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西洋音楽歳時記

旧称「A・Sカンタービレ」。07年には、1日1話を。その後は、敬愛する作曲家たちについて折に触れて書いていきます。

ベートーベン巡礼―その3

2019-06-21 17:58:20 | 音楽一般
今回の旅行でどうしても行きたい場所が2つあった。その一つがパスクァラティハウスPasqualatihausである。住所は、1区、Moelker Bastei 8番地。ベートーベンが1804年から15年にかけて暮らしていた住居である。パスクァラティは宮廷御用商人で古くからのベートーベンの後援者である。この家で、交響曲の第5・6・7番やオペラ「フィデリオ」など多くの傑作が生みだされた。建物の5階(4.Stock)にあり、目の前にはウィーン大学が見える。ベートーベンも何度も目にしたことだろう。


窓から見えるウィーン大学。訪れた日は雨だった。


ベートーベンの肖像画。


尊敬していた祖父の肖像画。ボンから取り寄せたという。



ここではどんな生活をしていたんだろう。床は歩くと、みしみしいう。ベートーベンは、生涯に70回以上引っ越しをしたという。ここはその中でも結構長く使っていたようだ。こんな言葉が残されている。


ここでは写真撮影は自由にできた。


5階へは螺旋階段を使っていく。こんな具合だ。


ベートーベンも毎日上り下りしたのだろうか。引きこもっていた日もあったことだろう。入口はこんな具合。

離れたところからだと、

というふう。
実は住所はわかっていても、地図を見ながらだったが、人に聞いたりしてやっと発見した。近辺には、亡くなったシュヴァルツシュパニエルの場所同様、少しも表示案内などない。
建物を見上げるとこんな感じ。

この一番上に住んでいた。建物は角にある。

帰りは、近道があることを知った。これが目印。

この裏手の坂を上ったところにこの建物はある。通りの前はウィーン大学である。

目印の裏の坂を上ったところにベートーベンの住居がある。ベートーベンもこの坂を上り下りしたことだろう。


この日はウィーンを離れる、旅の終りの前日。ツアーの人たちと一緒に食事をする最後のディナーの日。それで夜は、ホテルから少し行ったところのミシュラン星のいくつか付いたところで食事をした。このとき出されたデザートを美味しくいただいた。いよいよ明日はもうひとつのどうしても行きたかった場所へ。


ベートーベン巡礼―その2

2019-06-15 19:43:33 | 音楽一般
ベルヴェデーレ宮殿のオーストリア絵画館でウィーン世紀末芸術を鑑賞した後、ぜひ音楽家たちに会いたいと、一行の人たちと別れた。
先ずは楽聖ベートーベンに会いに行かねば。

ベートーベンの像のある公園は、この後行く市立公園とは別にある。すぐ隣りあわせだが。ベートーベンは一人だけでいるが、市立公園はたくさんの像がある。なかでも有名なのが、黄金のヨハン・シュトラウス2世像だ。なぜこの像だけ黄金なのか。説明は見たことも聞いたこともありません。


ブルックナーとシューベルトの像です。



像だけでなく、ウィーンにはいたるところに音楽家の名が刻んであります。





オペラ座の中の案内が毎日午後3時にあるようです。言語別に案内があるのですね。我々は日本語のところで待っていると、最初はドイツ語チームが行ったのかな。英語、イタリア語などがありました。流暢に日本語を話すドイツ人(でしょう)女性に案内され、1時間近く中を見て回りました。最後はお土産コーナーです。孫たちに服を買いました。

案内の途中で撮影したものです。舞台はオーストリアの作曲家アイネムによるオペラ「ダントンの死」の舞台設定の一場面です。当日夜に上演されるのでしょう。ウィーン国立歌劇場はマーラーとは切っても切れない関係にありますね。それで飾ってあったマーラーの絵画も撮りました。




ウィーンはやはりコーヒーは別格に美味しいです。ホテルの朝食でもテーブルにポットが置いてあり、何杯でも飲めます。
これは訪れたシェーンブルン宮殿内のレストランでいただいたコーヒーです。メレンゲでいいのかな。


