西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ベートーベン 作品番号 分析(3)

2014-12-07 09:27:22 | 音楽一般
Op.4は弦楽五重奏曲変ホ長調です。これは前にも書きましたが、Op.103管楽八重奏曲のベートーベン自身による編曲作品です。ということで、オリジナル作品でないことからあまり重視されていないようです。
Op.の中には、4・29・104の3曲、弦楽五重奏曲があり、いずれも4楽章からなっています。もう一つOp.137、終わりから2つ目の番号に弦楽五重奏のためのフーガがあります。
3曲中、Op.29が唯一オリジナル作品で1801年に作曲され、前後にピアノ・ソナタ、バイオリン・ソナタなどの番号が並び、番号は作曲年を示しています。Op.4も1895年になされ、問題はないでしょう。原曲の管楽八重奏曲はボン時代につまり1792年11月以前に作曲され、ウィーンに来てから1793年ごろ改訂されたということです。番号は1863年に付けられたそうです。死後30年以上、番号は固定されていなかったということになります。でもなぜ103なのか、そのあたりを解説するものはこれまで見ていません。
Op.104も編曲もので、原曲はピアノ三重奏曲ハ短調(Op.1-3)です。他人の編曲を校訂したということです。これは以前述べました。
これら編曲もの2曲は、LP時代に、スーク四重奏団とシュペリナが録音し、出ました。今現在唯一の録音ではないかと思います。CDで出ている?ネットを検索すればわかるかもしれませんが、見ていません。私にとって貴重なLPです。校訂の日が1817年8月14日とあります。104の番号は大体あっていますが、ベートーベンの本来の作品とは言い難いでしょう。
Op.137のフーガは1817年11月作曲です。明らかに作曲年を示しているとは言えないです。

Op.16は、ピアノ五重奏曲。1796年作曲で、同年にピアノ四重奏曲に自編されました。これも同じくOp.16の番号を与えられています。さらにこのピアノ五重奏曲は、弦楽四重奏版に編曲され、1810または11年に作品75として出版された、と私の作品一覧表にメモ書きされています。もちろんこの編曲は作曲者の関知しないもので、録音物は見たことなく、Op.75は6つの歌で、作曲年を示しています。

Op.17はホルン・ソナタです。ホルンの勉強をしている人には、貴重なソナタ作品だと思います。1800年4月に作曲され、番号もその時期を示していると言っていいでしょう。このソナタですが、チェロ用の編曲が出ています。新たな番号は付けられてはいません。作曲者自身によるものか?というと、そうではなく、楽譜出版社が売れ行きをよくするため、作成したというのを割と最近読み、記憶しています。ということで、一般にチェリストは録音していませんが、完ぺきなチェロとピアノ作品全集を出してくれた演奏家がいて、以前も記しましたが、そこにはチェロによる編曲版が入っていました。今現在それがCDで唯一なのではないかと思います。

新たに出た番号としては、
Op.4・16(2曲)・17・75は作曲年をほぼ示しますが、
Op.103・137は作曲年を示しているとは言えないとなりそうです。

番号140のうち83見てきました。あと57です。