けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

マナスルBC到着しました!

2008-09-16 03:16:16 | マナスル08
けんけんです!
複数のバッテリーに残っていた微妙な残量の電気を
数時間かけてひとつのバッテリーに集めて、
なんとかPCを起動することができました!
でも数分しか持たないと思います。

さて、AGマナスル登山隊08のスタッフ&メンバー全員が
午前10時50分、BCに無事に到着しました~!
GARMINのGPS「etrex-LEGEND/CX」によると標高は4873m。
チョーオユーのBCに比べれば少し息が楽かな。

BCには、各国の登山隊が既に集結していて、
ラッセル・ブライス隊、ジャッグド・グローブ隊、アミカル隊など
の大手外国隊もチベット問題を理由に中国のチョー・オユーから
マナスルにスイッチして来ています。僕らAG隊も同じです。
小さい個人グループも含めて今年は25隊がトライするみたい。
残念ながら、AAI隊はバルンツェに行ったそうです。

中間キャンプを出発してから、しばらく天気が良かったのに、
BC到着手前から雪まじりの雨が降りはじめ、到着時は完全に雪。
テントの設営には一苦労。ラマカレンダーでは明日の縁起が悪く、
この雪の中で強行にBCでのプジャを決行~!寒かった~!
ラマさん、このためにサマから一緒に登ってきてくれて感謝です。

各隊員が個人テントに入れたのが15時頃でした。
雨と雪が降ったり止んだり。まったく太陽は出ないし、
時折氷河のセラックが崩壊する轟音が聞こえ不気味な感じ。
でも隊員たちは元気ですよ!例によって笑い声の絶えないダイニングで
夕食には、卵スープ、肉じゃが、キムチ、
そして、ピーマンと肉の炒め物などで、がっちりとご飯を食べました。

明日は休養日です。ゆっくりと荷物の整理をしたいと思いますが、
PC接続のためにもなんとか晴れてほしいと思います。
お日様出て来い~!
写真は中間キャンプからBCへの途中から見えるサマの谷です。

マナスルがガツンと見えました!

2008-09-14 23:01:37 | マナスル08
ナマステ~!
けんけん@中間キャンプ4182mです。
サマにいる間は、日記が書けずにすみませんでした。

昨夜は大雨(山は雪)が降り、本日の移動はどうなることかと思いましたが、
なんとか雨足も弱まり、2トンの荷物を運ぶポーター達とも交渉が済み、
予定通りに上部へ移動することができました。

隊員達は、朝6時にけんけんのSPO2チェックで起床。
7時の朝食までに、BCダイレクトと中間キャンプの2つに
荷物をせっせとまとめてテントは撤収。
みんな8時頃には出発できる準備を整えてましたが、
その頃からポーターたち(といっても村人たち)が集りはじめ
荷上げ重量と賃金をめぐってずいぶんと交渉が続き、
約2時間もワイワイとやっていました。

やっと10時過ぎにサマのゴンパ(お寺)に移動して再度プジャ。
プジャのお祈りは何回やってもいいことなので繰り返しやります。
この後にBCでもやることになるでしょう。

その後、アブレーションバレーを辿り川沿いに歩き、
緑が茂った斜面をゆっくりと登って中間キャンプに到着~!
途中、コックのマイラ・ライが作ってくれたオニギリでランチ。

ここに着いたときには、ガスっていて何も見えなかったのですが、
夕刻の気温の変化と共に、雲が消えなんとマナスルが見えましたぁ!!
「おおお!」隊員たちは歓声をあげました。

エベレストでもチョー・オユーでもないんだな!と改めて実感。
逆光の白い雪を被った優麗なその姿に鳥肌が立ちました。
眼下には、サマの村が見え、遠くにはガネッシュ方面の山々が。
素晴らしい眺望のキャンプ地です。

明日はいよいよBC入り。わくわくします。
太陽が出ないとソーラー発電ができないので、
電力との戦いですが、またレポート頑張ります!

PS:コメントに返事する電力的余裕が無いのでここで…
   >みちよちゃん
   コモリンコなのにわざわざコメント返事ありがとう。
   しばらくは勉強専念だろうけど登頂の時期はまだ先だからね。

4,300m峰に登頂!

2008-09-13 23:50:00 | マナスル08
竜石@まだサマにいます。
今日は雨の中、サマのすぐ裏にある4,300m峰に全員登頂してきました。
朝、出発するときは一旦止んでいたんだけど、
4000mぐらいからまた雨降り出して、山頂付近では本降りでした。
天気は悪いけどみんなは快調で、標高差800mを3時間半で登っちゃいました。
みなさんお疲れ様でした。

これでベースキャンプに入る、高度順応が完了です。

明日、中間キャンプの4,000m付近で泊まり、
明後日待望のベースキャンプに入る予定です。
ベースキャンプは5,000m。サマからの標高差が1,500mもあります。

ベースキャンプまでの登りを、いかに体力を温存して登りきるかが、
登頂への第1歩です。
ゆっくりゆっくりとマイペースよりも遅く歩けるように、ガンバリます。

と、ここまで打ったところで、夕飯に行ってきました。
皆さん明日からのBC入りに向けて、少し興奮気味でした。
話は登頂後の取材を誰が受けるかまで発展し、
盛り上がって夜の9時半を過ぎてしまいました。

けんけん隊長もソーラー電気関係に目処がたったようです。
明日からきっと自分でレポート書いてくれるんじゃないかな。

よ~し、みんな登頂できるようにがんばるぞ~。

マナスルオールスターズ!