ベルヴェデーレ宮殿

2019-06-13 18:27:50 | 音楽一般
ベルヴェデーレとは、「見晴らし台」と言う意味である。ウィーンにはシェーンブルン宮殿、それにこのベルヴェデーレ宮殿と、2つの有名な宮殿があり、多くの観光客が訪れる名所となっている。ウィーン到着二日目にここを訪れた。今この宮殿は、オーストリア絵画館となっている。「美術史美術館」でも数多くの美術作品に触れたが、ここでは20世紀を迎える前後のいわゆる「世紀末芸術」のウィーンでの芸術運動、クリムトやエゴン・シーレなどの作品が多く見られた。クリムトの有名な「接吻」もここにある。またオーギュスト・ロダンの「マーラーの頭部」の彫刻も展示してあった。「美術史美術館」もこのオーストリア絵画館も光を出さなければ撮影自由。


さて、ここがどう音楽史に関係するかと言えば、ブルックナーの伝記で、ブルックナーがここに晩年を過ごすことになったとの記述を読んでいた。1895年、なくなる1年前の7月に皇帝フランツ・ヨーゼフ1世から提供されたのだった。その住居はどこだろうと思ったのだが、今手元の伝記本を見ると割と詳しく書いてあった。旅行前に見ておけばよかったか。もちろん読んではいたが、記憶になかった。館の案内人に聞くと、パソコンにBrucknerの名を入れて、調べてくれた。ブルックナーがこの宮殿に関係するのを知らなかった?、ようだ。親切に調べてくれて宮殿の案内図にこの辺りでは、と4か所に印をつけてくれ、それを頼りに探索したが、プレートのようなのは結局見つからずじまいだった。(今、本やネットで見ると、あった場所がちゃんと出ていて、銘板も置かれている。)ブルックナーは時々庭に出て散歩していたということだ。その見事な庭園はしっかり見てきた。最後となった第9交響曲をその晩年にここで作曲していたという。1896年10月11日の日曜日、よく晴れた日の午後3時ごろ、ブルックナーは息を引き取ったという。3日後、カール教会で葬儀は執り行われた。この教会もぜひ行ければと思っていたが、時間がなかった。

画像は、そのブルックナーが散歩した宮殿の庭です。オーストリア絵画館となっている上宮から撮ったもので、向こうに見えるのは下宮です。

ベートーベン巡礼ーその1

2019-06-11 22:23:50 | 音楽一般
ウィーンに着いた日、割と早い時間に着いたので、すぐに探索を始めた。幸い宿泊したホテルRはウィーン市内北西隅にあった。事前に調べていたのだが、ベートーベンの亡くなったというシュヴァルツシュパニエルハウスのあるSchwarzspanierstr.15番地はホテルのすぐ近くだった。さて探索すべくホテルを出たが、近くはわかっていたが、どこだろう、見つかるか、と思いながら歩いて行ったが、最初反対方向に行ってしまったが、難なく見つけることができた。

建物自体は、すでに取り壊されていて、今立っているのはその後に建てられたものだろう。それで今の建物の通りに面したところに「ベートーベン逝去の家」の画像のような記念碑が取り付けられたのだろう。1827年3月26日午後5時45分、雷鳴の轟く中、ここで亡くなったのだった。建物の3階が住居だったという。




建物の前の通りを写すと、下の写真。


ここまで来るのに、何もその家がここにある、のような表示はなかったように思う。伝記本でどんなところだろうと思い来たのだが、200年まえはこの近辺どんな風だったのか、などと思いながら後にしました。

ザルツブルクと言えば

2019-06-06 21:12:30 | 音楽一般
やはりモーツァルトです。40年以上前にも行きました。そう、モーツァルトの誕生した家です。ゲトライデガッセGetreidegasseの9番地です。

以前行った時、4階まであるのに、すべて見なかったように思います。今回はしっかり見ました。4階にモーツァルトの髪の毛が展示されていました。他にも、様々な資料があり、ゆっくり時間をかけて見ることができました。ここでは写真撮影はできません。後で登場しますが、ベートーベン関連の施設では全く撮影問題なしでしたが。
ザルツブルクには、モーツァルトの住居がもうひとつあります。この建物です。

