サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

245日目「パウル・クレー/おわらないアトリエ(東京国立近代美術館)」竹橋

2011年07月27日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ 7月24日のアナログ放送終了は乗り切ったの?
キミオン叔父 ああ、地下室のベッドサイドのやつね。正午に砂嵐かなと思って、歴史的瞬間を楽しみに待っていたんだけど、なんかアナログデジタルの表示が出て、そのまま映ってやんの。
ははは。CATVなの?
なんだかよくわかんなくて(笑)。ちょっと前にADSLから光にして、その時テレビ回線もいじったような気がしたけど。まあ、会社にあったVIERAを結局は家に持ってきたけどね。
冷蔵庫は?
おかげさまで。暴発したものより一回り小さくて、現物限りの安いものをヤマダに頼んだんだけどさ、二階にあるし、配送のチェック係が事前に家に来て、いろいろメジャーで寸法計り出したんだけどね、「駄目です!」というの。壊れた冷蔵庫が運び出せない、と。なんとか入れられたんだから出せるでしょう、と押し問答があって、結局、壁に穴が開いても文句を言わないと言うことで、なんとか翌日3人がかりで、出し入れを終了してもらったよ。
よかったわね。しばらくこの暑い夏にかかわらず冷蔵庫なしで過ごしたって言ってたから、いきなりいろいろ買い込んだんでしょ。
もちろん、まずビールとおつまみと冷奴とお刺身と牛乳と卵と・・・あれやこれや。まあ、冷蔵庫は貴重だな。


パウル・クレー。日本でも根強い人気があるわよね。今日も会場は一杯だし。
なんか、こぶりな作品も多いし、表現的主張も控えめなような感じもするけど、日本人は特に好きなんだな。ふだん抽象画なんて見向きもしない人でも、クレーの会場には来るんだよな。
あのさ、ミュージアムショップでいろいろ売ってたじゃない。クレー風の紋様を生かしたポーチとか、クロスとか、文房具とか・・・。あの独特の色使いの諧調が、日本人好みじゃないのかな。抽象でも冷たい幾何学ではなくて、子供の落書きの描線のようなタッチだし。
今回の展覧会は、「おわらないアトリエ」と題して、クレーの制作プロセスを解析していたね。本人もいくつかのアトリエに計算されたように自分の作品を展示していて、それにまたいろいろ手を入れている。詳細に自分の作品の記録というか目録を作っている。すべてが完成作品ではなく、つねに手を入れていくんだという気持ちが強い。
まず、クレーの特徴的な技法としては「油彩転写」。写して/塗って/写して。素描を黒い絵具を塗った紙の上で転写し、水彩絵具で着色する。なーるほど、と。
次に、切って/回して/貼ってということで、「切断・再構成」の作品群がある。面白いよね、半分に上下を切ったりして、それをくるっと90度回したりして、別の作品としちゃう。
切り離したままの作品もあるしね。それに、おもて/うら/おもてということで、作品のオモテとウラで三次元的な発想をさせる作品もある。
なんか、アトリエ作業が、愉しそうにみえるよね。表現手法に行き詰ってノイローゼになる画家って多いじゃない。でもなんかクレーは、視点を変えることで、自分のイマジネーションをあらたに発見することに、自分でも驚いているようなところがある。そういう意味では、こどもの視点を失わなかった人かもしれない。
谷川俊太郎さんなんかが、クレーの画を組み合わせて、詩を書いている。なんか、視線(精神)の自由さというものを感じているのかも。
でもやっぱ、狭くてもなんでも、作家のアトリエって面白いわよね。


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