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ブログ的なアレです。

Knowing

2009年04月21日 | 本・映画・音楽レビュー
というわけで、先日見たニコラス・ケージ主演のKnowingについて。
ネタバレが多少あります。
というか、オチは伝えないにしても、自分なりの解読はある程度含みますので予めご注意を。



あらすじ:50年前に、とある小学生が数字の羅列を記載し、それを学校のタイムカプセルに入れる。50年後にタイムカプセルが開封され、数字の羅列が天文学者(ニコラスケージ)の目に留まる。ふとしたことから、それが大規模な事件(9・11など)が発生する日付を予言しているものだと気付く。



映画の予告編を見ている限りではそんな感じだったので、ダビンチコード系のミステリーなんだろうな、と思って期待をしていたわけです。ところが、蓋を開けてみれば、ただのハリウッドのユダヤ人資産家たちをターゲットにした典型的なハリウッド映画だということに気付いたわけです。



一応、前置きをしておくと、ハリウッドのShow Bizというのはユダヤ人の資産家たちがスポンサーになっている場合が多く、結果としてハリウッド監督たちもスポンサーたちの意向を汲み取って映画を作る人たちが多くなると。

その典型例がスピルバーグ。
彼自身がユダヤ人ということもあるのだろうけれども、「シンドラーのリスト」なんかはその典型だし、「インディージョーンズ」なんかもモロにそういう映画だったりするわけです、実は。

で、例に違わず、このKnowingもそれに該当するわけです。
監督はアレックス・プロイヤス。
「i, Robot」の監督ですね。
あの映画もそういうユダヤ教の背景が描かれていたわけだし、よくよく考えてみれば、「i, Robot」の元ネタになったアイザック・アシモフ自身もユダヤ人だったわけです。

そういえば、アイザック・アシモフの「ロボット三原則」を題材にした映画が頻繁に作られた時期がありましたね。スピルバーグの「A.I」も確か「ロボットは夢を見るか」が元ネタですし。

ただ、「A.I」はすごく良い映画だった。
あの「夢を見た」っていうオチは最高に良かった。



ちなみに、個人的にはユダヤ人に対して何か反抗めいたものがあるとかそういうわけではないです。
ユダヤ人の友達とかもいますし。

ただ、そういうビジネスライクな事情がモロに見える映画ってのも、娯楽としてちょっとなー、と思うだけの話です。



さて、前置きが長くなりましたが、この「Knowing」もそういう宗教的な描写が散りばめられていたわけです。

どこらへんが宗教的なのかは実際に見て頂くとしても、一応予備知識を付けておきたい方のために幾つかWikiのサイトを紹介しておきます。単にエンターテイメントとして見たい方はすっ飛ばして読んでください。

Wikipedia:エゼキエル書
(「予言を知り、それを信じた者が救われる」という部分)

Wikipedia:ヨシュア
(主人公ジョンの息子の名前がカレブ)

Wikipedia:最後の審判

Wikipedia:ノアの箱舟

Wikipedia:フィナボッチ数
(考え過ぎかもしれないけれども、「つがいの兎」は二人の行く末を暗示していると思われる)

Wikipedia:エデンの園

ついでに、登場する母娘の苗字は「Wayland」。
あまり一般的ではない苗字だし、そういう意味では不自然。
直訳すると「(約束された)地への道」なので、きっとそういうことなのでしょう。

こんなところでしょうか。
多分、他にも要所でそういう描写があるんでしょうけど、ここらへんだけ押さえておけば大丈夫だと思います。



あ、ちなみに、宗教云々を抜きにして、単にエンターテイメントとして見てもそれなりに面白い映画だと思います。

数字の羅列を解読するシーンは「なるほどね」と思わせられます。
CGもふんだんに使われ、生々しい、思わず目を伏せたくなるぐらいリアルなシーンもたくさんあります。
また、親子愛だとか、そういう心温まる、ホロっと来るシーンもたくさんあります。

"You, me, together, forever"

あたりはグッときましたし。

多分、見方によって賛否両論がある映画だとは思いますが、何だか今のところ北米映画興行収入1位みたいですし、機会があれば是非。

コメント
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