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かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

石灯籠

2007-08-04 14:50:13 | 田舎の歴史
集落から港へ行く途中の道の傍らに、写真のような石灯籠が建っている。いつ、誰が、何の目的で建てたのかはわからないが、私が子供の頃には海水浴などでここを通るたびに、この石灯籠の上部のかさの箇所に小石を投げてのっけていた。うまく小石がのっかると気分がよく、子供心にはその日の運勢を占うほどの意味があっただろうか。しかし、本来の目的はそういうことではなかったのだろうと思う。
「灯篭」は、庭園などの鑑賞道具もあろうが、本来はあくまで戸外の照明器具だったはずだ。また、最近ではお寺や神社に“灯り”を献じて、報恩や来世の冥福を祈ったり、家内安全を祈願したりする目的のものが多いようだ。
今はこの半島も道路が整備されて町への行き来は車だが、子供の頃は定期船が町への主な交通手段であった。そしてその当時、我が集落から港へ行くには、石段を下りて行かなければならなかった。この石灯籠にはちゃんと蝋燭をともすところがあり、建っている場所は以前は見通しが良かった。ということを考えると、電灯の無かった時代の外灯であり、道標であり、さらには旅の安全を祈る意味があったのではないだろうかと、勝手に想像している。しかし、この石灯籠も今では、近くに海岸へ下りる道路ができており、普段目にすることは殆んどなくなった。また、みかん畑の杉垣にさえぎられて視界も悪くなり、その存在すら忘れられかけているのではないだろうか。