西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

エンリコ・カルーソー

2007-08-02 09:41:44 | 音楽一般
今日は、テノール歌手のエンリコ・カルーソーの亡くなった日です(1921年)。
カルーソーは、世紀の大歌手と言っていいでしょう。そしてカルーソーがこれまでの歌手たちと違うのは、彼の歌声が幸運にも残っているということです。20世紀の初めまで活躍した彼は、ビクターに多くの録音を残しました。我々はそれを容易に手にして、聴くことができます。今はCDになっていますが、私はレコードで何枚か所持しています。録音はもちろん良いとは言えませんが、彼の声量の大きさなどは十分に掴むことが出来ます。彼の歌うヴェルディやプッチーニそれにイタリア民謡は、彼が一つの時代を作ったことを実感させます。これからも彼はテノール歌手の出発点として振り返られることでしょう。
彼が生まれた1873年は、北の国にも偉大な歌手を生み出しています。ロシアのバス歌手のシャリャーピンです。彼もカルーソー同様レコード録音を残しています。私は、彼のレコードも愛聴しています。特に彼の歌う「黒い瞳」には強く惹かれます。しかしある時、ロシア作家の作品で彼の歌うこの曲はあまりに西欧化されていて、ロシアの本来の歌い方とは違うという文章を読んだ時に、そうなのかな?と思いました。確かにシャリャーピンは革命ロシアを離れ、1922年からはパリに定住したとありますからそう言われる素地はあるのかも知れませんが。ところで、シャリャーピンは、36年には日本を訪れています。宿泊先の帝国ホテルに特別注文して作らせたステーキが、シャリャーピン・ステーキです。歌手の名前を冠した料理は他にあるのだろうか。

画像は、カルーソーの「ナポリ民謡集」のレコード・ジャケット。

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