モーツァルトが住んだ当時の姿で再建したということで、再建に当たり、日本の保険会社の多額の寄付をはじめとする、などとガイドブックにありましたが、現地の日本人ガイドによると、第一生命ということでした。皆さんの保険金の一部がここに、などという説明でした。ここは時間もなく、入れませんでした。

もちろんモーツァルト像が町の象徴として立っています。モーツァルト広場です。大きな噴水があるレジデンツ広場がその隣にあります。初めて行ったとき、この広場でチェスをしていた人を見かけ写真を撮りましたが、今回もチェスに興じる人がいました。

ザルツブルクでは、やはりここで食事をしたいものです。

ガイドさんの案内で十分ザルツブルクの町を楽しめた一日になりました。

カラヤン氏の生家

2019-06-05 22:07:05 | 音楽一般
ザルツブルグにはカラヤンの生家があります。ザルツブルク市内見学の時に家の脇の道を通りました。ザルツブルクを流れるザルツァッハ川に架かるマカルト小橋の近くにあります。庭には、カラヤンの指揮をする姿の像があり、すぐ目に付きます。

庭を前から見るとこのような指揮姿です。

カラヤン氏のお墓を訪ねる

2019-06-04 22:21:48 | 音楽一般
先だって、オーストリアへ周遊旅行をした。ここを訪ねられたらといくつか考えていたが、すべてではなかったが、そのいくつかを実現することができた。

カラヤン氏は、私にとってクラシック音楽のすばらしさを教えてくれた人である。もちろんベートーベンの交響曲の偉大なことをその演奏で教えてくれたこともある、またそれとともに、まだ十分でなかったクラシック音楽の知識を広めてくれたのであった。以前も書いたかもしれないが、ブルックナーの音楽は、当初私にとって敬遠するものであった。マーラーの音楽も同様であった。カラヤンは、自分が録音し、後世に遺すべきものを録音する、そういう姿勢で自分のするべきことをしている人だと、いつしか考えるようになった。それはいまでも100%正解だったと考える。カラヤンが録音するものは、愛好家なら知っていなくてはならない音楽であろう。EMIでカラヤン/ベルリン・フィルによる3枚組のレコードが出た。4番と7番のセットである。上に述べたような気持ちから初めてブルックナーの音楽を購入し、その音楽に接した。2曲とも愛好するものとなったが、特に7番には圧倒的な感銘を受けた。カラヤンはその後、ベルリン・フィルで全集を出し、また最後の録音としてウィーン・フィルともこの曲を録音したが、そのどれも優れた演奏であることは言うまでもないが、私にはこのEMI盤が第1にあげたい演奏である。マーラーも同様で、5番が「亡き子をしのぶ歌」がフィル・アップされて出たが、やはりこの演奏でマーラーの凄さを知り、その後はマーラーの全貌を知るまでになった。

そのカラヤン氏からサインをいただいたのはここでも書いたが、ザルツブルクに行ったら、ぜひとも墓参したいと考えていました。テレビで、またそれ以前にも質素なお墓であることは知っていたが、訪れることができて良かった、と思っています。

亡くなった時、ソニーの大賀さんと歓談中だたっという話も聞いています。それだからなのか、お墓のそばの教会に行く途中、カラヤン氏と大賀さんの像が並んで立っていました。このことは知らず驚きました。

ザルツブルクに着いて、お墓にあるアニフの村にはどのように行くのか、そこまでは調べていず、結局次の行き方を現地で知ることになりました。中央駅前のバスターミナルで探すと、25系統のnach Unterbergbahn行きのバスがあります。(私は、駅前のバス停で見つけようとバスの総合掲示板を見ましたが、結局はRathaus(市役所)から乗り、帰りもここを目指し帰りました。)このバスに乗り、降りるバス停は、Anif Friesacherです。途中噴水で有名なヘルブルン宮殿があるバス停Schloss Hellbrunnがあり、次がザルツブルク動物園のバス停Anif Zoo Salzburgで、その次が目指すAnif Friesacherです。バスを降りて右方向に歩いてほどなくして教会や案内所(土曜日曜は休み、行った日は土曜だった!)があり、置いてあった地図を一部頂いた。この近くと思い少し歩いたらすぐに見つけることができた。とうとう来た。感無量であった。

