かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

梶谷鼻

2007-09-10 14:27:35 | 風景
ブログを始めて2ヶ月が経ちました。訪問してくださる方に感謝感謝で、とても励みになっております。 
そこで、今日はこのブログのタイトルに関する話題を書こうと思います。

全国的にも、「○○鼻」という箇所はたくさんあるようですが、この佐田岬半島にもたくさんの「鼻」と呼ばれる地形があります。「鼻」というのは、海岸線で陸地が出っ張った地形のことを言うようです。ちなみに、国土地理院発行の1/25,000の地形図で見てみると、ここ佐田岬半島には20ほどの「○○鼻」と称される箇所があります。その中の一つが、我が地区にある「梶谷鼻(カジヤバナ)」です。
本ブログタイトルの「かんじゃま」とは、実はこの「カジヤバナ」のことで、我が地区では訛って「カンジャマ」と言うことに由来しております。この梶谷鼻が私は大好きで、我が地区の代表的な風景の一つだと思っています。写真で見られるようにこの梶谷鼻は、急峻な山が海に向かってせり出し、海に没するところで塔のように突っ立っている岩があります。この塔のような岩は高さ29mあり、以前(40年ほど前か?)は、この岩に一本の松の木が生えていたようで、今よりさらに美しく風格があったようです。しかし、その松の木はその後枯れてしまって、今は見ることができません。

梶谷鼻は、白っぽい岩でできていますが、これは石灰岩です。といっても、正確には石灰質結晶片岩といって、一般的には「大理石」として知られている岩石です。つまり、もともとは石灰岩だったのだけれども、地下深部にもたらされて圧力と熱による変成作用で、元の岩石の性質が変えられてしまった岩石です。佐田岬半島は、地質学的には三波川帯に属しており、岩石はすべて結晶片岩からなっており、その主体は塩基性片岩(緑色片岩)や泥質片岩で、石灰質結晶片岩が分布するのはこの梶谷鼻から西側のごく限られた地域だけです。三波川帯全体をみても、石灰質結晶片岩が分布する箇所はごく少ないようです。 

ところで、この梶谷鼻の沖合で、1960年頃ナウマン象の臼歯が採取されたそうです。長らく放置されたままだったようですが、その後名古屋大学の研究者が14C(炭素14)で年代測定を行った結果、今から4.38万年ほど前(最終氷期の中頃)のナウマン象の化石だと判明したようです。しかし、我が地区には平地がないので、いくら氷河期とはいえとても象が棲みついたとは考えにくいです。個人的には、このナウマン象の化石は、おそらく瀬戸内海から豊予海峡を通って梶谷鼻沖合に流れ着いたものだろうと思っております。
梶谷鼻周辺にはまだまだ興味深い箇所がありますので、おいおい紹介したいと思っております。これからもよろしくお願いいたします。 


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2 コメント

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嬉しいです。 (chacchan)
2007-10-02 10:51:52
いいところですよね。私の両親は梶谷鼻一番近くにが見える集落の出なんです。今は祖父母はいず、叔父叔母がいるのみです。毎年夏になると祖父母のもとへ毎年帰って朝早くから夕方までよく遊んでいた頃を思い出します。
 偶然梶谷鼻で検索をかけるとkimukosi様のブログを
みつけ懐かしく重いコメントしている次第であります。そうそう岩の上に確かに1本の松の木がありました。

 子供のころ何度か梶谷鼻へ祖父や父に連れていってもらって釣りをした記憶があります。
私はその先にある千畳岩も好きです。
去年墓参りに帰省したおり、私が子供だったころ元々大きな村ではなかったのですが人影がみあたらず益々寂しく感じたのはわたしだけでしょうか。
kimukoshi様ブログ頑張ってくださいね。
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ありがとうございます。 (kimukoshi)
2007-10-03 09:59:39
chacchan様、丁寧なコメントありがとうございます。そうですね、梶谷鼻の沖合いの大きな岩(大碆)を、千畳岩と呼んでいましたよね。私は、子供の頃1回だけこの岩に船で連れて行ってもらったことがあり、その大きさに圧倒された記憶があります。
私のブログはテーマが決まっておりませんし、ブログを始めて日が浅いので、操作がわからなかったり、工夫が足りないと思っております。少しずつ改良しながら、この地域の話題もできるだけ多く取り上げていきたいと思います。
これからもよろしくお願いいたします。
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