何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

臼杵神社 (臼杵)

2019年01月12日 | 寺社巡り-大分

【大分・臼杵市】鎌倉時代文保二年(1318)、神の御託宣により「臼塚大明神」が創建され、享保十四年(1729)、「臼杵大明神」に改称された。 明治九年(1876)に稲田に鎮座していた天満社が併合された際、社号が「稲田神社」に改称された。 その後、大正十一年(1920)に氏子らによる社号復旧の動きが起こり「臼杵神社」に改称した。
古墳時代前期(五世紀前半)築造とされる臼塚古墳(前方後円墳)の全てを境内とし、社殿は後円部に鎮座している。 祭神は少彦名命・大己貴命・菅原神で、地元では「臼塚さま」と呼ばれている。
境内には、古墳から出土した「舟形石棺」2基と「石甲(短甲形石人)」2基がある。 (2015年3月15日投稿:「臼塚古墳(石甲)」)

「臼杵神社」の額が掲げられた明神鳥居の前の右手に「史跡 臼塚古墳」の標石が立つ。 鳥居をくぐると直ぐ右の覆屋に、珍しい形の石造物2基が鎮座。 甲冑を着けた武人(頭部なし)に似ているところから「石甲(短甲形石人)」と呼ばれるが、自分にはどうみても武人の姿にはみえない....想像力の不足か。
参道奥の石段を上りつめると注連縄が張られた御神木の樟の巨木が聳え立ち、右手に丸い目の狛犬が鎮座する社殿が建つ。 社殿は拝殿・幣殿・本殿が連なった構成だが、流造の本殿の軒先が幣殿の屋根に被さっていて、まるで幣殿が本殿に突き刺さったような造りだ。
本殿の基礎部も少し変わっていて、石積基壇の上に石の亀腹と近年築とみられる逆撥状の縁束が設けられている。 また、基壇傍の僅かな隙間に、正面を向いた狛犬が鎮座しているが、顔の前は縁束の壁がなので何故ここなのか....まるで壁に向かって禅修行をしているようだ。
本殿の右隣の覆屋に「舟形石棺」が置かれているが、初めて見る1500年以上も前の古墳時代の石棺があることに感動....当時の豪族がこの石棺に納められる様子を想像しながらが神社を後にした。

「臼杵神社」の額が掛る昭和二十七年(1952)造立の明神鳥居....注連縄にしめのこと紙垂が下がる

竿に「普明燈」と刻まれた重厚な2基の石燈籠は、右が文化十四年(1817)、左は文政七年(1824)の造立

参道右側に鎮座する2基の「石甲(短甲形石人)」(重文)....古墳のくびれた部分から出土したもの
 
「石甲」は大分県内では臼塚古墳にしかみられない/「石甲」の後方に鎮座する境内社の稲荷神社

転びのある朱塗りの神明鳥居と石灯籠を構えた稲荷神社
 
切妻造銅板葺の簡素な手水舎....2基の手水鉢があり、手前は珍しい円板形の鉢

参道石段下から見上げた社殿....社殿は古墳(前方後円墳)の上に鎮座

社殿境内に聳え立つ御神木の樟木....推定樹齢約700年で、幹回り6.64mの巨木

臼塚古墳の後円部の中心に鎮座する社殿(拝殿)
 
入母屋造銅板葺の拝殿....質素な造りの正面の扉の上にしめのこと紙垂を付けた太い注連縄が張られている
 
拝殿前に鎮座する狛犬....まるで可愛い猫のような姿形の阿形吽形獅子像

拝殿、弊殿(石の間?)、本殿が連なる社殿....拝殿と弊殿の壁は羽目板、拝殿は大棟端に鬼板、軒廻りは一軒繁垂木、拝に蕪懸魚、妻飾は狐格子、柱上に舟肘木

流造銅板葺の本殿.....軒先が幣殿の屋根の一部を覆いかぶさる様に延びている....大棟に外削ぎの千木と3本の堅魚木が乗る

本殿の基礎部....石積基壇の上に亀腹とコンクルート製の床束(縁束?)の造り....狛犬が何故こんなところに?
 
本殿の壁に超近接して鎮座する狛犬....多分、社殿改築後にもとの位置に置かれたのだろう/本殿右手の切妻造銅板葺の覆屋に舟形石棺を安置

2基の舟形石棺は大正時代に墳頂部から露出したもので、石棺内に人骨の他、舟載鏡、鉄剣、鉄刀などが納められていた

臼塚古墳は五世紀前後に造営された前方後円墳....後円部から出土した大小二基の舟形石棺
  
境内に佇む竿に天明八年(1788)造立の2基の石燈籠/注連縄が張られた鎌倉時代文保二年(1318)造立の石碑

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