≪校舎裏の石垣≫
5年前に廃校となった我が母校『名取小学校』の校舎の後ろにある石垣です。
これは、きっと“矢羽根積み”という積み方だろうと思われます。
ひとつひとつの岩石を斜め45度に立て、上下方向で見ると一段ずつ逆傾斜で積み立てています。上からの荷重に対して、応力がうまく分散されるような工夫ではないかと思います。
その知恵が、きれいな幾何学模様を作り出しています。
名取集落にあるたくさんの石垣の中でも秀逸で、私は「パーフェクト」ではないかと感心しております。使われている石材は、すべて石灰質結晶片岩で(薄く緑色片岩を挟む)、結晶片岩の特性を生かした見事な出来栄えです。
この石垣の上は、狭いながら平地が確保され、畑になっています。先人の知恵です。
≪校庭脇の石垣.石垣の上は道があります≫
こちらは、校庭の脇の石垣です。こちらの方は、先ほどの石垣より少し材質や形状が劣り、積み方もやや粗雑です。
そして、こちらの石垣は、現在工事中の小学校跡地への進入道路新設でなくなってしまうとのことです。もったいないと思うのですが、道路の形状にあわせて、除去されたり、埋まってしまったりするようです。
この石材を道路の法面(擁壁)に再利用する、なんて配慮はないようで、新しいコンクリートブロックで擁壁が築かれるようです。何とも味気ない、周りの景観と不具合なことになるのではないでしょうか。
この小学校の石垣の石材は、シロシという場所から索道で運搬したというような話を耳にしました。ところが、シロシという場所がどこなのかは、私にはわからないのです。
とはいうものの、小学生のころ、学校のグラウンドから見える山の尾根付近から石材を運搬したというような話を聞いたことがあるような気がします。そこがシロシでしょうか?
平地のないここ名取地区にあって、この小学校の敷地が一番広いのです。といっても、人工的に平地を作りあげたもので、大型の機械が入ることの出来ない時代に、これだけの広さの平地を造成するということは大変な作業であっただろうと想像します。
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