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西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ミサ(6)

2017-06-10 11:21:02 | 音楽一般
Benedictus(祝福された)
 
Benedictus, qui venit in nomine Domini.
ベネディクトゥス、クウィー ウェーニト イン ノーミネ ドミニー
      
Hosanna in excelsis.
ホサンナ イン エクスケルスィース。

Benedictusは、beneとdicoの合成語から来ている。beneは(副)よく・正しく・幸に、の意。dicoは(3)言う、でdictusはその完了分詞。辞書には合成する前の形で出ていて、praise(ほめる・称賛する)とある。
venitは、venio(4)来る、の直説法完了単数3人称。歌詞には長音符が付かないので、現在(ウェニト、と読む)というふうにも取れますが、文意から完了と取ります。
nomineは、nomen(3中)名前、の単数奪格。
          
(筆者訳)
主の名により来た者は祝福された。
いと高き所で万歳。

  


ミサ(5)

2017-06-09 21:51:18 | 音楽一般
Sanctus(神聖である) 

Sanctus, Sanctus, Sanctus Dominus Deus Sabaoth.
サンクトゥス、サンクトゥス、サンクトゥス ドミヌス デウス サバオト。
 
Pleni sunt coeli et terra gloria tua.
プレーニー スント コエリー エト テッラ グローリアー トゥアー。
       
Hosanna in excelsis.
ホサンナ イン エクスケルスィース。

Sanctus, Sanctus, Sanctus Dominus Deus Sabaoth.  
Pleni sunt coeli et terra gloria tua(ejus).          
Hosanna in excelsis.

Sabaothは、辞書にもちろん無く、英和辞典を見ると(もう一つの、これもかなり詳しい辞書だが、それには無し)Sabaothと全く同じ綴りで出ている。複数扱いで、万軍、軍勢、とある。さらにthe Lord of Sabaothで「万軍の主、神」とある。語源はヘブライ語からとも。
Pleniは、plenus(形)満ちた、の男性複数主格。属格または奪格を支配するが、ここでは奪格が来ている。
tuaは、tuus(所有代名詞、または所有形容詞とも言われる)の、gloriaに合わせて女性単数奪格。。
Hosannaは、辞書に無く、英和辞典でhosanna(間)(名)ホサナ(神を賛美することば)。とある。
excelsisは、前にも出たが、excelsum(2)a height.とある。heightを辞書で引くと、高いこと・高さ、とまずあって、後に、(おもに複数)高い所;(聖書で)いと高き所、天(heavens).とある。これの複数奪格である。

(筆者訳)
神聖な、神聖な、神聖な 万軍の神である主は。
天と地は汝の栄光に満ちている。
いと高き所で万歳。

ベートーベンのミサ・ソレムニスなどでは、クレドのあとにサンクトゥスとベネディクトゥスが一つの楽章に収まっているが、まずサンクトゥスのみを取り上げた。

ミサ(4)

2017-06-08 22:20:45 | 音楽一般
Credo(私は信じる)-その2
             
Et in Spiritum Sanctum, Dominum et vivificantem,  
エト イン スピーリトゥム サンクトゥム、ドミヌム エト ウィウィフィカンテム、

qui ex Patre Filoque procedit.         
クィー エクス パトレ フィーロークェ プロケーディト。

Qui cum Patre et Filio simul         
クィー クム パトレ エト フィリオー スィムル

adoratur et conglorificatur:      
アドーラートゥル エト コングロ―リフィカートゥル:

qui locutus est per Prophetas
クィー ロクートゥス エスト ペル プロペータース
                   
Et unam, sanctam, catholicam          
エト ウーナム、サンクタム、カトリカム
                 
et apostolicam Ecclesiam.        
エト アポストリカム エックレスィアム。
   
Confiteor unum baptisma in remissionem peccatorum.
コンフィテオル ウーヌム バプティスマ イン レミッスィオーネム ペッカートールム。
  