フォーレ「夢のあとに」

2018-11-12 12:16:51 | 音楽一般
近々、発表会でフォーレの「夢のあとに」をする予定。チェロの小品集によく入っている曲ですが、もちろんバイオリンでやります。歌詞の内容を理解しなければやはり演奏はよくできることはないでしょう、と思い歌詞を勉強しました。もちろん音程やリズムがしっかり取れなければいけないですが、取り合えず内容を理解したいと思いました。以下に記したいと思います。
今年初めての、久しぶりの投稿です。

Après un rêve

Dans un sommeil que charmait ton image
Je rêvais le bonheur, ardent mirage.
Tes yeux étaient plus doux, ta voix pure et sonore.
Tu rayonnais comme un ciel éclairé par l’aurore;

Tu m’appelais et je quittais la terre
Pour m’enfuir avec toi vers la lumière.
Les cieux pour nous entr’ouvraient leurs nues.
Splendeurs inconnues, lueurs divines entrevues.

Hélas! Hélas, triste réveil des songes,
Je t’appelle, ô nuit, rends-moi tes mensonges,
Reviens, reviens radieuse,
Reviens ô nuit mystérieuse!

[語釈]
まず単語の理解のために頻繁に出てくる機能語についての説明
フランス語の名詞は男性名詞と女性名詞に分かれます。(英語を学んだ段階では聞くとびっくりすることですが、ヨーロッパ語では普通に見られることです。中性名詞さえある言語もあります。)不定冠詞、定冠詞も異なります。この冠詞ですが、複数もあります。不定冠詞に複数?と驚くかもしれません。複数は、不定冠詞、定冠詞とも男性女性共通です。
不定冠詞 (不特定の)ある・1つの(英 one, a)
 男性 un, 女性 une, 複数 des
定冠詞 (英 the)
男性 le, 女性 la, 複数 les  *le, laは次に母音で始まる語が来るとl’と縮約形になります。
人称代名詞 詩の中では第1人称と第2人称の単数形が頻繁に出ています。英語と同様、主語の時、直接目的の時、などと変化します。
 第1人称(単数) 私
  主語 je, 直接目的・間接目的 me, 強勢形 moi(*この形は直接目的・間接目的でも使うことがあります)
 第2人称(単数) 君 *この単数の第2人称形は、親しい人に対する呼びかけです。だから「君」となります。「あなた」とは違うんです。
  主語 tu, 直接目的・間接目的 te, 強勢形 toi
*me, teは次に母音で始まる語が来るとそれぞれm’, t’と縮約形になります。
 複数第1人称も1度出ています。
  nous 我々 (英 we, us) *前置詞の後で使われています。強勢形ですが、主語・直接目的・間接目的と同形です。
所有形容詞 やはり、詩の中では第1人称と第2人称の単数形が多く出てきました。所有されるものが男性名詞か女性名詞か、また複数形(男女共通)かで変化します。
 第1人称 私の(英 my) 単数 男性 mon, 女性 ma, 複数 mes
 第2人称 君の(英 your) 単数 男性 ton, 女性 ta, 複数 tes
  単数女性名詞の前では、母音で始まる語の時は、男性と同じmon, tonが使われます。
 第3人称も1度出ています。
  leurs 彼(女)らの・それらの *所有されるものが複数の形です。単数は-sを取ったleurです。
前置詞もここにまとめます。英語と異なり、前置詞の後に動詞の不定詞を置くことができます。
après (前)の後で (英 after)
dans (前)~の中に (英 in)
par (前)~によって〈動作主〉(英 by)
pour (前)~のための[に] (英 for, towards, in order to)
avec (前)と一緒に・を伴って (英 with)
vers (前)~の方に (英 towards)
desですが、これはde+lesの縮約形です。このdeは前置詞で、「~の・~から (英 of, from)」です。
動詞の説明で、直説法半過去形とありますが、半過去とは「過去における動作・状態の継続」を表す時に用いられる時制です。「未完了過去」と言うべきと思いますが、フランス語学会ではこの語が使われます。私は説明を受けた記憶がありません。

