何気ない風景とひとり言

寺社&石仏巡り、小さな旅、散策...ふと目に留まった何気ない風景...切り取って大切な想い出に!

東漸寺-(1) (横須賀)

2024年06月26日 | 寺社巡り-神奈川

【神奈川・横須賀市】創建は平安時代末期で、性真和尚を開山として三浦大介義明の五男・義秀(長嶋肥後守(長嶋義秀))が創建したとされる。 三浦義秀は鎌倉時代の仁治元年(1240)に仏門に入り、屋敷跡に寺を建て、正室の戒名「東漸院信誉仰秋」から寺号を東漸寺と名付けたよようだ。 宗旨は浄土宗で、ご本尊は阿弥陀如来像。 鎌倉二十四地蔵尊霊場第19番札所だが、霊場の中で唯一鎌倉市外に位置する。

★衣笠から三崎街道を進んで林に向かうと、御影石で造られた横長の大きな寺号標石、そして山門への石段参道がある。 参道脇に鎮座する六地蔵尊像に迎えられて石段を上る。 山門からさらに堂宇境内への石段が続く。 山門が建つ平場の左右に、笠付角柱型と櫛型の六十六部供養塔が対面して立ちが、櫛型の正面には六字名号が刻まれている。

△門前石段下から眺めた御影石の寺号標石、地蔵堂そして山門....寺号標石は平成七年(1995)の造立

△石段参道脇の切妻造桟瓦葺の地蔵堂....昭和六十一年(1986)の建立で、六地蔵尊像と真ん中に三界萬霊地蔵尊(水子地蔵尊?)坐像が鎮座

△石段参道の中段に建つ山門/ひなびた山門に掲げられた山号「松得山」の扁額....芝・増上寺の75代法主野上運海(誉号:竟譽)の筆による

△切妻造本瓦葺の山門(四脚門)....二軒繁垂木で、屋根の鬼瓦の鳥衾と軒丸瓦に「東」の字があしらわれている

△山門を通して眺めた上の石段と、石段上に見える本堂の屋根

△山門から眺めた石段と平場の左右に対面して供養塔が建つ

△笠付角柱型六十六部供養塔....江戸時代宝暦四年(1754)造立、浄土宗寺院なので上部の半肉彫り仏像は阿弥陀如来 .....正面と側面の字の一部が剥離/櫛型六字名号供養塔....江戸時代享保八年(1723)の造立で、側面に「大乗妙典六十六部供養塔」の刻

△石段を上がって直ぐ左手にある社寺形手水鉢....明治十五年(1882)の造立で、側面に「盥漱」と寺紋(下がり藤の中に四つの四角)が彫られている

★石段を上り詰めると狭いが静かで落ち着いた雰囲気の境内があり、正面に本堂が建つ。 左右に一対の石灯籠が立ち、蘇鉄が葉を広げていて南国の寺院の風情だ。 本堂は両脇間の白壁にそれぞれ2つの花頭窓が配された質素な佇まいだが、中央間の現代風の腰高格子戸のガラスに空や堂前風景が映っていて、古刹のイメージが薄れチト残念。 正面に朱地に緑色で「東漸教林」と揮毫された少し派手気味な扁額が掲げられ、また、向拝の水引虹梁、組物そして身舎に繋がる海老虹梁だけが朱塗りになっていて、何か落ち着かない。

△静かで落ち着いた雰囲気の堂宇境内が広がる....本堂前の左右に石灯籠が佇み、蘇鉄が植えられている

△入母屋造桟瓦葺の本堂

△正面五間で中央間はガラス入り腰高格子戸、二間の両脇間には花頭窓を配す....向拝の水引虹梁、組物そして身舎に繋がる朱塗りの海老虹梁

△向拝は二軒繁垂木....虹梁の木鼻は正面が獅子で側面は象(獏?)

△中央間上の太い梁の上に掲げられた「東漸教林」の扁額

△大棟の瓦に「松得山」の文字があしらわれ、軒丸瓦や樋に「東」を入れている....向拝軒先から鎖樋が寺紋を配した天水桶まで下がっている

△本堂前西側に東面で鎮座する稲荷社

△朱塗りの明神鳥居を構えた稲荷社/流造銅板葺の稲荷社....屋根に千鳥破風を乗せている










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