Et exspecto resurrectionem mortuorum,
エト エクススペクトー レスッレクティオーネム モルトゥオールム、
         
et vitam ventri saeculi. 
エト ウィータム ウェントリー サエクリー。

Amen.
アーメン。

   
Spiritum Sanctumは、先述のSpiritus Sanctus(聖霊)の対格。
vivificantemはvivificans(生命の与え主、の意)が単数主格。動詞vivifico(生命を与える、の意)の現在分詞。この語は辞書になし。vivus(生命)+facio(作る)ということのようだ。
Patre Filoqueは、Patre et Filo(父と子)ということ。-queは、後倚字で、2つ以上の語を「そして」の意で繋ぐときに後の語に付けて使われる。
proceditは、procedo(3)前進する・現われる、の直説法現在単数3人称。
simulは、(副)一緒に・同時に
adoraturはadoro(1)(崇拝する)の、受動相直説法現在単数3人称。
conglorificaturは先述のglorifico(1)崇める、に接頭辞cumが付いたもの。それの受動相直説法現在単数3人称。
locutus形式所相動詞loquor(3)話す、の完了分詞で、estと共に直説法完了形単数3人称を作る。
Prophetasは、propheta(1男)預言者、の複数対格。
catholicamは、catholicus(形)の女性単数対格。辞書にはないが、英語のcatholic(形)普遍的な、の元の語。「万人の・公教の」の訳語をネットで見ました。         
apostolicamは、apostolicus(形)の女性単数対格。この語は辞書になし。辞書は、古典期(紀元前80年頃―紀元後14年)のラテン語、また恐らくは後期(14年―180頃)までを扱っているので(前者をラテン語の黄金時代、後者をラテン語の白銀時代と呼ぶことがある。)、キリスト教がローマ帝国内で公認されたのは、313年のコンスタンティヌス帝によるミラノ勅令からなので、ミサの歌詞に出るような語は載せられていないのだろう。apostolicusの意味はネットに「使徒継承の」とある。英語にapostolic(形)使徒の・使徒から伝承された」があるが、ラテン語から恐らく直で、英語に入ったものだろう。ラテン語辞書にないものは英語でずいぶんと補えるようだ。
Ecclesiamは、ecclesia(1)の単数対格。辞書にないが、これも英語のecclesiastical(形)キリスト教会の、から「教会」の意と取れる。
Confiteorは、形式所相動詞confiteor(2)認める、の直説法現在単数1人称。
baptismaは、baptisma(3中)のここでは単数の対格。辞書にない。英語のbaptism(名)(キリスト教の)洗礼、の元の語でもちろん「洗礼」の意。
remissionemは、remissio(3女)releasing(解放すること)の単数対格。
peccatorumは、peccatum(2中)罪、の複数属格。
exspectoは、(1)待つ・期待する、の現在単数1人称。
resurrectionemは、resurrectio(3女)の単数対格。これはresurgo(自)appear again(再び現われる)の名詞形で「復活」の意になることは、英語にもresurge(自)復活する、があり、名詞形はresurrection(復活)であることからわかる。これもラテン語から英語に直で来たものであろう。
mortuorumは、mortuus(2)a dead man(死者)、の複数属格。
vitamは、vita(1)life(生命)、の単数対格。
ventriは、venio(4)来る、の未来分詞venturusの中性単数属格。
saeculiは、saeculum(2)世代・世紀、の単数属格。未来分詞は「~しようとするところの」の意で、ventri saeculiで「来るべき世の」の意となる。

(筆者訳)
そして聖なる、主の、生命を与える霊を(私は信じる)、
その者は父と子より現われる。
その者は父と子と同時に
礼拝されそして讃えられる:
その者は預言者によって話した。
そして一つの、聖なる、公の
そして使徒の教会を(私は信じる)。
私は罪の赦しのための唯一の洗礼を承認する.
そして私は死者の復活、
そして来たるべき世の生命を待ち望む。
アーメン(そうでありますように)。

ラテン語の形容詞は、変化は名詞に準じている。名詞変化の第一と第二が一つの型を作り、第三がもう一つの変化の型を作っている。名詞変化の第四、第五に当たるものはない。第一第二変化には一部異なる変化を示すものがあり、また第三はいくつかの型に細分される。

ラテン語は、特に強調するなどの場合を除いて、主語の代名詞を置くことはない。動詞の語尾により、数・人称がわかるからだ。能動相・受動相でも異なる語尾を持ち、また能動の完了形は特別の語尾を取る。それらを単数・複数、また1~3人称の順に示すと、
能動相(完了以外)は、-o(オー)または-m(ム),-s(ス),-t(ト),-mus(ムス),-tis(ティス),-nt(ント)
能動相(完了)は、-i(イー),-isti(イスティー),-it(イト),-imus(イムス),-istis(イスティス),-erunt(エールント)または-ere(エーレ)
受動相は、-r(ル),-ris(リス)または-re(レ),tur(トゥル),mur(ムル),mini(ミニー),ntur(ントゥル)
となる。

ラテン語は、一般に初心者用に、長音は伸ばす符号を、母音に付けるが、宗教音楽の解説のラテン文には普通付いていない。ここでも付けていないので、カタカナを振り、それを示している。

ミサ(3)

2017-05-31 17:45:47 | 音楽一般
Credo(私は信じる)-その1

Credo in unum Deum,
クレードー イン ウーヌム デウム、

Patrem omnipotentem, 
パトレム オムニポテンテム、

factorem caeli et terrae, visibilium omnium et invisibilium.
ファクトーレム カエリー エト テッラエ、ウィスィビリウム オムニウム エト インウィスィビリウム。
  
Et in unum Dominum,
エト イン ウーヌム ドミヌム、
                            
Jesum Christum, Filium Dei unigenitum,
イェースム クリストゥム、フィーリウム デイー ウーニゲニトゥム、
                    
et ex Patre natum ante omnia saecula.
エト エクス パトレ ナートゥム アンテ オムニア サエクラ。
           
Deum de Deo, lumen de lumine,
デウム デー デオー、ルーメン デー ルーミネ、
                      
Deum verum de Deo vero,
デウム ウェールム デー デオー ウェーロー、
                      
genitum, non factum,
ゲニトゥム、ノーン ファクトゥム、
                         
consubstantialem Patri, per quem omnia facta sunt.
コンスプスタンティアーレム パトリー、ペル クェム オムニア ファクタ スント。
 
Qui propter nos homines et propter nostram salutem 
クィー プロプテル ノース ホミネス エト プロプテル ノストラム サルーテム
 
descendit de caelis.         
デスケンディト デー カエリース。

Et incarnatus est de Spiritu Sancto      
エト インカルナートゥス エスト デー スピーリトゥー サンクトー

ex Maria Virgine,            
エクス マリアー ウィルギネ、

et homo factus est.         
エト ホモー ファクトゥス エスト。

Crucifixus etiam pro nobis         
クルキフィクスス エティアム プロー ノービース

sub Pontio Pilato,         
スブ ポンティオー ピラトー                    

passus et sepultus est.           
パッスス エト セプルトゥス エスト。
                  
Et resurrexit tertia die, secundum Scripturas.  
エト レスッレクスィト テルテイアー ディエ、セクンドゥム スクリープトゥーラス。

