かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

テングサ乾燥中

2008-05-23 13:11:42 | 
一昨日、2日遅れのテングサ漁解禁となったので、私もいそいそと磯に出かけた。私が出かけた浜では、既に4・5人が来ていて、潮が引くのを待っている様子だった。海中を覗いてみても、まだ十分に潮が引いていないせいだろうか、テングサらしき海藻は見当たらなかった。 

乾燥したテングサは子供の頃見たことがあるのだが、実は私はテングサがどれかわかっていないのである。わかっていないのに採ろうというのだから、無謀・見切り発車極まれリ、というところだ。そのうち徐々に潮が引いてきたので、ニナを拾いながら、テングサはどれだろう? 子供の頃見た乾燥テングサからイメージしながら、これだろうか、あれだろうかと探してみた。事前にインターネットでも少し検索しておいたのだが、一口にテングサと言ってもたくさん種類があるようだ。そして、テングサの見分け方について、あるHPには「似た種類も多くあり、図鑑と見比べてもなかなか分からないので、知っている人に教えてもらうのが一番です」とあった。 

私も、これかなと思える海藻を試しに2、3種類採って、とりあえず聞いてみたが、全部違っていた。やがて、他の方たちはいよいよテングサを採り始めた様子だったので、その方たちに近づいて行って、おそるおそる(お忙しいところ恐縮ですが、という感じで)「テングサはどれですか?」と聞いて教えてもらった。
 それから、皆さんとは少し離れた場所で、私も教えてもらったテングサを水中メガネで探すと、あった。
波に揺られながら、他の海藻たちの間にたくさん生えていた。潜水すれば別だが、やはりかなり潮が引かないと見つけられないようだ。
たくさん群生している岩場を見つけたのだが、テングサの根元付近はどれも白っぽくなっている。先ほど教えてもらった時には、「浅いところのものは白くなっているので、深いところのものを採らんといけん」と言われたのだが、これは全部ダメなのだろうか?とも思いつつ採った。

奮闘約1時間、一昨日の浜は少し波があり、しかもまだ水温はそれほど高くない。腰の上まで海水に浸かりながら、水中メガネで探すので、完全に全身が濡れてしまった。やがて、満ち潮に変わったのであろう、さらに波が少し大きくなり、テングサ採りを終えた。 
この時期の海水温、干潮時間を考えれば、1時間が限界のようだ。
さて、テングサは水で洗っては乾燥させる、という作業を4~5回繰り返すのだそうだ。そうすると、色が抜けて白っぽくなるのだそうだ。そこで、家に帰って早速水洗いをして、砂や不純物を少し落としてから干した。いずれも聞きかじりの作業なので、本当に大丈夫なのかどうかはわからない。
海中にいるときは褐色だったテングサが、乾燥してくるにつれ赤紫色に変わっていく。そして、私が気になっていた根元の白いのが、余計に目立つようになってくる。どこかから、「だいやあ ○○さん、そげながいけりゃせん」と言う声が聞こえてきそうである。



この白っぽい部分は、テングサ自体が変色しているのではなく、茎に石灰分が付着している(コーティングされた状態)ように思えたので、試しに、この部分にサンポールを垂らしてみると、泡を出して反応したので、石灰分に間違いなさそうである。
 ではなぜ、私が採ったテングサは、ことごとく根元付近が石灰分でコーティングされているのだろう? ヒジキやワカメなどの根元は、テングサのように石灰分は付着していない。ヒジキやワカメは、岩場の上のほう(海面近く)に生えており、テングサは同じ岩場でも、海底付近に生えている。ということは、海底付近の海水には、石灰分がたくさん溶けているのだろうか? しかし、テングサと同じ場所に生えている他の海藻には、石灰分のコーティングはなかったように思う。
テングサの根元だけが石灰分でコーティングされるのには、きっと深いわけがありそうだ。
テングサ特有の性質なのだろうか?例えば、他の生物との共生といったような・・・。 それとも、地球温暖化? 海水汚染? 

ともあれ、今回のテングサは、自分んちでトコロテンを作ってみようと思っているので、見てくれが悪いだけなのであれば、問題はない。夏に美味しいトコロテンが食べられることを願いながら、今日も再度洗って干している。 

いつだったか、TVの某番組で、寒天には優れたダイエット効果があるという放送がされてから、当分の間スーパーから寒天が姿を消したことがあったことを思い出した。


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