喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

男の隠れ家でのすてきな時間 ~もにこど2~

2016-09-21 | 感動
 昨年の今頃、猛烈な肩や首・背中の痛みに悩まされ、
ようやくその痛みが和らいできたころだった。
 たくさんの人に心配してもらい、健康のありがたさを肌で感じていた。

 昨年の9月21日は、シルバーウィーク唯一の休日で、
前日松山で研修があり宿泊していた。

 家族もそれぞれ用事があったので、久しぶりに自分の時間を過ごせた。
岬への帰り道にどこかおもしろいところはないものか。

 もう10年以上も前だろうか、伊予市に大谷池というダム湖があり、
その周辺が県立森林公園になっていた所に行ったことがあった。
 自然を暮らしの中にどう生かすかに興味があるので、久しぶりに行ってみたくなった。

 その途中、知り合いのおすすめで、おもしろいカフェがあるということで立ち寄ってみた。
カーナビで車を走らせるが、くねくね道でどうみても人家の中。
こんな所に店があるのだろうか?

 そしてついに目的地に到着。
その家は少しおもしろいデザインなものの、どうみても普通の民家にしか見えない。



 入口さえよくわからないくらい。
しばらく家の回りをぐるぐると。
 そしてようやく見つけ、入口の戸を開けるとおしゃれな玄関ホール。
正面にはほどよい古さの調度品が置かれていて、部屋へ入る気持ちを誘ってくれる。



 入ってみるとビックリ。
何段か下がった所に、フロアがあり、カウンターと椅子テーブル、そして和風な板間。
ちょっとおしゃれなリビングといった感じ。
お客さんが結構いて、にぎやかにおしゃべりをしている。

 空いている席が板間しかなかったので、窓際の席に座る。
そこから見える景色にまたビックリ。



 すぐ手前にみかん畑があり、何軒か民家がすぐそばにある。
遠くには、刈り取り前の稲穂がゆれる田んぼが広がっている。
さらに遠くには瀬戸内海とそこに浮かぶ島々。
 見晴らしがよい所に建っている我が家感覚だ。

 メニューを見るが、聞きなれないメニューは注文できず。
せめて普通のコーヒーではなく、香りがよさそうな炭火コーヒーをたのんだ。



 待つこと10分。
個性的なカップに入ったコーヒーが運ばれてきた。
そしておもしろい入れ物に入った砂糖。
味は、炭火のちょっとした苦さが、ほどよかった。

 これだけでも十分だったのだが、普段はあまり食べないスイーツを注文した。
最近、自然食に興味があるので、よもぎ入りのシフォンケーキとラズベリーのケーキセット。
イチジクが入ったヨーグルトのようなものも。
 実に柑橘農家らしい選択。



 味は、むつこくなく、あっさりの甘さでおいしい。
うちのデコポンや清見タンゴール、伊予柑、サンフルーツなどもこんなアレンジはできないものだろうか。

 運んできてくれた店のご主人と少し話をすることができた。

「このお店に感激しています。もちろん飲み物やスイーツはこだわりが感じられます。
それ以上に交通の便があまりよくないこの場所にお店を開いたということがすごいですね。」


 するとおもしろい返事が返ってきた。

「店のメニューのよさはもちろんですが、店までの道を楽しんでもらいたいという気持ちがありました。
 大きな道路のそばのにぎやかな場所は便利です。
 それに比べるとここは不便ですが、民家をすり抜けるような道を、
季節の自然を楽しみながら来ていただくことができます。
 そんな非日常を感じていただきたいと思っています。

 これは、地元生まれではない私たちだからこそ魅力に感じたことかもしれないですし、
でもそんなふうに感じてもらえるお客様は多いと思います。
 地元の方は、ずっと暮らしてきてこれがあたりまえになり、
そのすばらしさに気づきにくいのではないでしょうか。」


 すごくいい話だった。
そう考えると、私の超田舎のふるさと平礒は、とびっきりのすてきな場所なのかもしれない。
確かに少しずつではあるけれど、そう感じている。

 男の隠れ家 「もにこど2」。
またぜひこっそり来てみたい家だ。

                    岬人(はなんちゅう)


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