Et ascendit in caelum, sedet ad dexteram Dei Patris, 
エト アスケンディト イン カエルム、セデト アド デクステラム デイー パトリス、

et iterum venturus est cum gloria,  
エト イテルム ウェントゥールス エスト クム グローリアー、
         
judicare vivos et mortuos,             
ユーディカーレ ウィーウォース エト モルトゥオース、
        
cujus regni non erit finis.         
クーユス レグニー ノーン エリト フィーニス。
                 

credo(3)信ずる
unum unus(一つの)、の男性対格
Deum deus(2)神、の単数対格
Patrem pater(3男)父、の単数対格
omnipotentem omnipotens(形)almighty(全能の)、の男性単数対格
factorem factor この語は所持する2つの辞書にないが、facio(3b)作る、の完了分詞factusの変化語尾-usを取ったものに-orが付いて、「作る人」(男)を意味する。これの単数対格。vinco(勝つ)(完了分詞victus)に対するvictor((男)勝利者)の関係と同じである。
caeli caelum(2)天・空、の単数属格、coeliとなっていた。
terrae terra(1)earth(地)、の単属
visibilium 辞書になし、video(2)見る、の完了分詞visusの変化語尾-usを取ったものに「可能な」を意味する接尾辞-ibileが付いた中性名詞visibile(見えるもの)の複数属格
omnium (形)all(すべての),every(あらゆる)、の複数属格
invisibilium visibileに否定を意味する接頭辞in-が付いた中性名詞invisibile(見えないもの)の複数属格
Jesum Christum Jesus Christus(イエス・キリスト)の対格
Dei deus(2)神、の単数属格
unigenitum 辞書になし、数詞unus(一つの)の意味のuni-にgigno(3)生む、の完了分詞genitusが付いたunigenitus(一人っ子の)の単数対格
natum nascor(3)生れる、の完了分詞natusの単数対格
saecula saeculum(2)年代・世紀、の複数対格
Deo deus(先述)、の単数与格
lumen lumen(3中)光、の単数対格
lumine lumen(先述)、の単数奪格
verum verus(形)真の・誠の、の男性単数対格
vero verus(先述)、の男性単数奪格            
consubstantialem この語(男性単数対格)、形容詞で、元(男女性単数主格)はconsubstantialisとなるが、辞書になし。接頭辞conをとり、元の語をさがすとsubstoあたりがあるが、そのどのような形になるのか?ネットではstoの名詞形stantiaに形容詞の接尾辞-alisが付き、「一体の」とあるが、この名詞形も辞書にはなし(小型の辞書でやむを得ないか)。次のPatriとつながり、「父と一体」となるようで、与格支配の形容詞ということになるのか。
perは前置詞。あとにまとめて記した。
quemは関係代名詞quiの男性単数対格
omniaはomnis(形)すべての、が名詞として用いられている(すべての人[物])。中性複数主格で「すべてのもの」の意
factaはfacio(作る)の完了分詞factusの中性複数主格(主語のomniaに性数を一致させたもの)で、suntと共に、受動相直説法完了形の複数3人称。
Quiは先に記した関係代名詞の男性単数主格で、少し前にあるFiliumが先行詞。これはさらにその前のJesum ChristumとDominumと同じである。Qui以下はキリストの事象を記している。
propterは前置詞で、あとに記した。
salutemは、salusの(3女)健康・安全、の単数対格。様々なところにある解説では「救い」などとあるが、所持する辞書にはこれに当たる意味が出ていず、不明。 
descenditは、descendo(3)下る・降りる、の完了形単数3人称(現在形とも同形だが、ここは完了形)。
incarnatusは辞書に出ていず、英和辞典の語源を見ると、後期ラテン語(200-600年)のincarnoからとあり、これはラテン語のin+caroに由来とあり、caroは(3女)肉、で英和辞典にある通り、(他)(神が霊魂に)肉をつける・姿をそなえさせる、の意と考えてよいだろう。その完了分詞で、estと共に、受動相完了形の単数3人称である。
Spiritu SanctoはSpiritus Sanctus(聖霊)の単数奪格。
Maria VirgineはMaria Virgo(処女マリア)の奪格。
Crucifixusは元はcrucifigoとネットにはあるが、これも辞書にはない。ネットでも教えられたが、英語に頼ると、crucifyがあり、crux+figoから来た先のラテン語が記されている。cruxはcross(十字架)であり、figoはfix(張り付ける)で、「(他)十字架にかける」の意で、これの完了分詞。
etiamは(副)で「もまた・更に」の意。
Pontio PilatoはPontius Pilatus(ポンティウス・ピラトゥス)の奪格。
passusは、形式所相動詞patior(耐える)の完了分詞。
sepultusはsepelio(埋める)の完了分詞。
Crucifixus、passus、sepultusのいずれも完了分詞の3語は、次のestと結び付き、受動相完了形を作っている。passusは能動の意の完了形となる。           
resurrexitはresurgo(rise again, appear again)とある。英語にもresurgeがあり「生き返る・復活する」である。これの能動相完了形単数3人称である。
tertia dieは奪格で、主格はtertia dies(第3の日)。tertiaは数詞tres「3」の序数詞tertiusの単数主格女性形で、diesは(5女)(月日の)日。
secundumは前置詞。
Scripturasは、元はscribo(3)書く、に由来し、scripturaで(1)writing(書かれた物)の意である。ここでは大文字で始められて限定され「聖書」を指すということです(辞書は古典期のラテン語を扱っているからか、この意味は出ていない)。英語にあるscriptureは、もちろん、この語に由来し、そこにはScripture, Holy Scripture, the Scripturesで「聖書」(the Bible)の意とある。Scripturasは複数対格。  
ascenditはascendo(3)登る、の完了形単数3人称。
in coelum(caelumの綴りもある)で、「天に向かって・天へ」の意。後に記すようにinは対格・奪格の両方を取るが、意味が異なる。
sedetは(2)すわる、の能動相直説法現在単数3人称。これまで完了形を用いてキリストの過去の事蹟を述べたが、ここは今現在を表す。
iterumは、(副)再び。
venturusはvenio(4)来る、の未来分詞に当たる。ラテン語には、現在分詞、完了分詞(英語の過去分詞に当たる)、それに未来分詞がある。次のestと共に、第一回説的動詞変化を構成し、「~しようとしている」と未来の動作を表す。
cum gloriaは「栄光とともに」
judicareはjudico(1)裁く、の不定法現在で、前のvenioの変化形と結び付き、「裁くために」と、「来る」という動作の目的を表す。
vivosとmortuosは、それぞれ,vivus(形)生きている、とmortuus(形)死んだ、が名詞として使われその男性複数対格、「生者たちを」「死者たちを」の意。
cujusは関係代名詞quiの単数属格。先行詞は先ほどのDominumである。
regniはregnum(2)王国、の単数属格。cujus regniは「主の王国の」の意で、cujusはここでは関係形容詞として使われている。
eritはsum(ある)の直説法未来単数3人称で。
finisは(3男)終り、でeritの主語に当たる。eritはnonで否定されている。 
Qui descendit以下ここまでは、キリストの事蹟が過去(完了形を用いている)、現在、未来と記されていることになる。        