rêve (男)夢
sommeil (男)眠り (英 sleep)
que (関係代)~ところの~ (英 that) *直接目的として働く
charmait charmer (他)魅了する、の直説法半過去形の単数3人称
image (女)絵・写真・(心の中の)像・心象・記憶
rêvais rêver (他)(の)夢を見る、の直説法半過去形の単数1人称
bonheur (男)幸運・幸福 (英 good luck, happiness)
ardent (形)熱い・燃えるような・激しい・熱烈な
mirage (男)幻影
yeux œil(男)目 (英 eye)、の複数形
étaient être(自)~である (英 to be)、の直説法半過去形の複数3人称
plus (副)よりも~だ・さらに~だ (英 more) *形容詞・副詞の優等比較級をつくる
doux (形)甘い・心地よい・優しい・柔和な・愛情のこもった (英 sweet, soft, easy)
voix (女)声 (英 voice)
pure (形)清純な・汚れのない・美しい (英 pure)
et (接)そして・と (英 and)
sonore (形)音のする・よく響く
rayonnais rayonner (自)光を放つ・光る・輝く、の直説法半過去形の単数2人称
comme (副)(の)ように・と同じように (英 as, like)
ciel (男)(複 cieux)空・天・天国 (英 sky; heaven)
éclairé éclairer (他)照らす (英 to light)、の過去分詞形
aurore (女)曙
appelais appeler (他)呼ぶ (英 to call)、の直説法半過去形の単数2人称
quittais quitter (他)(場所を)離れる・去る (英 to leave)、の直説法半過去形の単数1人称
terre (女)地球・世界・地上・現世 (英 earth, land)
m’enfuir s’enfuir (代名動詞)逃げる・逃げ去る・消え去る、の単数1人称
lumière (女)光・日光 (英 light)
entr’ouvraient entrouvrir (他)わずかに開く・細目に開ける、の直説法半過去形の複数3人称
nues nue(女)(文)雲・天空、の複数形
splendeurs splendeur (女)光輝、の複数形
inconnues inconnu(形)知られていない・未知の・かつて経験したことのない
lueurs lueur(女)微光、の複数形
divines divin(形)神の・素晴らしい、の女性複数形
entrevues entrevoir(他)かすかに見る・かいま見る、の過去分詞形の女性複数形
hélas (間)ああ!〈苦しみ・絶望・悲しみ・遺憾〉
triste (形)悲しい・悲しげな・陰鬱な・哀れな
réveil (男)目覚め
songes songe(男)(文)夢・夢想
appelle appeler (他)呼ぶ (英 to call)、の直説法現在の単数1人称
ô (間)(文)おお・ああ
nuit (女)夜 (英 night)
rends rendre(他)返す、の命令法現在の単数2人称
mensonges mensonge(男)うそ・虚構・幻影、の複数形
reviens revenir(自)再び来る・もどる・帰る、の命令法現在の単数2人称
radieuse radieux(形)光を放つ・日の輝く・喜びに輝く・晴れやかな・(文)輝くような、の女性形
mystérieuse mystérieux(形)神秘的な・不思議な・謎の

[拙訳]
夢のあとに

君の姿が魅了する眠りの中で
私は幸せを、燃えるような幻影の夢を見ていた。
君の瞳はさらに優しく、君の声は清純でよく響いていた、
君は曙に照らされた空のように輝いていた;

君は私を呼びそして私は地上を離れた
君と一緒に光の方へ消え去ろうとして。
大空は私たちのためにその雲の間をわずかに開いてくれていた、
そこでは未知の光の輝き、神のような微かな光が垣間見られたのだった。

ああ! ああ! 夢からの悲しい目覚め、
おお 夜よ、私はお前に呼びかける、私にお前の虚構の世界を返してほしい、
戻って来て、戻って来て 輝く人よ、
戻って来て おお 神秘的な夜よ!

