サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

エジプトからの緊急声明

2011年02月02日 | みなみなさまへ

エジプトからの緊急声明


 http://774.tumblr.com/post/3029785215/to-all-the-people-of-world-the-people-in-egyptに掲載されていた英文を和訳しました。

世界の人々へエジプト国民はエジプト政府による包囲攻撃の最中にあります。ムバラク体制は、現在、フェイスブックやツイッターを含む人気が高いインターネットサイトへのアクセスを禁止しています。明日には、政府は三つの携帯電話サービスを停止するでしょう。また、明日になれば固定電話回線も切断されてしまうかもしれない、というニュースも入ってきています。現在エジプトで起こっていることを、報道機関が連絡できないようにするためです。

スエズもすでに包囲攻撃にさらされています。政府は水道と電気の供給を停止しました。子どもや老人を含む人々は、今喉の渇きに苦しんでいます。病院にいる患者は応急処置すら受けることができません。運動への参加により負傷した市民は道路に横たえられていますが、彼らを救助しようとする動きを機動隊が妨害するのです。また、運動に参加したことで殺された市民の家族らは、彼らの息子を埋葬しようにも、遺体を引き取ることもできません。

この写真は北サイニ(エルシェイク・ゾヤ・シティ)と西エジプト(アル・サロム)のものです。機動隊は、抵抗する市民を弾圧しています。イスマイリアで、アレクサンドリアで、ファヨウムで、Shbin Elkoumで、そしてカイロで、住人が道を行き交う中、機動隊は抵抗する市民を弾圧するのです。 政府は、エジプトのすべての都市で、抵抗する市民を弾圧しようとしています。政府は催涙ガスやゴム弾やプラスチック弾、低濃度のマスタードガスのような化学兵器を、抵抗する市民に対して使用するのです。幾人かの抵抗する市民が、今日、機動隊が運転する装甲車に撥ねられ、殺されました。これまでも剣やナイフを忍ばせた私服警官が、抵抗する市民を脅かしてきたのです。 エジプトの内務相によって配置された悪党どもがカイロの街を徘徊しています。彼らは抵抗する市民を悪者に仕立て上げ、黒い噂を立てるために自動車に火を放つのです。そうすることで彼らは、カイロやその他の都市においてこの三日間行われてきた平和なデモの至るところで見られた、警察による暴力や、国による拷問を正当化するのです。

現在、地元メディアは不気味に沈黙し、国外メデイアからの報道は途絶えています。ムバラクとその手下のギャングどもは、今起こっていることを世界に伝えることができるすべてのチャンネルを遮断しているのです。自由を求めるエジプトの人々は、あなたの助けを必要としているのです。 手を差し伸べてはくださいませんか?無辜の市民に発砲する機動隊を撮影したおびただしい数の写真をビデオを見るために、アクティビストたちはYoutubeやその他のサイトに殺到しています。警察は、抵抗する市民に対して実弾を使い始めたのです。15歳の少女がすでに負傷し、25歳の男性は口の中を撃たれました。こうしたことがメディアには映らない一方で、明日には同じようなことがますます行われるのです。

あなたは黙ったままなのですか?このような残虐で非人間的な行いを目にしてもなお、あなたは無言のままでいられるのですか? 私たちは多くを望みません。ただ、ここで起こっていることを広く知らしめてほしいのです。

マリアム・フセイン

 

「はてな」で見かけた記事の引用である。
あの「ベルリンの壁の崩壊」の連鎖のように、東西冷戦が終末に向かったのと同じような、ドミノ現象が、中近東の独裁政権で次から次におこっている。
ちょっとアメリカのCIAの陰謀か、イスラエルの潜伏機関が操作しているのか、いやいやイスラム・テロ組織の力学の変容か・・・などと今までなら「陰謀論」めいた話題で盛り上がりそうだが、そんな単純なものでもなさそうだ。
今回の連鎖する政権解体は、すべてここ2,30年間の独裁政権であり、ある意味で親米政権である。
そこまでは当然、CIAや国際的な産軍共同体の介入があったのだろう。
独裁政権批判のアメリカも、イスラム過激派との勢力バランスをとるために、非民主主義体制に、目を瞑ってきたところがある。
イスラエルもエジプトが介入することで、中近東のバランスをとってきたこともあり、情報収集に必死らしい。
オバマもムバラク政権を、見放さざるを得ない。
この緊急声明のようなアクテヴィティが、規制を超えて、インターネットであるいはSNSで世界に流されると言うことが、これからの世界の「革命」ないし「動乱」のもっとも大きなファクターになる。
第五の権力であるマスメディアは、もう世論誘導や情報操作の担い手としては力が弱まっている。
情報伝達が比喩的に言えば、脳のコントロール化で行われているのではなく、細胞同士の漣のような無数の伝達回路を通じて、統御システムに変更を迫るようなものだと思う。
単に「情報伝達」の民主化などと浮かれてばかりはいられない。
たぶん、つながった世界では、従来のようにマスメディア報道を無視したり批判したりするだけでは駄目で、自分もまた漣のような発信を日常的に感受し、そして一個の媒介、結節点となることで、なんらかのバイアスをかけてその情報連鎖の当事者となるということなのだと思う。
それは先進国であろうが、開発国であろうが、上記の「緊急声明」にあるような沸点のなかにいる人たちも、国境やイデオロギーを越えて、新しい世界を体験していることになるのだろう。

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