(筆者訳)
私は唯一の神を信ずる
全能の父を、
天と地の、すべての見える物と見えない物の造り主を。
そして唯一の主を、
イエス・キリストを、神の御ひとり子を、
そしてすべての世代の前に父より生まれたことを(私は信じる)。
神よりの神を、光よりの光を、
真実の神よりの真実の神を、
造られたのでなく、生まれたのだということを、
全ての物がその人によって造られた、その父と一体であることを(私は信じる)。
その人は私たち人間のためそして私たちの救いのために
天より降った。
そして聖霊により肉体化された
処女マリアから、
そして人が造られた。
さらに私たちのために十字架につけられ
ポンティウス・ピラトゥスの下で、
苦しみそして葬られた。
そして聖書に従って、三日目に復活した。
そして天に昇り、父なる神の右に座られている、
そして栄光と共に再び来ようとする、
生ける者たちと死んだ者たちを裁きに、
その人の国の終わりはないだろう。
        
前置詞は、英語などの近代語と同様、ラテン語にもある。これまでに見たラテン文には様々な前置詞が出てきたが、ここでは「ミサ」に出てくるすべての前置詞をまとめて書いてみる。
ラテン語の前置詞はおよそ40ヶあり、対格支配のものと、奪格支配のもの、および対格・奪格両方を支配するもの、の3通りがある。ここにはこのうち11ヶ使われている。
①対格支配の前置詞
ad ~の方へ・~に
ante ~の前に
per ~を通じて・~のゆえに・~によって
propter ~の近くで
secundum ~に従って・~のあとに
②奪格支配の前置詞
cum ~と共に
de ~から・~について
ex ~[の中]から
pro ~の前に・~のために・~に代わって
③対格・奪格両方を支配する前置詞 対格は「運動・方向」を、奪格は「静止」を含意する。
in (+対格)~の中へ・~へ,(+奪格)~の中で・~において
sub (+対格)~下へ,(+奪格)~の下に[で]

第3部Credoの箇所は全体の中心をなすと言ってよく、長いので、2回に分けて記す。
全体の構成は、3部からなり、その第1部が大半を占め、Credo(私は信じる)と始められたが、「父を」「子を」「精霊を」とあり、「子を」までを上に扱った。
「父」「子」「精霊」は、「三位一体」(the Trinity)と呼ばれる三位に当たり、これらが一体の神であるというキリスト教の教義がこのCredoで表現されていることになる。


ミサ(2)

2017-02-14 17:52:20 | 音楽一般
Gloria(栄光) 
 
Gloria in excelsis Deo,               
グローリア イン エクスケルスィース デオー
                 
et in terra pax hominibus bonae voluntatis. 
エト イン テッラー パークス ホミニブス ボナエ ウォルンターティス
    
Laudamus te, benedicimus te,  
ラウダームス テー ベネディーキムス テー
      
adoramus te, glorificamus te.       
アドーラームス テー グローリフィカームス テー
      
Gratias agimus tibi propter magnam gloriam tuam. 
グラーティアース アギムス ティビ(ー) プロプテル マグナム グローリアム トゥアム

Domine Deus, Rex caelestis, Deus Pater omnipotens. 
ドミネ デウス レークス カエレスティース デウス パテル オムニポテーンス
      
Domine Fili unigenite, Jesu Christe, altissime.  
ドミネ フィーリー ウーニゲニテ イェースー クリステ アルティッスィメ
    
Domine Deus, Agnus Dei, Filius Patris.  
ドミネ デウス アグヌス デイー フィーリウス パトリス
          
Qui tollis peccata mundi, miserere nobis.  
クィー トッリス ペッカータ ムンディー ミセレーレ ノービース
  
Qui tollis peccata mundi,  
クィー トッリス ペッカータ ムンディー

suscipe deprecationem nostram.     
ススキペ デープレカーティオーネム ノストラム

Qui sedes ad dexteram Patris, miserere nobis.  
クィー セデース アド デクステラム パトリス ミセレーレ ノービース

