モーツァルト

今日は、モーツァルトがコンスタンツェとウィーンのシュテファン教会で結婚式を挙げた日です（１７８２年）。
その５年前の１７７７年、モーツァルトはマンハイムに旅をします。この時、写譜家のフリードリーン・ウェーバーとその次女アロイージアに出会います。フリードリーン・ウェーバーは、歌劇「魔弾の射手」の作曲家として有名なカール・マリア・フォン・ウェーバーの叔父にあたる人です。モーツァルトはアロイージアに心を寄せますが、アロイージアは８０年の１０月にある俳優と結婚してしまう。その後、代わりにということではないだろうが、すぐ下の妹コンスタンツェに愛情を抱くようになる。モーツァルトの父親はコンスタンツェとの結婚には猛反対であった。フリードリーンが死んで、未亡人が早く残った娘たち（４人姉妹だった）を結婚させようという術策にモーツァルトがはめられたという話もあるようだ。結婚契約書に署名させられたということだ。モーツァルトは、このころ歌劇「後宮からの誘拐」を作曲していたが、その女主人公の名はコンスタンツェであった。８１年の７月１６日にこのオペラはウィーンで初演され、その２週間ほど後に、モーツァルトはコンスタンツェとシュテファン教会で結婚式を挙げたのである。
シュテファン教会は、ウィーンの有名な観光名所のひとつです。私もずいぶん昔になりますが、初めてのヨーロッパ・ツアーの時に行きました。市の中心のシュテファン広場にあり、近くまで行けばその高い尖塔と金色と青色のタイルのモザイク屋根が目に入るでしょう。
姉との失恋でその妹と結婚したモーツァルトだが、音楽史上有名な作曲家にもう１人そのような人物がいます。「新世界交響曲」で有名なチェコのドボルザークです。１８６５年、チェルマークの娘ヨゼファ・チェルマーコヴァーに恋をするが、これは片思いに終わってしまった。７３年、チェルマーク夫妻の反対を乗り越えて結婚した相手はヨゼファの妹のアンナだった。ドボルザークは２人のピアノ教師をしていたのだった。結婚式を挙げたのはステファン教会で、偶然にもモーツァルトが結婚式を挙げたのと同じ名前の教会だった。