「人間と音楽」メニューヒン

2017-11-06 22:44:09 | 音楽一般
ずっと以前、TVで「海外ドキュメンタリー メニューヒンが語る 人間と音楽(THE MUSIC OF MAN)」という45分の8回シリーズの番組があった。何年前だろうか。ビデオに録り、いつか見ようと思っていた。これもずいぶん前になるが、それをDVDに収め、ビデオは処分した。このようにDVDにしたものは音楽以外の趣味も含め何枚になったか。50枚セットの生のDVDを7つ8つ買ったか。どこに何があるかわからず、先日をそれをDVDを入れるケースを買い整理した。ある程度整理したところで、少しずつ見始めた。連続物でまず見たのがこれだった。
見ながら、メモを取ってまた後で、その場面を見る時に参考にできるようにした。その一部を書き、内容を述べてみたい。

第1回 音の息吹き
アフリカ・シベリア・エスキモー、など ペルセポリス 「ギルガメシュ叙事詩」 「アポロ讃歌」 アポロの神殿 「セラ」の踊り 「セルボス」の踊り 

第2回 花開くハーモニー
チベット インド トレド 〈単旋律聖歌〉 〈モサラベ聖歌〉 ソールズベリー大聖堂 「グレゴリオ聖歌」 「主の栄光により」 カンタベリー大聖堂 「王座の前に」 「サンティアゴ聖歌」 サンティアゴの大聖堂 ペロタン 「聖マグナス讃歌」 「夏は来たりぬ」 1348年 ペスト ギョーム・ド・マショー 「私はあまりにうますぎる」 アルハンブラ宮殿 1492.1.2 グラナダ陥落 カール五世の宮殿 デュファイ作曲「栄光の使徒」 〈ネウマ〉 パヴァーヌ ガイヤルド 1517年 ルター 宗教改革 「神はわがやぐら」 マドリガル カベソン作曲のティエント サン・ピエトロ大聖堂 パレストリーナ作曲「悲しみの聖母」 ベネチア サン・マルコ大聖堂 ガブリエリ作曲「集会では」 

第3回 新しい声 新しい音
ジェズアルド マントバ ゴンサガ家 モンテヴェルディ 1607.2 歌劇「オルフェオ」 愛と戦いのマドリガル 1613 サン・マルコ大聖堂 サン・カシアーノ劇場 コレルリ「バイオリン・ソナタ 第1番」 ルイ14世 ベルサイユ宮殿 リュリ作曲「愛の勝利」アマティ ストラディバリ バッハ作曲「シャコンヌ」 グァルネリ パーセル作曲「ファンタジア 第6番」「ディドーのラメント」 ヘンデル作曲「救世主」「王宮の花火の音楽」 

第4回 作曲家の時代
ベネチア ヴィヴァルディ作曲「四季」~「春」 バッハ作曲「幻想曲とフーガ」「ブランデンブルク協奏曲 第3番」「平均律クラヴィーア曲集 第2巻 ホ短調」「神よ あわれみたまえ」 モーツァルト作曲「クラリネット協奏曲」「ディヴェルティメント 第3番」K.138 「交響曲第35番 ハフナー」 ハイドン作曲「弦楽四重奏曲 第43番」 ナポレオン ベートーベン作曲「交響曲第2番」「交響曲第3番 英雄」 シューベルト作曲「レントラー舞曲」「シルヴィアに」「交響曲第8番 未完成」 ベートーベン作曲「バイオリン協奏曲 ニ長調 第2楽章」

第5回 個性の時代
ベルリオーズ作曲「ベンヴェヌート・チェッリーニ」序曲 パガニーニ「ネル・コル・ピウによる変奏曲」「奇想曲第1番・第24番」 ブラームス 交響曲第2番 第4楽章 ショパン「別れの曲」 リスト「三つの演奏会用練習曲第2番」 フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」 イギリス国歌「ゴッド・セイブ・ザ・クイーン」 ヴェルディ作曲 歌劇「ナブッコ」 ワーグナー「マイスタージンガー」 バイロイト祝祭劇場 「トリスタンとイゾルデ」 「神々の黄昏」 ブルックナー 「前奏曲とフーガ ハ短調」 フランク「バイオリン・ソナタ」 チャイコフスキー「白鳥の湖」 シュトラウスⅡ「皇帝円舞曲」 フラメンコ 

第6回 さまざまな道へ
カドリール ブルース フォスター「草競馬」「金髪のジーニー」 スーザ「ワシントン・ポスト」 ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」 R.シュトラウス「ツァラトゥストラはかく語りき」 マーラー「甲曲曲第4番 第3楽章」 ジョプリン(父は、元奴隷)「メープルリーフ・ラグ」 カルーソー メルバ「宝石の歌」 アイヴズ ウェーベルン ストラヴィンスキー「春の祭典」 

