サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

mini review 05044「パッチギ!」★★★★★★★☆☆☆

2005年08月01日 | 座布団シネマ:は行

『ゲロッパ!』『岸和田少年愚連隊』の井筒和幸監督の最新作。主人公の康介を演じるのは監督に大抜擢を受けた塩谷瞬。朝鮮高校の番長役に『青い春』の高岡蒼佑。伝説的名曲「イムジン河」と複数のエピソードがシンクロするクライマックスに胸が熱くなる。[もっと詳しく]

「ヤンキー」の血中濃度は高い。

若い連中たちに、思い切りの演技をさせ、背景の時代と町を描いていくという手法では、井筒監督の真骨頂が見える。
娯楽作品として、よかった。

背景は1968年の京都。朝鮮高校と一般高校の確執を縦軸に、「イムジン河」という放送禁止歌をめぐる状況を横軸に映画は作られる。

こだわりエッセイイスト松山猛の「少年Mのイムジン河」という著書と、「悲しくてやりきれない」「帰ってきたヨッパライ」など、日本のフォークシーンに一時代を築いたフォーククルセーダースの面々、またそこに、アルフィーの板崎幸之助がモデルの登場人物などが出てくる。

少しおくれて、「関西」「西部講堂」「フォーク」「闘争」などのテーマがもろに、僕たちにも降りかかってきた。
当時の時代的キーワードは僕たちにはなつかしいし、笑える。
この映画のおもしろいところは、30数年昔の時代を扱いながら、日本の若い俳優たちが、違和感なく、当時を髣髴とさせているところ。
もちろん、かれらのお父ちゃんたちの時代であり、本当のところ、そのエピソードもピンとこないかもしれない。

特に、「パッチギ(頭突き)」を得意とする朝鮮学校番長のアンソン(高岡蒼佑)と女番長から看護婦となるガンジャ(真木よう子)が素晴らしい。
関西弁と朝鮮語、猛烈な特訓をしながら、喧嘩シーンも体当たりでこなしていて、気持ちがよかった。
ジャニーズ系ではこうはいかない。
やはり、「ヤンキー」の血中濃度が、日本では深いのかもしれない(笑)



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4 コメント

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コメントどうもでした~ (さくさく)
2005-10-28 22:38:42
TB&コメントどうもでした~

あのオダギリくんがやっていたのって

アルフィーの坂崎さんがモデルなんですか

へぇ 知りませんでした

たしかにジャニーズ系では出来ない演技ですよね

では~
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オダギリ (kimion20002000)
2005-10-28 22:59:47
>さくさくさん



オダギリジョーは、その後も邦画の世界で大活躍ですね。幅広い世代に支持される。頭がいい人だと思いますね。
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なるほど (miyu)
2008-06-24 06:44:37
熱い映画でしたよね~。
続編はそうでもなかったのかな?
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miyuさん (kimion20002000)
2008-06-24 21:58:06
こんにちは。
そうですね。
こちらの方は、僕は、青春映画の傑作だと評価しています。
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