要がありますので、「文献調査」や「質問紙アンケート調査」を中心としたテーマは認められません。いきおい研究テーマが手話そのものの研究や、文化の研究に偏りがちですが、その点につきましては、卒業研究の目的に鑑みて、ご理解いただけましたら幸いです。

先日、「国リハはろう運動についてもちゃんと勉強してるのか?」っていう質問があったっていう話を書きましたが、私も昨日の記事で誤解した書き方をしてしまいました。そうだったんですねぇ~「手話を用いて作業を行う」ためになかなかろう運動そのものを取り上げにくかったんですねぇ~。だったら東京の全日ろう連事務所や埼玉のK元理事長のところへ日参して聞き取り調査やればいい、なんて声も聞こえてきそうですが・・。いずれそんな学生も出てくるかもしれませんが、まあ基本的には学院内でやれる範囲でっていう制約があるでしょうから、全日ろう連の事務局長や河合さんはなかなか呼びつけられないでしょうね。
さっき紹介した17期のレポート集のPDFには「卒業研究の目的について」という文章は含まれてなかったから今年度初めて書き加えられたのかな?
こうやって国リハが自分のことをキチンと社会に説明していくことって大切だと思います。なんせ国民の税金で運営されてるんだしね・・・なんちゃってエラそうに!
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国リハ卒業研究発表会レポート(1)

2009年02月23日 19時33分52秒 | sign language
午前中は4本の発表。とってもおもしろかったです。
1つ目は「ろう者の思考スタイル」4コマ漫画を見て、それについて語ってもらうという実験をやって、聴者とろう者の語りの違いから「思考スタイル」を分析するというもの。アメリカの子供と日本の子供との間の違いを明らかにした先行研究(渡辺雅子さん「思考表現スタイル」)があるそうで、それを踏まえて聴者とろう者の違いを3つ指摘。(1)先行研究によれば日本人は「時系列で語る」傾向があるそうだけれど、特にろう者は「冒頭に人物の要点を述べる」のが特徴的とのこと。(2)ろう者の方がコメント(漫画には描かれていないことを聞き手の文脈理解を高めるために補足説明するような部分)が多い。(3)今回の4コマ漫画は「子どもが前の晩夜更かしして野球の試合に遅刻する」という場面だったのだけれど、聴者は試合当日を起点にして「前の晩」と語るけれど、ろう者は前日を起点にして「私の息子はテレビゲームが好きで夢中になって夜遅くまでやっていた。次の日・・・」と時系列そのままに語る傾向があるとのこと。
3つの指摘いずれも「お~なかなか言えるかも」と素人的にはとっても面白かったです。これって聞き取り手話通訳の時にも日本語の「時制」というのか「過去のこと」を語っている話を通訳するのに言えることですよね。「ろう者ならどう表すだろうか?」って思いを巡らすと「きっと、その過去の時点の話者に成り切って語り『その翌日・・・』と表現するだろうなぁ~、だから通訳としてもその方がわかりやすいかもなぁ~」と考える発想が必要に思うのです。

2つ目の発表は「日本手話の移動動詞の多様性」って難しいタイトルですが、「行く」っていう動詞を例として(A)終点があいまいなパターン(抽象的)、(B)起点と終点がはっきり表現されるパターン(具体的)、(C)起点から終点に曲線を描いて移動するパターンに分けて分析されてました。
例えば「選挙に行く」場合、面倒だなぁって思っている場合は(A)になって(下向きの人差し指を素早くピュッと前方に出す。最後を止めない。)、当然行くと強い意志がある場合には(B)になる(最後=終点で手に力を入れてギュッと止める感じ)。そして(C)の場合は距離感とか義務感が強調されるっていう分析でした。大変勉強になりました。発表後の質問で「人差し指下向きの行く」は(B)パターンでもあるっていう反論が出てましたが、これって「張り」と「緩み」みたいなことと関係あるように感じました。また、飛行機の場合は、具体的な表現であるにも関わらず「海外へ行く」という場合に使われるなど(A)パターンがあることが特徴的だってことでした。それに対して「電車」の場合はどうだろうか?って質問が飛んでいてそのやりとりはなかなか興味深かったです。
何というか以前の発表会では会場から出る質問がかなり専門的で質疑応答が難解な印象が強かったんですが、今回は質問もすごく的確というのか、私のような素人にもわかりやすいものでした。それはレベルが下がってきたっていうんじゃなくて発表がこなれてきている(本人が十分に咀嚼した上で発表できている)、一方で観客の「手話に対する」理解度も深まってきて、相互のやりとりがキチンとかみ合ってる印象を受けました。素晴らしいことですよね。
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国立障害者リハビリテーションセンター学院卒業研究発表会

2009年02月23日 10時40分38秒 | Weblog
始まりました卒業研究、一番目も二番目もなかなか興味深い発表でした。ただ私のお腹が空腹でグーって鳴ってしまって途中から今一つ集中を欠いてしまったのが残念でした
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航空公園駅到着。

2009年02月23日 09時01分14秒 | Weblog
さあー勉強するぞ~なんちゃって!国立障害者リハビリテーションセンター学院はここから徒歩10分くらいです。
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