第7回 未知の世界へ
カーン「Pick Yourself Up」 クライスラー「愛の悲しみ」 ラヴェル「バイオリン・ソナタ~ブルース」 エネスコ「バイオリン・ソナタ 第3番」 アームストロング「タイガー・ラグ」 ガーシュウィン「アイ・ガット・リズム」「ストライク・アップ・ザ・バンド」 シェーンベルク「五つの管弦楽曲」~「色彩」「ピアノ組曲」作品25 ヴァレーズ「積分」 ワイル ストコフスキー 映画「カーネギー・ホール」から トスカニーニ コープランド「交響曲 第3番」 ベルク「バイオリン協奏曲」 

第8回(最終回) 音とは何か
バルトーク「無伴奏バイオリン・ソナタ」 バッハ「マタイ受難曲」 オスカー・ピーターソン ビング・クロスビー フランク・シナトラ ロジャーズ プレスリー BEATLES ジョーン・バエズ ディラン作曲「風に吹かれてBLOWING IN THE WIND」 キング「WE SHALL OVERCOME」 フォーレ「ピアノ四重奏曲 第1番」 ロストロポービチ ソルジェニーツィン ケージ ライヒ ブリテン「ベニスに死す」 グールド バッハ「イギリス組曲 第1番」 スクリャービン「前奏曲 作品57」 バルトーク「無伴奏バイオリン・ソナタ」~「メロディア」 

期待した内容でもあるし、そうでない感じもしたが、このテーマの一つの見方を学んだように思う。

私は、ベートーベン、ブルックナー、シューベルトの順で好きと言ったように、18から19、それに20世紀前半あたりの音楽に強く引かれるが、それらが登場する以前の人類の歴史と共に歩んできた音楽遺産も知りたいものと思っていた。それで手当たり次第に音楽史に出る作品を聴いてみたいと当時レコードを購入した。
音楽史の、やはり最初にまとまって登場するのは上にもあるグレゴリオ聖歌だろう。20枚組のレコードが出た時、矢も楯もたまらず購入したのがこれです。



ずっと後にCD化され発売されたように思う。レコード20枚、それに分厚い解説書。重かった。(7・8キロあるか)聞いたのは1回だけ。再度聴いてみたい。
この解説書は、とても勉強になるし、古典ラテン語から離れたキリスト教時代のラテン語を学ぶのに大いに役立ちそう。これから勉強したいと思っているところです。

ミサ(7)

2017-06-11 21:47:50 | 音楽一般
Agnus Dei(神の子羊)
 
Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
アーグヌス デイー、クィー トッリス ペッカータ ムンディー:

miserere nobis.
ミセレーレ ノービース

Agnus Dei, qui tollis peccata mundi:
アーグヌス デイー、クウィー トッリス ペッカータ ムンディー:

dona nobis pacem.
ドーナーノービースパーケム。
   
Agnus agnus(2)仔羊、の主格。多くは「子羊よ」、と呼格のように訳している。「こ」羊は、「子、小、仔」などが使われているが、どれが正解?すべて?
Deiは、deus(2)神、の属格。
donaは、(1)贈る、の命令法現在単数2人称。
nobisは、人称代名詞nos(我々は)の与格。
pacem歯、pax(3女)平和、の単数対格。

(筆者訳) 
世界の罪を除きたもうところの神の子羊よ、
私たちを憐れんで下さい。

世界の罪を除きたもうところの神の子羊よ、
私たちに平和を与えて下さい。

ラテン語の読み方は、時代により変わってきている。これまで読みをカタカナで振ってきたが、前にも述べたように古典期の読みを付けた。普通ラテン語を勉強する時、古典期を中心とした読み物を学習の目的とすることが多いからだ。語彙においても、そのため辞書にない語がここには多く出てきたが、それと共に、読みも教会音楽に関する歌詞を読む時にはそれにふさわしい読みを取るべきというふうに考えるのが普通だろうが、あえて古典期の読みにこだわった。
agnusは、合唱においては、アーニュスと読むようだ。他にも、合唱ではドイツ式で読むかイタリア式で読むかでずいぶんと違うようだ。