かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

海の幸に感謝(その4)

2008-07-04 10:35:50 | 
 昨日はバフンウニ漁解禁日だった。ところが、天気予報どおり朝からどんよりしており、今にも雨が降ってきそうだった。そのため、磯に行くのをほとんどあきらめて、菜園で害虫退治をしたり、支柱立てをしたりしていた。ところが、午前11時過ぎに、漁協の巡視船が「稚貝を放流しているので、小さいアワビは採らないで下さい」などと沿岸を巡回しながらマイク放送を流しているのを耳にして、居ても立ってもいられなくなり、あわてて大きなおむすびを1個作って、浜に出かけた。

浜は大潮ということで、「さあ、自力で好きなものを採って下さい」と言わんばかりに、かなり潮が引いていた。早速、水中眼鏡を装着して磯遊びを始める。するとすぐに、幸先良くサザエを見つけた。「よし、よし、今日はこの調子でたくさん採れてくれよ」と願いながら、岩をおこしたり、岩の隙間などを覗き込む。
 昨年もそうだったが、今年もバフンウニは小さいのしか見かけなかった。そのため、もっぱらサザエとトコブシ採りに励んだ。奮闘2時間、サザエは結構取ることが出来た。そして、小さいけれどどのくらい身が付いているだろうかと思い、ウニもほんの少しだけ採って帰った。
 午後2時過ぎ、浜から帰ろうとする時になって、夕立のような強い雨が降り始め、雷までなってきた。でも、身体はどうせ海に入ったため濡れているし、さほど気にはならず、それよりも久々の磯遊びで大いに満足していた。
 ということで、昨夜は久しぶりに海の幸を美味しく頂きました。

ところで、我が地区では、ウニのことを“ガゼ”と呼ぶ。そして、バフンウニのことは“ウマンクソガゼ”と呼ぶ。“ウマンクソ”とは、汚いネーミングのようだが、“馬のクソ”が訛ったもので、バフン⇒馬のフン⇒馬のクソ⇒ウマンクソ となるわけで、忠実に日本語を直訳したようなものである。一方、ムラサキウニは“オニガゼ”と呼んでいる。長い棘があることから、鬼を連想して「オニガゼ」となったのであろうか。それにしても、バフンウニはそんなに馬のフンに似ているだろうか?
アカウニはそのままアカウニのようである。これがやはり一番身の付きが宜しいようです。


≪ウニ3種。左からムラサキウニ、アカウニ、バフンウニ≫


≪ウニの身。上の方の色の濃いのがバフンウニの身≫

バフンウニは小さかったので、やはりあまり身がありません。ムラサキウニは予想以上に身が付いておりました。

そんなウニですが、ウニのことをガゼと呼ぶのはこの地方だけかと思っていたのだが、北海道、東北、壱岐、天草などでもバフンウニを「ガゼ」と呼ぶようだ。
そして、ウニの口に相当する石灰質の咀嚼器(5個の歯からなる)のことを「アリストテレスのランタン」と呼ぶということを初めて知った。哲学者で知られる彼が、ウニの口を見て「ランタン(ギリシャ語で何と言うか解りませんが)」と名づけたそうである。さすが天才のひらめきは違う! ということは、アリストテレスもウニを食べていたのだ、と思うと「ウフ」である。でもきっと、ウニ丼は食べたことがないであろう。


≪中央上部がウニの口(咀嚼器)≫


≪本当にランタンのようです≫

なるほど、本当にランタンのようである。アリストテレスに感服!

 またまた、ウナギの産地偽装が発覚した。今回は流通業者がつるんでやったようで、非常に悪質である。しかも、中国産ウナギからは禁止抗菌剤まで検出されたとは、全く恐ろしい。偽装の報酬として、1億円も支払うのだから、よほどぼろもうけしたのだろう。
自分で採ってくるのが一番確実で安心な食材だ。
 海の幸に感謝、感謝である。


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