Quoniam tu solus Sanctus, tu solus Dominus, 
クォニアム トゥー ソールス サンクトゥス トゥー ソールス ドミヌス

tu solus Altissimus, Jesu Christe. 
トゥー ソールス アルティッスィムス イェースー クリステ

Cum Sancto spiritu in gloria Dei Patris. 
クム サンクトー スピーリトゥー イン グローリアー デイー パトリス

Amen.          
アーメン


excelsis excelsus(形)lofty(非常に高い)が、ここではexcelsum(名)an elevated station(高い場所)の意で使われ、その複数奪格形                 
hominibus homo(通)人、の複与格形
bonae bonus(形)良い・善い、の女性単数属格
voluntatis voluntas(女)意志・意図、の単属
Laudamus laudo(1)ほめる、の能動相直説法複数1人称
benedicimus benedico(3)祝福する、の能動相直説法複数1人称
adoramus adoro(1)崇める、の同前
glorificamus この語は、所持する2つの辞書に出ていなかった。しかしgloriとficamusの合成であることがわかる。前者はgloria(女)栄光、から。後者はfacio(3b)する・作る、の変形。第一変化動詞となっている。形は同前。
Gratias gratia(1)感謝・恩義、の複数対格
agimus ago(3)行う、の能動相直説法複数1人称、gratias ago で「感謝する」の意の熟語
propter(前)~のために
caelestis coelestisとなっていたが、辞書によると誤りのよう。caelestis (形)of heaven(天の)の男性単数呼格
omnipotens omnipotens(形)almighty・omnipotent(全能の)の男性単数呼格
Domine Fili unigenite, Jesu Christe, altissime この行はすべて呼格形。
fili filius(2)息子、の本来の呼格形はfilieだが、約音によりこの形になる。
unigenite この語も、所持する2つの辞書に出ていなかったが、uniとgenitusの合成であることがわかる。前者はunus(数)一つ、から。後者はgigno(3)生む、の完了分詞genitus、から。
altissime altus(形)高い、の最上級altissimus、より。
agnus(2)仔羊、の単数主格形          
Qui qui(関代)で、男性単数主格
tollis tollo(3)取り除く、の能動相直説法現在単数2人称
peccata peccatum(2)罪、の複数対格
mundi mundus(2)世界、の単数属格
miserere misereor(2)(形式所相動詞)憐れむ、の命令法現在単数2人称
nobis nos(我々)の与格または奪格形。misereorは普通属格を支配するが、ここは形式所相動詞に多く見られるように奪格を取っていると考える。   
suscipe suscipio(3b)引受ける・始める、の能動相命令法現在単数2人称
deprecationem deprecatio(女)appeal(訴え・嘆願)、の単数対格
sedes sedeo(2)座る、の能動相直接法現在単数2人称
quoniam(接)~だから
solus(代名詞的形容詞)ただ一人(一つ)の、男性単数主格
spiritu spiritus(4)霊魂、の単数奪格形

(筆者訳)
いと高きところには神に栄光が、
そして地には善意の人々に平和が。
我らは汝をほめ、汝を祝福する。
我らは汝を崇め、汝を賞賛する。
我らは汝の大いなる栄光ゆえに汝に感謝する。
主なるひとり子よ、至高のイエス・キリストよ。
主なる神よ、神の仔羊、父の子。
あなたは世の罪を除き給う、我らを憐れみ給え。
あなたは世の罪を除き給う
我らの願いを聞き入れよ。
あなたは父の右に座っておられる、我らを憐れみ給え。
あなたただ一人が聖なるお方だから、あなたがただ一人が主であられる、
あなたがただ一人が至高なるお方、イエス・キリストよ。
聖霊とともに、父なる神の栄光のうちに、
アーメン(そうでありますように)

ラテン語の名詞は、変化で分類すると、第一変化名詞から第五変化名詞までの5つに分けられる。動詞に倣い、(1)(2)(3)(4)(5)と記号で表すことにする。(1)は-aで終る女性名詞、(2)は-usで終る男性名詞と-umで終る中性名詞、(3)は男女中性名詞が含まれる。(4)は-usで終る男性名詞、(5)は-esで終る女性名詞、である。(1)(2)(4)(5)について、これ以外のものも少数あり、そのうちの多くは例外に当たると考えてよい。これらのものについて示す時、および(3)については、(1男)(2女)(3男)(4中)(5男)などと示すことにする。男性女性共通の名詞は、通性と呼ばれ、(通)と示す。格については、ラテン語は、主格(~は)、属格(~の)、与格(~に)、対格(~を)、奪格(~から・~によって・~と共に)、呼格(~よ)の6つあり、意味はそれぞれに示した通りであるが、他の用法も多く見られる。呼格は、-usで終る第二変化名詞(男性名詞と例外的な女性名詞がある)の単数で-eの形を持つが、第二変化名詞の複数形を含め、これ以外のすべての変化において、主格と共通である。

形容詞は、名詞の第一変化(女性)と第二変化(男性・中性)の変化語尾からなるものと第三変化と同じ変化語尾を持つものとがあるだけである。

名詞、形容詞とも変化の中には基本形から少し離れた変化をするものもある。

ミサ(1)

2017-02-05 21:46:30 | 音楽一般
テ・デウムの次は、これも前から取り組んでみたかったミサ曲の歌詞。やはりベートーベンの素晴らしいミサ・ソレムニスがまっ先に思い浮かぶが、テ・デウム以上に多くの作曲家が作品を残してくれている。

ベートーベンの曲は、全5楽章ということになっているが、第4楽章は、サンクトゥスとベネディクトゥスの部分から成る。歌詞は全部で6つの部分から成るが、第1楽章となるKyrieの箇所を見てみる。

このKyrieだけは、実は、ローマ字で書かれているが、元はギリシア語である。ラテン語の辞書を見ても出てこない。大学時代ギリシア語の先生から、その事実を聞いた時、えっ、そうなの?、と思ったのを覚えている。なぜなのか?、その説明は見たことがないように思う。歌詞は、わずか4つの語だけ。読み方は、古典ラテン語の読みを付けてみた。実際に合唱をやる人が歌うのは、ドイツ式かイタリア式の読み方で、これとは異なるでしょう(2楽章以下についても)。

