かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

僕のTシャツ(7:キナバル山編)

2007-11-17 11:04:49 | 旅行

キリマンジャロに登頂した年の5月に、今度はキナバル山へ行った。ほとんどの日本人トレッカーは、海外登山ではまずキナバル山に行って、次にキリマンジャロに挑戦するようだが、私の場合は逆だった。そんなこともあってだろうか、キナバル山はキリマンジャロほど深い印象が残っていない。
キナバル山は、ボルネオ島のマレーシア領内にあり、キナバル自然公園は、2000年ユネスコの世界遺産に登録されたようだ。成田を出発して、香港でトランジットして、コタ・キナバルに夕方到着した。
到着した翌日、バスで市内観光をして、その後パーク・ヘッドクォーター(公園本部)まで行き、入園手続きをして公園内のドミトリーに宿泊した。このドミトリーからは、目指すキナバル山がよく見えた。ドミトリーでの夕食は、なかなか豪華な中華料理で、明日から登山だという雰囲気とは少々違った。
そして、翌日登山ゲートに向かい、大きな荷物を預けてトレッキング開始。シダやランがたくさん生えた熱帯雨林のジャングルの中を歩く。急な斜面が多いが、木材で階段が作られていたり、手すりがあったりと、登山道はよく整備されている。歩き始めからしばらくして、雨が降り始めた。そのため、時々あずま屋で雨宿りを兼ねた休憩をしながら、ゆっくり上る。そんな中で、ひとつ楽しみにしていたのが、食虫植物のウツボカズラを見ることだ。想像していたよりも小ぶりであったが、登山道の脇に生えているのを、現地ガイドが教えてくれた。
徐々に高度を上げていくと、しだいに木々が低くなり、やがて前方に壁のように切り立った大岩盤が現れた。そして、その大岩盤の直下には、本日宿泊のラバンラタ・レストハウス(3,352m)が見えてきた。このレストハウスは、1階がレストランで2階が客室になっており、日本の山小屋のイメージとはかなり違っている。部屋に荷物を置き、少し休憩してから、レストハウスの周りを散歩する。眼前の大岩壁の上の方はガスっている。
       
翌日夜中3時頃に、ヘッドランプの明かりを頼りに出発する。しばらくは急な坂や階段が続く。そして、赤道直下付近だというのに、やはり寒かった。そのため、ヘッドランプの電池の消耗が早い。何度か休憩しながら少しずつ高度を上げていく。やがて、森林限界を越えたころから、足元は花崗岩の岩盤に変わった。真っ暗だった空が、徐々に明るくなってくる。高山病的な障害はないが、所々に急な斜面があるため、私の足腰はかなり疲労し、キリマンジャロの最後の登りに劣らないほどしんどかった。岩場は一枚岩状で広々としており、ルートはどこだろうと思ったが、ちゃんと登山ルートを示すロープが張られており、迷う心配はなかった。この花崗岩の岩場は、かつての氷河による浸食で岩盤表面が削られているため、表面がつるつるした感じで、滑りやすそうなのだが、意外に滑らない。
やがて、あちこちの屹立した岩場が太陽に赤く染まり始め、下界は雲海で覆われているのが見えてきた。残念ながら、私は日の出までに頂上に立つことはできなかった。どうやら、同じツアーの仲間達より随分遅れ、ほぼビリになったようだ。そして、真正面に何名かの登山者が集まっている岩場が眼に入ったので、そこが最高峰ロウズ・ピークだろうとわかった。こうして、日の出よりやや遅れて頂上に立つことができた。頂上では、ツアーの方たちと揃って記念写真に納まる。 

登頂を記念して買ったのが、今回のTシャツである。なんの変哲もない、「これぞプリントTシャツ」といった感じのものだが、これも記念だ。
我々が登った時は、頂上に4,101mの看板があったし、買ったTシャツにもそう書いてあるが、その後1997年に人工衛星を用いて測量が行われたところ、ロウズ・ピークの標高は4,095.2mに改定、正式に承認されたとのことである。聞くところによれば、雨と風によって1年に5cmずつ低くなっているらしい。
頂上で360度の雄大な景色を楽しみ、上ったルートをゆっくりと写真を撮りながら下る。上る時はしんどかったので、景色をゆっくり楽しむことができなかったが、帰路では、ロバの耳の形に切り立ったドンキーイヤーズや尖塔状のキナバルサウスなどを見ながら、足元に注意しながら慎重に下った。下りは、宿泊した小屋で小休止して、一気に登山口まで標高差約2,200mを下りた。
ところで、このキナバル山を往復するマラソンが毎年行われているらしい。標高差約2,200mの世界一過酷な山岳マラソンである。登山口付近に、昨年の優勝者達の名前が看板に書かれていた。
登山を終えてからは、コタ・キナバルの海辺のリゾートホテルに宿泊し、翌日は帰国出発時間までフリータイムだったので、すぐ沖合に浮かぶサピ島へ渡り海水浴を楽しんだ。海はとてもきれいだった。コタ・キナバルの港で買ったのが、もう1枚のTシャツである。この国の有名な人形劇をデザインしたのだろう。このTシャツは、結構気に入っているので、着る機会が多い部類に入る。


≪蛇足≫ 一つの投稿記事に1枚の写真しか載せられないと思っていたのですが、最近、複数枚載せる技があることを知り、今回初めて2枚の写真を載せてみました。 


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