サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

出版権新設(著作隣接権議論の空しさを止揚できるか度80点)

2013年09月03日 | それでも世界は回る

電子書籍:出版権新設へ 海賊版対策 文化庁

毎日新聞 2013年09月02日 11時29分

 インターネット上で急増する電子書籍の海賊版被害対策として文化庁は、出版社(者)による差し止め請求を可能とする「電子出版権」を新設する方針を決めた。5日開催の文化審議会小委員会で中間報告書をまとめてパブリックコメントを募り、来年の通常国会に著作権法改正案を提出する考えだ。

 出版権とは、出版社と著作権者が契約を結び、著作を独占発行できる権利で、現行法は紙の出版物だけを対象としている。電子書籍に対応するには、出版社は著作権者から著作権の一部を譲渡してもらう必要があるが、新規の同意を取り付けるのは困難だった。そのため出版社独自の訴訟を起こせず、著作権者も自らで対応するしかなかった。

 一方、契約文化が浸透する米国の場合、出版社は著作権者から著作権を譲り受ける商慣行があり、自ら侵害対策に乗り出している。

 電子書籍にまで出版権の対象を広げることで、日本国内で配信されている違法な電子書籍の作成・流通の差し止め請求訴訟を起こせるようになる。さらに著作権者の権利が保護されることから、電子書籍ビジネスの進展につながると期待されている。【中澤雄大】

結局は、これまで大手出版社側が主張してきた「著作隣接権」が電子出版においてありうるのかどうか、という問題の解決版として出てきた「出版権」というように思われる。
「著作隣接権」騒ぎの時は、僕も小さな出版社を持ってはいるが、ほとんど実行不可能だしむしろ電子化の流れを遅らせる意図で既存大手出版社が主張しているように感じられたものだ。

出版権新設も、腰が引けていた文化庁がとうとう動き出したかという感じだが、単純な疑問点はまだまだ多い。
でもとりあえず、方向性を出して、議論のレイヤーを明確にはすべきだろう。
その法制化に対しては、慌てることなく、じっくりと議論すべきだろうと思う。 

 




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