Kyrie(主よ)

Kyrie, eleison.                  
キュリエ エレイソン
Christe, eleison.
クリステ エレイソン
Kyrie, eleison. 
キュリエ エレイソン

Kyrie ギリシア語のΚύριος(男)主(しゅ)、の呼格 Κύριεをラテン語の字体に直したもの。
eleison ギリシア語のελεέω(動)~を憐れむ、の能動相アオリストⅠ命令法単数2人称のελέησονをラテン語の字体に直したもの。ギリシア語の読みは、エレエーソンだが、ここにあるように綴られる。
Christe ギリシア語のХριστός(男)キリスト、の呼格Хριστέをラテン語の字体に直したもの。

和訳
主よ、憐れみたまえ。
キリストよ、憐れみたまえ。
主よ憐れみたまえ。

テ・デウム(5)

2017-01-26 09:30:30 | 音楽一般
Miserere nostri, Domine, miserere nostri.
ミセレーレ ノストリー ドミネ ミセレーレ ノストリー
Fiat misericordia Tua, Domine,
フィーアト ミセリコルディア トゥア ドミネ
super nos, quemadmodum speravimus in Te.
スペル ノース クェマドモドゥム スペーラーウィムス イン テー
In Te, Domine, speravi:
イン テー ドミネ スペラーウィー
non confundar in aeternum.
ノーン コーンフンダル イン アエテルヌム

miserere misereor(形式所相動詞)(2)憐れむ、の命令法現在単数2人称 属格支配
nostri nos(人称代名詞)(我々)の属格
fiat fio(不規則動詞)生ずる、の接続法現在単数3人称
misericordia(1)pity,compassion,mercy
super(前)~の上へ(対格支配)
nos ここでは(対格)
quemadmodum(副)just as, as
speravimus spero(1)期待する・望む、の能動相完了複数1人称
speravi spero(同上)、の能動相完了単数1人称
confundar confundo(3)mingle in confusion、の受動相接続法現在単数1人称

われらをあわれみ給え、主よ、われらをあわれみ給え。
主よ、御身に依(よ)り頼みしわれらに、御あわれみをたれ給え。
主よ、われ御身に依り頼みたり、わが望みはとこしえに空(むな)しからまじ。
(公教会祈祷文)

ラテン語の動詞は、規則動詞、不規則動詞、不完全動詞の3つがある。不規則動詞は、英語のbe,canなどの動詞の類で、giveなどをいう時の不規則動詞とは異なる。
規則動詞は第一変化動詞から第四まであるが、第三と第四の「合いの子」(ラテン語入門)と呼ばれるものがあり、全部で5種類ある。それらを(1)(2)(3)(3b)(4)として表示する。上にあるような動詞に付く(1)(3)などはそれを示す。不規則動詞は、英語のbe,canなどの動詞と同様、数は限られていて、sum(ある),eo(行く),fero(運ぶ),volo(欲する),nolo(欲しない),malo(択ぶ),fio(なる)の7ヶである(do(与える),edo(食べる)を加えることもある。他に、possum(できる)などの合成動詞がこれに加わることもある。)。不完全動詞は、一般に5ヶと数えられている(さらにいくつか加えて数えることもある)。
ラテン語の動詞を辞書などで示す時は、近代語と異なり、(詳しく言うと)能動相直説法現在単数1人称で示す。(英語のように、原形と呼ばれる不定詞ではない。)そして能動相不定法現在、能動相直説法完了単数1人称、目的分詞(ラテン語のsupinumで呼ばれることがある)の4ヶが、ラテン語の動詞の基本形となる。(英語は、原形、過去形、過去分詞形の3つ)
英語などで態というのを、相を使い、これには能動相、受動相の2ヶがある(古代ギリシア語などでは中動相が加わり3ヶ)。法は、直説法、接続法、命令法、不定法の4ヶ。不定法は他の3つと人称と数を持たない点で異なるが、法に含めて言われる。時称は(時制と言ってもいいが、手元の文法書では、多く時称を用いている。)、現在、未完了過去、未来、完了、過去完了、未来完了の6ヶ。英語の現在進行形のような、進行時制はない(独語、仏語などもなく、これは英語独特と言っていいだろう。)完了は「現在完了」と記す文法書もあるが、いくつかの文法書にあるように「完了」だけとする。数や人称は近代語と同じ。(古代ギリシア語には「双数(両数)」がある。)動詞の中には、能動相の形を持たない(しかし意味は能動)動詞が数多くある。これを形式所相動詞と呼び、不完全動詞には含めない。動詞の概略を書いてみました。

テ・デウム(4)

2017-01-25 15:45:26 | 音楽一般
Aeterna fac cum sanctis Tuis in gloria numerari.
アエテルナー ファク クム サンクティース トゥイース イン グローリアー ヌメラーリー
Salvum fac populum Tuum, Domine,
サルウゥム ファク ポプルム トゥウム ドミネ
et benedic hereditati Tuae.
エト ベネディーク ヘーレーディターティー トゥアエ
Et rege eos, et extolle illos usque in aeternum.
エト レゲ エオース エト エクストッレ イルロース ウスクェ アエテルヌム
Per singulos dies benedicimus Te;
ペル スィングロース ディエース ベネディーキムス テー
et laudamus nomen Tuum in saeculum, et in saeculum saeculi.
エト ラウダームス ノーメン トゥウム イン サエクルム エト インサエクルム サエクリー
Dignare, Domine, die isto sine peccato nos custodire.
ディグナーレ ドミネ ディエー イストー スィネ ペッカートー ノース クストーディーレ