2008-09-12 20:11:09 | マナスル08
竜石@マナスルの麓、サマ(3,500m)です。

けんけん隊長は昨日からのパソコンが調子が悪い上、
ソーラー電源の確保に悪戦苦闘しているので、
代わりにけんけんブログに初登場です。

昨日は、小雨降る中、雲の間を縫って、
午後1時ごろにサマに無事着陸しました。

ポカラで、前日にバスでポカラ入りしたネパール人スタッフと荷物と合流し、
ロシア製MI-8大型ヘリコプターで2回に分けてサマへ飛びました。
日本人8人とネパール人スタッフ11人と荷物約2,000kgでした。

夕方にはちょっとだけ天気が回復して、
待望のマナスル頂上とアイスフォールが望めました。

写真MI-8の格納庫の前でマナスル・オールスターズです。
先ほど、皆さんにインタビューしました。
マナスル登山隊のニックネームも決まりましたので一緒にご紹介いたします。

左からご本人のコメントつきで…

神奈川県の鈴木さん“湘南爺”
「参加しないでくよくよするよりも、参加してくよくよせぇ!!
 心はアイスフォールを突破して、思いは頂上へ。」

兵庫県の楠木さん“モコパパ”
「10月3日マナスル頂上にて65歳の誕生日パーティーを開催します。
 みなさんお越しください。」

愛知県の磯田さん“ヒロちゃん”
「最初のネパール放浪から38年、放浪の果てはマナスル頂上か。」

福井県の田路さん“とーちゃん”
「モコパパの誕生日パーティーにバランドレのスーツを着て参加します。」

徳島県の割石さん“ワリソー”
「頂上見上げ 絶望感に打ちひしがれも・・・
 ヒマラヤの神よ 勇気と夢と体力を!」

兵庫県の高木さん“タモッちゃん”
「気が付けばサマ。強者どもについて登り、サマでのビールを夢見てる。」

そしてけんけん隊長です。

マナスルの鋭い頂上とアイスフォールを目の前に、
ちょっと弱気なコメントも見られます。

私もけんけん隊長と共に、皆様の夢を実現させるために、
誠心誠意がんばります。
みなさんも応援よろしくお願いします。

国内線空港です。

2008-09-11 11:16:16 | マナスル08
けんけん@国内線待合ロビーのサイバーカフェです。

本日は、ポカラまでチャーター便で移動して、
そこからヘリに乗り換えてBC(ベースキャンプ)の手前の
サマという村まで飛ぶ予定ですが…。

これまた、予定通りの遅延で、出発時刻を30分過ぎても、
まったく呼び出しも説明もありません。(笑)
早朝の出発だったので朝食がレストランでとれず、
みんなお弁当を食べてますが…みんな同時に「たまご」なんて…
気があっている!

フライト飛んでくれ~!!!

カトマンズ2日目。

2008-09-11 02:06:02 | マナスル08
ナマステ~!
ネパールはモンスーンという雨季の終わりですが、
まだまだ大きな灰色の雲が青い空の半分以上を隠しています。
そのモンスーンの雨の影響を受け、マナスルへ向かう道路が
数日前に土砂崩れで通行止めになっちゃいました~!

そこでヘリコプターでベース手前のサマという村まで入る予定だったんですが、
急遽、ヘリコプター会社の都合でカトマンズからではなくネパール第2の都市
ポカラからフライトしてくれとの事!そんな~、ポカラまでは飛行機かよ~。

日本から運び込んだものもプラスして、登山隊の荷物の総重量は約2トン!
これはさすがに移動する飛行機には載せられないので、
焦って昨夜までに隊の荷物をチェックして、全部まとめてトラックに載せて、
今朝6時に各隊員の個人装備をプラスしてトラックは先にポカラへ出発。ふ~っ!

2度寝して、ベッドで横になってると電話が!
9時から“恒例の儀式”イギリスの山岳ジャーナリスト、
エリザベス・ホーリーさんの取材でした!あわててロビーに!
30分で済ましてもらって、9時半から全隊員でプジャをするために、
ボードナート方面に出発!プジャはチベット仏教のお祈りの儀式で、
これをしないと、ネパール人スタッフは山で行動してくれません。
しっかし、今回の坊さんは怪しかったな~。相当な高僧らしいけど…。
  
昼前にお祈りが終わり、オフィスに戻ってきて全員でランチ!
ネパールのスタッフでもあるデビィさんの店でモモとダルバートとカリー!
朝ごはん食べてなかったから美味しかった~!もちろん泡の出る液体も。

そして午後から隊員は自由行動となり、彼らはタメルへ遊びに行き、
僕は竜石と作業した倉庫を片付けて、不要なAGの装備を点検&整理して収納。
おおぉ、なんとか一日で終わったけど、一人じゃできなかったな。竜石お疲れ!
  
