けろっぴぃの日記

最近、政治のことをはじめとして目を覆いたくなるような現状が多々あります。小さな力ですが、意見を発信しようと思います。

一人っ子政策の影響で病む中国軍の現実

2013-03-03 23:15:32 | 政治
どこまで本当か分からないが、面白い記事があった。

ZAKZAK2013年3月1日「中国、空母の乗員半数が船酔い?『役立たず』の声も 日本はいい訓練相手…

この記事の情報を提供した宇田川敬介氏は「2014年、中国は崩壊する」という中国に対して非常に厳しいことを記載した本を執筆しているジャーナリストで、何故、この様な人にこの様な情報を提供をする中国人がいるのか疑問があるが、それでもこの記事の内容はなるほどと思う部分が多い。

先日も、中国海軍と空軍との関係をブログの中で扱ったが、中国海軍は最近空母を就航させ、第2列島線までの支配を目指す中国の最前線として、海軍の当事者は自らを飛ぶ鳥を落とす勢いのヒーローとでも思っているのだろうが、実際にはこの空母「遼寧」は練習艦としての意味合いが強く、空母に戦闘機が発艦、着艦できたということが話題になるほどである。このぐらいだから、当然、空軍関係者が選抜されて空母に乗船して色々と指導など訓練を行っているのだろうが、プライドの高いエリート集団の空軍将校相手に、船酔いを馬鹿にする海軍将校との間で対立があることは容易に想像できる。

この記事で興味深いのは、中国の軍部が「日本は最も良い訓練相手」という程度に思っている点、中国海軍が予算確保のために存在意義をアピールする必要に迫られている点、中国の一人っ子政策が軍隊の士気に及ぼす影響、などであろうか。

まず、(現時点ではという前書きが必要であるが)中国共産党の幹部ですら「これまでにも何回か日本の艦船にレーダ照射したが、何の反応もなかった。同じ感覚でやったようだ。」と認識している。つまり、状況証拠的には政権交代後の民主党政権時代には何度もレーダ照射は行われている。森本前防衛相はテレビで断言していたが、彼が防衛大臣の時には少なくとも彼にレーダ照射の情報が上がることはなかった。可能性は三つあり、ひとつは中国側が森本前防衛相が適切に対処することを恐れてレーダ照射を控えたというパターン、もう一つは首相官邸側(多分、政権内部の親中派の岡田前副総理など)が防衛相に圧力をかけ、森本前防衛相に情報が上がらない様に情報遮断を画策していたか、偶然、森本前防衛相の就任期間中にはレーダ照射が行われなかったかのいずれかである。レーダ照射が相当な上層部で判断されていれば森本前防衛相の判断を恐れていた可能性も否定できないが、そこまで大局的にものを見れないレベルであれば森本前防衛相だからと言って無茶を控えるとは考えにくい。自衛隊のヘリへのレーダ照射と護衛艦への照射の間隔を考えれば、その期間に偶然事件が起きなかったと考えることも無理がある。やはり、防衛相のトップへの情報遮断を行うほどの首相官邸からの介入(それは、野田総理自らという意味ではない)があったと考えるべきだろう。だから、その様な人脈を政権中枢に送り込んでいるからこそ、安心して訓練という位置づけにすることができるのだろう。逆に言えば、何らかの形で政権中枢でその様な役回りをしている人の存在が中国国防相側に情報として漏れていた可能性も否定できない。この辺の検証も行うべきかもしれない。

次に、もし中国が第2列島線までの支配を、国家存続の危機と引き換えにしても絶対に実現するというコンセンサスが中国共産党内部で得られているのであれば、予算確保のために存在意義をアピールする必要はないはずである。海軍がその様な疑心暗鬼にあるということは、中国共産党は最近の経済成長を背景にアメリカを超える世界No.1の国家となれるのではないかと感じている一方、本当にアメリカと敵対してまでそこまでできるのかどうかには若干の疑念が残されているということの表れではないかと考えられる。これが正しければ、このタイミングでその疑念を大きなものに発展させ、早い段階で世界制覇の野望を思いとどまらせる必要がある。その鍵を握るのは間違いなく日本であり、その意味で安倍政権に求められる役割は大きい。中国をルールメーカにするのではなく、世界共通のルールの中に中国を引きずり込むことが重要であり、TPPをはじめとする様々な法の支配の戦略を進めるべきである。

最後の一人っ子政策の問題は根が深い。話は少しそれるが、(私は読んだことがないが)アイリス・チャンの「レイプ・オブ・南京」の中でも、中国軍の倫理観の低さ、士気の低さが詳細に記されているらしい。敵前逃亡する中国軍兵士が後を絶たず、その様な兵士を片っ端から(中国人の手で)射殺することで恐怖心からくる統率を試みたのが現実だそうである。その多数の死者は、日本兵が殺害した南京大虐殺の被害者ということにされてしまっている。一人も日本兵が殺していないということはありえないが、その様な現実は中国人にも直視して欲しい。その様な民族的な倫理観、責任感の乏しさに加えて、一人っ子政策の影響で国のために命を捨てる責任感を持った兵隊の数は更に減少することが予想できる。福島原発に最後まで残って放射線の恐怖と戦い原子炉の暴走を食い止めた責任感、倫理観の高さを中国人に求めることは厳しい。この現実は、多分、中国共産党の上層部も感じているところだろう。かって、彼らが若かりし頃に命がけで戦った記憶は色あせて、「絶対に勝てる」「楽勝ムード」が担保されないと勝負にならない可能性がある。何処かで一人っ子政策を修正し、倫理観、責任感を植え付ける教育に乗り出したとしても、その効果が期待できるのは30年後であろう。であれば、今は最大限に脅しをかけて相手が先にびくついて、戦わずして勝てることを期待せざるを得ない。

もちろん、日本の自衛隊も平和ボケの国民性を反映し、命を捨ててでも国を守るという信念を持っている人がどれほどいるかは怪しい。私にもそんな覚悟などはない。だから、両国が戦う前の「寸止め」で押し止めなければならない。そのためには、中国側の「絶対に勝てる」「楽勝ムード」を打ち破る姿勢を見せることに意義がある。「日本は最も良い訓練相手」と思わせないことがその第一歩である。おのずと何をすべきかは見えてくるはずだ。

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