Aeterna aeternus(形)永遠の、の女性単数奪格 gloriaを修飾する
fac facio(3b)作る、の命令法現在単数2人称
sanctis sanctus(上述)の複数奪格
numerari numero(1)数える、の受動相不定法現在
Salvum salvus(形)健康な、の男性単数対格
populum populus(2)民衆・国民、の単数対格
Domine dominus(2)主、の呼格
benedic benedico(3)祝福する、の命令法現在単数2人称
hereditati hereditas(女)heirship,an inheritance、の単数与格
rege rego(3)支配する、の命令法現在単数2人称
eos is(指示代名詞、それ)の男性複数対格 ラテン語は人称代名詞の3人称がない(!)ので、代わりに指示代名詞が用いられる。
extolle extollo(3)挙げる・ほめる、の命令法現在単数2人称 命令法現在単数2人称が、ここに集中的に出てくる。
illos ille(指示代名詞、あれ)の男性複数対格 これも人称代名詞の代わりをしている。話し手、聞き手の双方に遠いものを指す。
usque(副)ずっと続けて
in aeternum phraseでfor everの意。
singulos singuli(形)一つずつの、の男性複数対格
dies dies(5・男)日、の複数対格
benedicimus benedico(先述)の能動相直説法現在複数1人称
laudamus laudo(先述)の能動相直説法現在複数1人称
nomen nomen(中)名前、の単数対格
saeculum saeculum(2)世代・世紀・時代、の単数対格
Dignare digno(1)deem worthy、の不定法現在
die dies(先述)の単数奪格
isto iste(指示代名詞、それ)の男性単数奪格 聞き手に近いものを指す。
sine(前)(奪格支配)~なしに
peccato pecco(1)罪を犯す
nos (人称代名詞)複数1人称対格
custodire custodio(4)(他)watch over,guard,protect、の不定法現在

かれらをして諸聖人と共に、永遠の栄えのうちに数えらるるを得しめ給え。
主よ、御身の民を救い、御身の世継ぎを祝し、
かれらを治め、永遠(えいえん)にいたるまで、かれらを高め給え。
われら、日々、御身に謝(しゃ)し、
世世(よよ)にいたるまで聖名(みな)をたたえ奉る。
主よ、今日(こんにち)われらを護(まも)りて、罪を犯さざらしめ給え。
われらをあわれみ給え、主よ、われらをあわれみ給え。
主よ、御身に依(よ)り頼みしわれらに、御あわれみをたれ給え。
主よ、われ御身に依り頼みたり、わが望みはとこしえに空(むな)しからまじ。
(公教会祈祷文)

テ・デウム(3)

2017-01-24 09:37:19 | 音楽一般
Tu Rex gloriae, Christe.
トゥー レークス グローリアエ クリステ
Tu Patris sempiternus es Filius.
トゥー パトリス セムピテルヌス エス フィーリウス
Tu ad liberandum suscepturus hominem,
トゥー アド リーベランドゥム ススケプトゥールス ホミネム
non horruisti Virginis uterum.
ノーン ホッルイスティー ウィルギニス ウテルム
Tu devicto mortis aculeo,
トゥー デーウィクトー モルティス アクーレオー
aperuisti credentibus regna caelorum.
アペルイスティー クレーデンティブス レグナ カエロールム
Tu ad dexteram Dei sedes, in gloria Patris.
トゥー アド デクステラム デイー セデース イン グローリアー パトリス
Judex crederis esse venturus.
ユーデクス クレーデリス エッセ ウェントゥールス
Te ergo quaesumus, Tuis famulis subveni:
テー エルゴー クワエスムス トゥイース ファムリース スブウェニー
quos pretioso sanguine redemisti.
クォース プレティオーソー サングイネ レデーミスティー

rex (男)王、の単数主格
gloriae gloria (1)栄光、の単数属格
Christe.Christus (2)キリスト、の呼格
sempiternus (形)everlasting, perpetual, eternal
es sum(~である)の現在単数2人称
ad+動名詞 ~するために
liberandum libero(1)解放する・自由にする、の動名詞対格
suscepturus suscipio(3b)支持する・引受ける、の未来分詞男性単数主格形
hominem homo(通)人、の単数対格  (通)は男性女性共通、の意
non (副)ない
horruisti horreo(2)恐れる、の能動相直説法完了単数2人称形
Virginis virgo(女)乙女、の単数属格
uterum uterus(男)the womb(子宮)、の単数対格
devicto devinco(3)(他)conquer completely,subdue、の完了分詞で、男性単数奪格
mortis mors(女)死、の単数属格
aculeo aculeus(男)sting,spine,prickle、の単数奪格、すぐ前の奪格の分詞devictoと共に、絶対的奪格を作る。英語の独立分詞構文に相当する。
aperuisti aperio(4)開く、の能動相直説法完了の単数2人称
credentibus credo(3)信ずる、の現在分詞の複数与格
regna regnum(2)王国、の複数対格
caelorum caelum(2)天・空、の複数属格
dexteram dextera(1)the right side、の単数対格
Dei deus(2)神、の単数属格
sedes sedeo(2)座す、の能動相直説法単数2人称
gloria gloria(1)栄光、の単数奪格 綴りは同じだが、読みはグローリアーと延ばす。
Judex judex(男)裁判官、の単数主格
crederis credo(3)信ずる、の受動相直説法単数2人称
esse sum(不規則動詞)~である、の不定法現在
venturus venio(4)来る、の未来分詞で、esseと共に不定法未来を作る。
ergo(副)それ故に
quaesumus quaeso(3)願う、の能動相直説法現在複数1人称 辞書に[old form of quaero]とある。また、(1st plur. quaesumus)と。この複1の形は特殊なもの。
Tuis tuus(所有形容詞)君の、の複数与格
famulis famulus(2)servant,attendant、の複数与格
subveni subvenio(4)(与格支配)助ける、の能動相命令法単数2人称
quos qui(関係代名詞)の男性複数対格
pretioso pretiosus(形)valuable,precious,costly、の男性単数奪格
sanguine sanguis(男)血、の単数奪格
redemisti redimo(3)(他)redeem((罪・束縛などから)救う(rescue);(神が)救済する、の能動相直説法完了単数2人称

