モーツァルト・ピアノ協奏曲第２６番《戴冠式》

今日は、モーツァルトのピアノ協奏曲第２６番《戴冠式》が初演された日です（１７８９年、ドレスデン）。
リヒノフスキー侯爵（後にベートーベンの保護者となる）に誘われ、ベルリンに向かう途中のドレスデンで、作曲者自身の独奏により、行われたと言うことだ。作曲は、その前年の２月である。このときの演奏会でお披露目する予定であったが、予約演奏会に会員が集まらないという状態だった。今では信じられないことだが。モーツァルトは、すでに聴衆から見捨てられていたようだ。
《戴冠式》のニックネームが付いたのは、１７９０年１０月９日フランクフルト・アム・マインでレオポルト２世の即位を祝う式典が執り行われたが、この６日後の１５日モーツァルトは市立劇場で演奏会を開き、この曲が演奏されたことによる。
このレオポルト二世は、在位はわずか２年と短命であったが、音楽家には大変恵まれている。当時、まだボンにいたベートーベンにも「皇帝レオポルト二世の即位を祝うカンタータ」(１７９０．３作曲)があるからだ。