サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

仇花?(買い取り制度にかかわらず、ノンリコースの執行も出来ない金融の臆病さ度80点)

2013年10月26日 | それでも世界は回る

やっぱり「徒花」だった野心溢れる28歳 詐欺容疑で逮捕された太陽光発電ベンチャー社長の人となり

2013年10月24日(木) 伊藤 博敏
「時代の羅針盤か、それとも徒花か」

 そんなタイトルで、私が本コラムで太陽光発電装置のエステート24ホールディングスを採り上げたのは、今年5月16日のことである。それから約5カ月後の10月19日、大阪府警捜査2課は、同社社長・秋田新太郎容疑者(28)を詐欺容疑で逮捕した。

 資本主義が健全な発展を遂げるには、既存のビジネスモデルや特定の企業に支配された市場を、打ち壊しながら突き進むベンチャー企業が欠かせない。概ね、若く荒削りで危ういところが多いが、リスクを取るアニマルスピリッツは刺激的で、私は、心情的には応援したいと思っている。

脇の甘さは危惧していた

 したがって記事を作成した時点で、27歳とまだ若い秋田氏には、「羅針盤になって欲しい」という願望を持っていた。
 同時に、足元を踏み固めながら進む慎重さが必要で、若さに任せて、単身、どこにでも飛び込み、誰とでも会い、結果オーライで済ませる脇の甘さは危惧していた。

 その恐れが、「徒花か」という表現につながったのだが、結論はあまりに早く出た。
 大阪府警の発表によれば、秋田容疑者と一緒に逮捕された田中智久容疑者(36)は、昨年9月、みずほ銀行に融資を申し込む際、太陽光発電の販売実績を水増しし、「返済原資はある」と虚偽説明。
 また、他のメガバンクから融資を受けたとする偽造証明書を提出、約2億円の融資を引き出したという。

 

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太陽光ベンチャーの会社は何社か知っている。
とくに、屋根にソーラーをつける小型の発電設備関係の営業会社や工事会社は、もうイケイケドンドンでやり始めたところが多い。とくに、買い取り価格が発表されてからだ。
そうかといって、まともにちゃんとやっているところも知っている。
じゃあ、大手の発電事業者がいいかといえば、それは土地も資金もたくさん持っている大企業版のメガソーラーの仕事ばかりで三年先まで仕事が埋まっていると言う話も聞く。
これもなんだか面白くない話だ。
政府は脱原発議論の中で、ようやく再生エネルギーの買い取り価格を決定した。
そのなかでも太陽光発電は比較的工期も早いので、申請だけはたくさん出ている。
けれども、銀行与信がつかなかったり、電力会社からいろいろ接続で意地悪をされたりして、工事が終了したのはまだ一部だ。

資金さえつけば現在はkwあたり36円の買取価格だが、絶対に儲かるビジネスであり20年間の買取保障だ。
でもその利益のほとんどは41円時代から関係する土地を押さえていた大企業や、大量に買い取り資金を用意している海外の投資会社の利回りに回るケースがほとんどだ。
結局、高い電気代を負担するのは、国民だと言うのに。
買取が保証されているのに、ほとんど地銀や信金は設備投資資金をつけようとしない。
これこそ、10%程度のノンリコースで融資が出ればいいのに、馬鹿である。
この20代のベンチャーのお兄ちゃんも、そういうベンチャー軽視の融資の流れに焦り、虚偽申告をしたのかもしれない。
もっとも秋田新太郎は、「秒速」で稼ぐ与沢翼といっしょに講演などしていたしていたから、お調子者には違いないのだが。 
 

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