これまで何度か出てきた-istiの語尾は能動相直説法完了単数2人称の人称語尾である。

 御身、栄えの大君(おおぎみ)なるキリストよ、
 御身こそは、聖父(おんちち)のとこしえの聖子(おんこ)、
 世を救うために人とならんとて、おとめの胎をもいとわせ給わず、
 死のとげにうち勝ち、信ずる者のために天国を開き給えり。
 御身こそは、御父の御栄え(みさかえ)のうちに、天主の右に坐(ざ)し、
 裁き主(さばきぬし)として来りますと信ぜられ給う。
 願わくは、尊き(とうとき)御血(おんち)もてあがない給いししもべらをたすけ給え。
 (公教会祈祷文)

テ・デウム(2)

2017-01-17 22:08:28 | 音楽一般
Sanctus, sanctus, sanctus, Dominus Deus Sabaoth.
サンクトゥス サンクトゥス サンクトゥス ドミヌス デウス サバオート
Pleni sunt caeli et terra majestatis gloriae Tuae.
プレーニー スント カエリー エト テッラ マーイェスターティス グローリアエ トゥアエ

sanctus (形)神聖な
Sabaoth これはラテン語の辞書に出ていず、英語の辞書にはこのままの綴りで、万軍(armies, hosts)、とあります。さらに the Lord of Sabaoth で万軍の主、神、とも。army(陸軍、軍、軍隊)の複数形を意味するヘブライ語に由来するとあります。
pleni はplenus (形)~に満ちた、で奪格もしくは属格を補語としてとりますが、ここは属格が来ています。
caeli caelum(2)天空、の複数主格
terra terra (1)大地、の単数主格
caeli et terra  が主語で、sunt(sumの複数3人称形)が述語で、pleniが補語です。
majestatis  majestas (女)grandeur(偉大・高貴・威厳)、の単数属格
gloriae gloria (1)名声・栄誉、の単数属格
Tuae tuus (所有代名詞)君の、の女性単数属格


Te gloriosus apostolorum chorus,
テー グローリオースス アポストロールム コルス 
Te prophetarum laudabilis numerus,
テー プロペータールム ラウダービリス ヌメルス
Te martyrum candidatus laudat exercitus.
テー マルテュルム カンディダートゥス ラウダト エクセルキトゥス
Te per orbem terrarum sancta confitetur Ecclesia,
テー ペル オルベム テッラールム サンクタ コーンフィテートゥル エックレーシア
Patrem immensae majestatis:
パトレム イムメーンサエ マーイェスターティス
venerandum Tuum verum et unicum Filium;
ウェネランドゥム トゥウム ウェールム エト ウーニクム フィーリウム
sanctum quoque paraclitum Spiritum.
サンクトゥム クォクェ パラクリートゥム スピーリトゥム

gloriosus (形)full of glory, famous
apostolorum 辞書になし。英和辞書で探すと、apostolic (形)使徒の、apostle (名)(初期キリスト教時代の)伝道者、とある。複数属格男女性
chorus (男)company, troop of any kind
prophetarum 辞書になし。英和辞書で探すと、prophet (名)予言者、とある。複数属格女性
laudabilis (形)たたえるべき
numerus (男)数
martyrum 辞書になし。英和辞書で探すと、martyr (名)殉教者、とある。単数属格男中性
candidatus (男)a candidate for office
exercitus (4)軍隊,host,flock,swarm
per (前)(対格支配)~を通って・~を貫いて
orbem orbis (男)地球・円・輪、の単数対格
terrarum terra(先述)の複数属格
orbis terrarum で、世界、の意。
confitetur confiteor(先述)の直説法現在3人称単数
Ecclesia, 辞書になし。英和辞書で探すと、ecclesiastic (名)(キリスト教の)聖職者、牧師(clergyman)、とある。そして、この語の語源を見ると、このラテン語はギリシア語から来ていることがわかり、このEcclesiaの意味として、assembly summoned by crier,(のちに)the Church((組織体としての)教会)、とある。女性単数主格と考えられる。
Patrem pater(男)父、の単数対格
immensae immensus (形)大きな、の単数属格女性
venerandum veneror(1)敬う、の動形容詞
verum verus(形)真の、の男性単数対格
unicum unicus (形)ただ一つの、の男性単数対格
Filium filius(2)息子、の単数対格
quoque (副)もまた
paraclitum 辞書になし。英和辞書で探すと、paraclete (名)(P-)聖霊(Holy Spirit)、とある。
Spiritum spiritus(4)(男)息・生命・霊魂、の単数対格

聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍(ばんぐん)の天主、
天も地も、御身の栄えと御霊威(ごれいい)とに充ち満てりと。
ほまれにかがやく使徒のむれ、
ほめたとうべき預言者のあつまり、
潔(きよ)き殉教者(じゅんきょうしゃ)の一軍、みなもろともに御身をたたえ、
全地にあまねき聖会は、
御身、限りなき御(み)いつの聖父(おんちち)を、
いとたかき御身がまことの御独り子(おんひとりご)と、
また慰め主(なぐさめぬし)なる聖霊と、ともに讃美し奉る。
(公教会祈祷文)