サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

日本永住の決意/サイデンステッカー(日本文学研究者)/86歳

2007年08月27日 | 毎日がメメント・モリ

サイデンステッカー氏死去=「源氏物語」を英訳、日本文学を紹介


8月27日20時2分配信 時事通信




 源氏物語の英訳などで知られる日本文学研究者で、コロンビア大学名誉教授のエドワード・サイデンステッカー氏が26日午後4時52分、外傷性頭蓋(ずがい)骨内損傷のため東京都文京区の病院で死去した。86歳だった。米コロラド州生まれ。密葬を近親者で行い、後日お別れの会を開く。喪主は置かない。
 コロラド大卒業後、海軍日本語学校で学び、終戦直後に情報将校として日本に勤務。外交官として再来日し、1950年に退官後、東大大学院で日本文学を専攻。その後、上智大、ミシガン大、コロンビア大などで教える一方、川端康成「雪国」や谷崎潤一郎「細雪」、古典の「蜻蛉(かげろう)日記」など多くの文学作品を英訳した。75年には15年かけた「源氏物語」の全訳を完成。
 68年、川端康成のノーベル文学賞授賞式に同行し、受賞講演「美しい日本の私」を英訳した。エッセーや評論も執筆、著書に「現代日本作家論」「源氏日記」「流れゆく日々-サイデンステッカー自伝」など。77年に日本文学紹介の功績などで菊池寛賞。
 長年、日米間を行き来していたが、昨年春に日本永住を決意。今年4月に東京都内の自宅近くで転倒し、入院していた。 

この人の功績は、やっぱり凄いんでしょうね。
「源氏物語」の全訳に、川端康成、谷崎潤一郎、の代表作の英訳ですからねぇ。

いまでこそ、村上春樹、吉本ばななを含め、それなりの文学者や批評家の仕事が、翻訳を通じて、海外に紹介されるようになりましたけどね。
「源氏物語」を精読した日本人なんて、いったいどれほどいるんだ?
そして、あの「もののあわれ」に満ちた、残された和歌や、微細で豊穣な古典の色彩世界や、男女の駆け引きの高等な世界を表現した文(文)を、どれほどの人間が英訳できるんだ?

日本永住の決意をしたこの老文学研究者に、感謝を述べなければならない・・・合掌!!


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