夕飯は、チベット鍋のギャコックを食べて、隊員と竜石はホテルへ帰りました。
僕はホテルのNET環境が悪いのでタメルのI/Nカフェでブログ更新中ですが、
政府のお達しでカトマンズの各店は23時で強制閉店あと5分かよ~。
明日、予定通りフライトが飛ぶことを祈って帰ります!では!

カトマンズに着きました!

2008-09-10 22:10:29 | マナスル08
トリブバン空港に着いてから、すぐに現地手配会社のオフィスへ行き、
エクスペディション用のパーミッション取得のためパスポートを渡して書類作成、
さらに日程の変更(う~ん…これが…)や荷物のことなどをに話し合いました。
そして隊荷の梱包の段取りとルピー両替等をしてからやっとホテルに移動。
  
隊員の皆さんは、ここで解散して自由行動とし、
個人装備のチェックなどをしてもらいました。

この間に私はパサン・キダーの自宅の倉庫に出向き、
AGの装備を現地手配会社の作業場(倉庫)に運んでから、
観光局でパーミットを取得してリエゾンオフィサーとブリーフィング!
ちょっと面倒だったけど、無事に許可申請は終了~!
  
急いでオフィスに戻って、竜石と合流して暗くなるまで装備のチェック&梱包!
目まぐるしい半日でしたが、竜石と隊員の皆さんのおかげで一日が終わりました。
夕飯は、近所のインド料理屋でタンドリーチキンと各種カリーを食べました!

さーて、いよいよ出発です!

2008-09-09 00:33:37 | マナスル08
関空に移動してきました。
今回は珍しく東日本方面からの参加隊員が1名で、
便宜上、関空出発にしました。

荷物は、およそ300キロでしたが、タイ国際航空さんのサポートで
無事にチェックインが終了しました。TG最高~!

今回の隊員紹介はまた後日しますが、
私のほかにサブガイドとして竜石が合流、そして
6名のナイスなカレーオヤジたちが隊員として頑張ります!
皆さん、応援して下さいね!
では、アディオス!

中学校でお話をしてきました。

2008-09-07 06:19:53 | イベント
井の頭公園近くのミッション系女学院の土曜集会にお招きされて、
中学生全学年にスライドとムービーを交えてお話をしてきました。
Photo:素敵な講堂でスライドを説明しました。緊張してる~!
松任谷由美さんの母校でもあるこの学園は、幼稚園から大学までそろい、
歴史あるキャンパスと校舎、パイプオルガンが響くチャペルが素敵でした。
そして何よりも、制服が無く私服を自由に着ているのに、
統一感があり清楚で真面目そうで、キラキラな瞳の生徒たちに感動。
みんなノートにメモをしながら真剣に聞いてくれました。

テーマは…
「いのちを守る~1本のロープ~」というタイトル!

命の大切さや貴さを考える集会が最近のテーマだそうで、
僕も厳粛な気持ちで望むようにしたけど、ちょっと重い話をしちゃったかも。
始めにチョモのムービー …で、お話し。
上手に話せなかったのに、僕のこれからの登山も含めてお祈りもしてくれて。
ちょっと勇気が出てきたな。みんな本当にありがとう!
ネパール・マナスル登山、頑張ってくるよ。  ~アーメン~

ステファン、安らかに。

2008-09-04 23:59:59 | ヨーロッパアルプス
しばらくブログ更新できず、ご心配をおかけいたしました。

ステファンを含めた8名の捜索は3日間で打ち切られたそうです。
翌日から開催されたツールドモンブランのアドベンチャーレースの活気が
暗いニュースを吹き飛ばすようにシャモニの街から雪崩事故を消去したようです。
   
デブリの深さは20m~50mとも言われていて、人力での捜索では限界があり、
ましてやアイスフォール帯では重機を使った捜索もできません。
レコ(RECCO)などの最新のレスキュー用具で埋没者の場所と深さは
概ねわかっているそうで、12mくらいの深さに眠っているとのこと。
みんなロープで繋がっているんだろうな。だから全員一緒だね。

当日も、その翌日も、またその翌日も、
めったにコールしないステファンのオンボロ携帯は鳴り続けていたらしく、
シャモニの現地スタッフのタカヨは、何度も電話をしたそうです。
彼女は、タキュルの氷河の見える場所に“お稲荷さん”と“お花”を
供えてお祈りしてきてくれました。
   
ステファン、来年また会いに行くからね。
地球が終わるまで溶けない雪の下から、登山者を見守ってください。
きっと最後の最後まで諦めずに、クライアントをいたわり、声を上げてたろうね。
命のはかなさと、ガイドの宿命を改めて考えさせられたよ。

でもね…

いつまでも悲しみに縛られているわけにもいかない。
次のミッションがあるからね!夢を持ったゲストの皆さんが待っています。

月曜日からネパールへ向けて出発します。
「AGマナスル登山隊2008」・・・・・・・始動します!