以外にもそれは早くにやってくるかも知れない。北朝鮮崩壊の話である。
昨日、朝鮮人民軍最高司令部が、米韓合同軍事演習が始まる11日を境に、朝鮮戦争の休戦協定を白紙化することを宣言した。これを受けて、中国共産党機関紙の人民日報系の環球時報は「明らかに度を越している」と批判している。更には、中国が厳しい北朝鮮制裁決議案への同意を明らかにし、中朝国境の物資輸送を規制するなど独自制裁の声も聞かれる。間もなく開かれる国連安全保障理事会の緊急会合では、北朝鮮への制裁決議案が採択されることになり、これを引き金に具体的な動きが起きる可能性が危惧されている。
これら一連の流れの中で、私にはどうしてもこの朝鮮戦争の休戦協定の白紙化宣言が理解できない。一体、北朝鮮はどういうシナリオを描いて、この様な強硬で危険な選択肢を選んだのだろうか?常識的に考えて、この様な発言を受けて米韓合同軍事演習が中止されるはずがない。だから、これは確実に実行されることになり、したがって北朝鮮とアメリカ、韓国は自動的に戦闘状態に逆戻りする。もちろん、休戦協定の白紙化でいきなりミサイルが飛ぶことにはならないだろうが、少なくとも公式に宣戦布告された戦争と等価なのだから、ミサイルを撃ち込んでも空爆を行っても、お互いに了解済みの行動ということになる。であれば、些細ないざこざが本格的な戦争になるリスクは非常に高く、実際に局地戦レベルのことが起きるのは間違いない。アメリカにしても、「ワシントンを核で破壊する、火の海にする!」と言われているのだから、オバマ大統領がその気になれば戦争に発展するだろう。もちろん、大統領はそれを望まないだろうが・・・。
ところで少しさかのぼると、中国共産党の幹部教育機関、中央党学校の機関紙「学習時報」が英紙フィナンシャル・タイムズに3度目の核実験を受けて「将来、核兵器で中国を脅すかもしれない。北朝鮮を切り捨てるべきだ」と寄稿していた。
産経ニュース2013年3月1日「『北朝鮮を切り捨てよ』中国党機関紙の編集幹部」
この辺りから、中国は何処で北朝鮮を本気で切り捨てるかを考え始めていたことは間違いない。勿論、全国人民代表大会の開催中にこの様な事をぶつけられるとは思っていなかっただろうが、金正恩体制がそう長く持たないことは感じていたはずである。北朝鮮がアメリカ、韓国を挑発する背景には、もし本気で戦争になれば中国が一緒に戦ってくれるという心の支えがあるのだろうが、しかし、私には本当に戦うとは思えない。なぜなら、それは中国がアメリカと戦うことを意味しているのだが、日本と戦争をするのとは異なり、国民の理解が到底得られそうもないからである。
少なくとも経済発展の恩恵を受けた中国国民は、アメリカとの戦争は勝っても負けても中国が今後、不況のどん底に落ち込むことを意味することを知っている。また、戦って負けはしなくても絶対に勝てはしないという確信も持っているだろう。敵国のことを憎み嫌っている場合には、少々無茶な戦争でも国民がついて来る可能性はあるが、今の中国はアメリカにそれほどまでの憎悪の感情は持っていない。一方で、北朝鮮の為に一肌脱ごうという親近感を北朝鮮に対して持ってもいない。一人っ子政策の中国では、その様な北朝鮮のために難くもないアメリカに無謀な戦いを挑み、1人きりの我が子が犠牲になることを望む親はいない。一方で、PM2.5が有名になったが、実際には河川の汚染による癌多発地帯の方がもっと深刻で、地下水や川の水など飲んで有毒物質を直接体に取り込んで、どうしようもない病状に苦しむ貧困層が数限りなくいる。一方で、共産党関係者などは汚職で財を蓄え、ミネラルウオーターを飲んで高価な安全な食材を買い、(大気汚染は別としても)明らかに安全な領域でのうのうとしている。特に共産党の高級幹部の親族はこぞって国外に脱出し、アメリカなどで豪華な暮らしをしているのである。これだけの状況で、発足したばかりの皆政権がアメリカと戦争する決断をする訳がない。だから、これ以上エスカレートするなら中国は何処かで北朝鮮を切るしか選択肢がないのである。それを、暗に北朝鮮に悟らせるために、様々な形でメッセージを送っているのである。
しかし、北朝鮮は明らかにそのメッセージを曲解してしまった。より弾けた行動を取れば、中国は絶対に助けてくれる、アメリカに同調なんかしない・・・と確信したのだろう。しかし、張成沢の様な人物であればその様な読みが間違いであることは直ぐに分かるだろうから、それを押し切って休戦協定破棄を宣言する背景が良く分からない。一説には、オバマ大統領に電話を求めるなどしてアメリカが対話の手を差し伸べてくれることを期待しているのだという人もいるが、アメリカはこの期に及んで北朝鮮に更なる核開発(小型化)の時間を与えるような譲歩はするはずがない。北朝鮮が譲歩しないのなら、結局は休戦協定破棄の事実だけが残ることになる。
中国は何処かでアメリカと裏取引をして、場合によっては中国が直接北朝鮮の金正恩体制にトドメを指す行動を取るかも知れない。そして、北朝鮮が核を放棄し集団指導体制に移行する軟着陸を模索するのかも知れない。
少なくとも、1年後に東アジアの情勢が一変していることは間違いないと思う。
