西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ベートーベン 作品番号 分析(6)

2014-12-29 15:55:45 | 音楽一般
Op.51は、2曲からなる「ピアノのためのロンド」です。1は「1796-97」、2は「c.1798」の作ということで、この後1803‐04年の作品が並ぶ番号にどうして置かれたのかの説明は見ていません。

Op.52は、8曲からなるリート集で、ウィーンに来る前の作もいくつか含むもので、作曲してすぐに出版したものでは全くありません。やはりセイヤーによると、弟カールが兄に無断で出版したもののようです。

Op.62は、《コリオラン》序曲です。《エグモント》は序曲の他に付随音楽がありますが、コリオランは序曲だけです。しかし、この劇作を十分に理解させる内容を持つものと言っていいのではないでしょうか。11作ある序曲のうちカラヤンが好んで繰り返し録音していたと思います。1807年の作で、その前(Op.61)のバイオリン協奏曲同様、番号は作曲年代を示しています。

Op.65のシェーナとアリア《ああ、不実な人よ!》とOp.66のチェロとピアノのための作品「モーツァルトの《魔笛》の主題による12の変奏曲 ヘ長調」は、ともに作曲年代を表わしてはいない作品です。前者は、1796初め、後者は?1796となっています。後者についてですが、チェロとピアノのための《魔笛》からの主題による作品はもう一つあります。WoO46の「モーツァルトの《魔笛》から《恋を知る殿方には》の主題による7つの変奏曲 変ホ長調」です。こちらは1801年の作品ということで、Op.66より内容的に充実しているということで、Op.のついたものがそうでないものよりより聴くべき作品であるとはどうも言えないという解説を最近読みました。

次回は70番台からです。

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