西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ロッシーニ・歌劇「ウィリアム・テル」

2007-08-03 08:44:31 | オペラ
今日は、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」が初演された日です(1829年、パリ・オペラ座)。
このオペラは、ロッシーニのオペラの中でも最も長大なオペラではないでしょうか。だから実際に全曲上演される機会はあまりないのではないかと思います。しかしこのオペラは、彼の最後のオペラだけあり、傑作の一つといっていいでしょう。それは序曲を聴けば分かると思います。この序曲は、4つの部分からなっていますが、第4の「スイス軍の行進」は私が小さい時にテレビで放映していたアメリカ映画の主題曲でした。だから、この部分を聴くと「ローン・レンジャー」というそのタイトルが出てきてちょっと鑑賞の妨げになり、困ります。もちろんその時は、これがイタリアのオペラ作曲家の作品などとは少しも知りませんでした。ロッシーニというと、大食漢のイメージがありますが、この序曲はとてもスマートで、いつも彼について思い浮かべるイメージとは結びつきません。ところでロッシーニはこのオペラを最後に、40才にもまだ届かないうちにオペラの作曲をやめてしまいました。北欧フィンランドの作曲家シベリウスも晩年は30年近く全く作曲をしませんでしたが、ロッシーニがオペラを書かなかったのはそれ以上の期間になります。これは音楽史上の謎と言っていいでしょう。もっとも、ロッシーニは、シベリウスとは違って、老いの遊びといった風にかなりの量の小品や教会音楽を書いています。
 今も書きながら、頭の中ではこの「スイス軍の行進(ローン・レンジャーの主題歌)」が鳴っています。小さい時に身に付けたことは忘れませんね。そういうことからも教育は本当に大切です。ロッシーニのこの曲については、勇壮で元気を出させるような音楽でとても良い音楽を聴いたと思っています。

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