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昨日、朝鮮人民軍最高司令部が、米韓合同軍事演習が始まる11日を境に、朝鮮戦争の休戦協定を白紙化することを宣言した。これを受けて、中国共産党機関紙の人民日報系の環球時報は「明らかに度を越している」と批判している。更には、中国が厳しい北朝鮮制裁決議案への同意を明らかにし、中朝国境の物資輸送を規制するなど独自制裁の声も聞かれる。間もなく開かれる国連安全保障理事会の緊急会合では、北朝鮮への制裁決議案が採択されることになり、これを引き金に具体的な動きが起きる可能性が危惧されている。
これら一連の流れの中で、私にはどうしてもこの朝鮮戦争の休戦協定の白紙化宣言が理解できない。一体、北朝鮮はどういうシナリオを描いて、この様な強硬で危険な選択肢を選んだのだろうか?常識的に考えて、この様な発言を受けて米韓合同軍事演習が中止されるはずがない。だから、これは確実に実行されることになり、したがって北朝鮮とアメリカ、韓国は自動的に戦闘状態に逆戻りする。もちろん、休戦協定の白紙化でいきなりミサイルが飛ぶことにはならないだろうが、少なくとも公式に宣戦布告された戦争と等価なのだから、ミサイルを撃ち込んでも空爆を行っても、お互いに了解済みの行動ということになる。であれば、些細ないざこざが本格的な戦争になるリスクは非常に高く、実際に局地戦レベルのことが起きるのは間違いない。アメリカにしても、「ワシントンを核で破壊する、火の海にする!」と言われているのだから、オバマ大統領がその気になれば戦争に発展するだろう。もちろん、大統領はそれを望まないだろうが・・・。
ところで少しさかのぼると、中国共産党の幹部教育機関、中央党学校の機関紙「学習時報」が英紙フィナンシャル・タイムズに3度目の核実験を受けて「将来、核兵器で中国を脅すかもしれない。北朝鮮を切り捨てるべきだ」と寄稿していた。
産経ニュース2013年3月1日「『北朝鮮を切り捨てよ』中国党機関紙の編集幹部」
この辺りから、中国は何処で北朝鮮を本気で切り捨てるかを考え始めていたことは間違いない。勿論、全国人民代表大会の開催中にこの様な事をぶつけられるとは思っていなかっただろうが、金正恩体制がそう長く持たないことは感じていたはずである。北朝鮮がアメリカ、韓国を挑発する背景には、もし本気で戦争になれば中国が一緒に戦ってくれるという心の支えがあるのだろうが、しかし、私には本当に戦うとは思えない。なぜなら、それは中国がアメリカと戦うことを意味しているのだが、日本と戦争をするのとは異なり、国民の理解が到底得られそうもないからである。
少なくとも経済発展の恩恵を受けた中国国民は、アメリカとの戦争は勝っても負けても中国が今後、不況のどん底に落ち込むことを意味することを知っている。また、戦って負けはしなくても絶対に勝てはしないという確信も持っているだろう。敵国のことを憎み嫌っている場合には、少々無茶な戦争でも国民がついて来る可能性はあるが、今の中国はアメリカにそれほどまでの憎悪の感情は持っていない。一方で、北朝鮮の為に一肌脱ごうという親近感を北朝鮮に対して持ってもいない。一人っ子政策の中国では、その様な北朝鮮のために難くもないアメリカに無謀な戦いを挑み、1人きりの我が子が犠牲になることを望む親はいない。一方で、PM2.5が有名になったが、実際には河川の汚染による癌多発地帯の方がもっと深刻で、地下水や川の水など飲んで有毒物質を直接体に取り込んで、どうしようもない病状に苦しむ貧困層が数限りなくいる。一方で、共産党関係者などは汚職で財を蓄え、ミネラルウオーターを飲んで高価な安全な食材を買い、(大気汚染は別としても)明らかに安全な領域でのうのうとしている。特に共産党の高級幹部の親族はこぞって国外に脱出し、アメリカなどで豪華な暮らしをしているのである。これだけの状況で、発足したばかりの皆政権がアメリカと戦争する決断をする訳がない。だから、これ以上エスカレートするなら中国は何処かで北朝鮮を切るしか選択肢がないのである。それを、暗に北朝鮮に悟らせるために、様々な形でメッセージを送っているのである。
しかし、北朝鮮は明らかにそのメッセージを曲解してしまった。より弾けた行動を取れば、中国は絶対に助けてくれる、アメリカに同調なんかしない・・・と確信したのだろう。しかし、張成沢の様な人物であればその様な読みが間違いであることは直ぐに分かるだろうから、それを押し切って休戦協定破棄を宣言する背景が良く分からない。一説には、オバマ大統領に電話を求めるなどしてアメリカが対話の手を差し伸べてくれることを期待しているのだという人もいるが、アメリカはこの期に及んで北朝鮮に更なる核開発(小型化)の時間を与えるような譲歩はするはずがない。北朝鮮が譲歩しないのなら、結局は休戦協定破棄の事実だけが残ることになる。
中国は何処かでアメリカと裏取引をして、場合によっては中国が直接北朝鮮の金正恩体制にトドメを指す行動を取るかも知れない。そして、北朝鮮が核を放棄し集団指導体制に移行する軟着陸を模索するのかも知れない。
少なくとも、1年後に東アジアの情勢が一変していることは間違いないと思う。
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