かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

僕の心細道(4:ニュージーランド編-第三章)

2008-03-26 11:18:18 | 旅行
ニュージーランド(以降しばしば“NZ”と略します)に到着して2日目、朝食は、宿(B&B)でブレックファストが出たので、人間らしい食事を摂ることができました。そして、バスで“ヒルズ&ハーバー ツアー”という観光ツアーに出かけました。このツアーは、どういう風に申し込んだのか記憶がないのですが、きっと、昼食付きだということが魅力で、申し込んだのではないかと思われます。
 隣町の港へ観光に行った後、昼食はクライストチャーチ市内を見渡せる丘の上にある、“サイン・オブ・ザ・タカヘ”という石造りのレストランでした。NZ人ガイドがなにやら説明しているのですが、よく解りません。でも、「故ケネディ大統領が食事をしたことがある」などといっているような気がしました。階段の壁には、ケネディが写った写真が飾られていたように記憶しています。そして、このレストランは、後年、俳優の賀来千香子・宅麻伸御夫妻が結婚披露宴を行ったことで、日本では知られるようにもなったようです。
このレストランでは、同じテーブルになったあるご婦人が、私に「アー ユー ホラダイ」と尋ねてきました。NZはイギリス英語なので、アメリカだと「・・・ホリデイ」となるのですが、“Day”の発音は、“ダイ”ですね。何だか恥ずかしながら、ほんのちょっぴりだけれど、見ず知らずの海外の方と会話ができた、ということが嬉しくて、少し落ち着いてきたような気がしました。

3時間ほどのこのツアーも終わり、再びフリーになった私ですが、2日目はさすがにレストランで夕食を食べたのだと思います(記憶がありません)。そして、その帰り道だろうと思うのですが、街を歩いて偶然見かけたおとぎの国のような光景。茜色に染まった空と名前の知らない建物。思わず息を呑みました。夜の9時頃だというのに、空にまだこれくらいの明るさがありました。NZは、サマータイムを採用しているので、通常だと8時ということでしょうが、それでも明るいと感じました。



クライストチャーチ2日目も同じ宿でした。こうして、無事2日目が過ぎ、翌日、長距離バスに乗って移動し、憧れのマウント・クックへ向かいました。マウント・クックといっても、登山をするのではなく、その山が見えるエリアへ行くだけですが。 
 長距離バスは時速100km以上で走るので、しばしばフロントガラスに鳥や虫がぶつかり、ガラスはあちこちまだら状に白い液体がこびりついております。「うーん、遺体の残骸?」 ずうーと田園風景が広がり、家はポツリポツリと散在しているような感じで、バスは新聞配達もしているようで、ドライバーは、運転しながらしばしば新聞を窓から器用に投げておりました。運転手が投げたその先に眼をやると、道路から数十mあるいはそれ以上離れた場所に家がある、といった感じで広々としているのです。その広々とした牧草地には、羊がたくさんおります。多分ニュージーランドには、人口の10倍くらいの羊がいると思います。



そして、長距離バスということで、時折ドライバーは運転しながら観光案内などをしてくれます。さらに、トイレ休憩、ランチタイムもありました。
 ランチは、国道沿いのセルフサービス形式のような簡便なレストランでした。私は、コーヒーとサンドウィッチくらいでいいやと思い、まずコーヒーを注文しようとしたのですが、「コーヒー」の発音が店の方にわかってもらえないのです。


日本語カタカナ風に「コーヒー」と発音せず、ちょっと気取った感じで、英語風に発音しようとしたのが、それが裏目に出たのでしょうか。「え~~~、僕の発音では“コーヒー”さえも通じないの・・・」と思いながらも、再度発声したのですが、とうとう願いは叶いそうもないことを悟り、あきらめてオレンジジュースに変更し、何とか昼食にありつけたのです。それにしても、この時はかなりショックでした。ビールと子牛ステーキの発音の間違いは、まだ自分でも少し笑える余裕はあったのですが・・・。 「自分は何年間イングリッシュを学習してきたのだろう。その結果がこれか!」と、愕然とする思いでした。そして、自分の意思が通じないもどかしさをひしひしと感じたのでした。 
   
   ≪つづく≫


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