西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

モーツァルト「戴冠式ミサ」

2007-04-04 10:16:13 | 古典派
今日は、モーツァルトの「戴冠式ミサ」が初演された日です(1779年)。
今ここに、この曲の記念的録音盤があります。1985年6月29日に行われた「教皇ヨハネ・パウロ2世により挙行された荘厳ミサ」です。録音場所はローマの聖ペテロ大聖堂です。カラヤン指揮のウィーン・フィルハーモニー管弦楽団による演奏です。普通はキリエ・グローリアなどが続けて演奏されますが、ここでは入祭の歌で始まりまた途中に福音朗読や主の祈りなどがはさまれて演奏されています。これこそが本来のミサ曲のあり方なのでしょう。アニュス・デイの後には同じモーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」が拝領の歌として置かれています。教会音楽の真の聴き方はこのようであるべきなのでしょう。カラヤンは、演奏からひと月ほど後に、教皇への返書として、次のように書いています。
「・・・
 音楽家として活動しはじめた当初から、教会音楽は、私のおもな活動分野の一つでしたが、せめて一度、聖ペトロ大聖堂で指揮することが許されたらというのが、以前から私の最も大きな夢でした。
 教皇様のご親切なお計らいで、この夢が、想像以上に素晴らしい現実となりました。この経験は私に、典礼と音楽の融合の全く新しい側面を発見させてくれました。この融合を、今度の演奏によって表すことができたのであれば、それこそ、私にとって何ものにも代えがたい報いです。
 ・・・」
 ミサ曲の滅多にない本来の聴き方を、このカラヤンの最高の演奏と共に、このCDで味わうことができるのである。

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