けんけんブログ -guide diary-

国際山岳ガイド近藤謙司の冒険案内記!
“ハイキングからチョモランマまで”

映画『アイガー北壁』を観てきました。

2010-01-27 09:54:34 | お知らせ
壮絶。過酷。悲しい…。

重みのある実話だけど、重みがあり過ぎて、
とても受け止めきれない。

映画は主人公のクライマー達を無理矢理に“ヒーロー化”することなく、
現実の歴史のまま素直に展開していく。

時代背景、恐怖と栄光に揺れる若さ、内に秘めた心の葛藤、渦巻く人間模様、
そしてアルピニズムという哲学の原点、などなど…。

「楽しめる」映画という感じではなく、
僕にとっては「考えさせられる」作品という感じ。

終始、ハラハラ・ドキドキ・ソワソワし、全く落ち着いて観ていられない。
完全に映画の中に入り込んでヤラレてしまった。

映画を見終わったときには、グッタリとしてしまい、
客席からすぐに立ち上がる事が出来なかった。



映像では、「美しいアルプスの景色」「知っている山・小屋・乗物」などが
次々に現れて、「オッ!?」っと思うところも沢山あるけれど、
クライミングのシーンは、リアル過ぎて、SFXやセットを全く感じさせない。
凍傷や滑落も冷たさや痛さが十分に伝わった。

バックに映っている景色を見る限り、かなり本当に、現場での撮影もしていると思う。
「あぁ~、あそこで撮ったな?」とか想像できる。

当時のロープの質感や道具の使い方もリアルで、かなり興味深く、
ハーケンを手作りしたり、振り子トラバースをしたり、雪崩に落石が混在してたり、

ゼドゥルマイヤー達の遺体が見つかった時のリアクションも
そこで全員が祈りを捧げ敬意を表すシーンも共感できた。

でも一般の観客には、全くわからないところだろうなぁ。

さらに非常に細かい描写だけど、北壁をリードしているトニークルツが、
バンドにあった足元の浮石が下に落ちないように足でズラすシーンがあり、
僕はソコにはまった!

「誰にも気づかれない」作業だけど、
トニーの人間性や普段の山への姿勢、登山家としての正義、
または、アンディに対する優しさを感じる動きだよね。

ガイドだったらこの“あたりまえ”の地味な動きに反応するはず。
「23歳で北壁」というところも僕にとってはツボかな。


まぁ、とにかく、

「え~!ありえない…」といったような
近年公開されてきた冒険活劇山岳映画とは違います。

皆さんは、このリアルな実話をどう感じるでしょうか。
是非、劇場の大スクリーンでみて下さいね。(鑑賞ツアーする?)

3月より全国各地で公開です。 → 『アイガー北壁』

東映本社にこんなポスターが!気になる~!

<参加者募集中!>
さて、以下の講習会&BCツアー、参加者急募です!是非ご検討ください~!
ワンコイン実践講座 箱根・駒ケ岳(地図とコンパス) 1/31(日)
 
オッシュマンズ&AG キューピットバレイキャンプ 2/5~6 2日間 
北海道・富良野大雪山BCキャンプ  2/12~14 3日間

BCステプアップ講座山中編 かぐら(セルフレスキューⅠ) 2/20
BCステプアップ講座山中編 かぐら(ナビゲーション)  2/21

東北シークレット エキスパートBCキャンプ  2/27~28 2日間

BCステプアップ講座山中編 かぐら(雪崩のリスク) 2/27
BCステプアップ講座山中編 かぐら(セルフレスキューⅡ) 2/28

八甲田・スペシャルBCキャンプ 3/5~7 3日間 
竹内正則 妙高ビックスロープキャンプ 3/13~14 2日間
北海道・利尻スペシャルBCキャンプ 4/16~19 4日間

かぐら・八海山プライベート!

2010-01-25 10:21:56 | バックカントリー
一年に何回あるかねぇ。
プライベートで山に行くって。

しかも週末。

雪もお天気も山も仲間も…
最高のコンディションでした。

しかし、筋肉痛だ。
テレマークやってる人、変態だね。

変態だって事が良くわかりました。


<参加者募集中!>
さて、以下の講習会&BCツアー、参加者急募です!是非ご検討ください~!
ワンコイン実践講座 箱根・駒ケ岳(地図とコンパス) 1/31(日)
 
オッシュマンズ&AG キューピットバレイキャンプ 2/5~6 2日間 
北海道・富良野大雪山BCキャンプ  2/12~14 3日間

東北シークレット エキスパートBCキャンプ  2/27~28 2日間

八甲田・スペシャルBCキャンプ 3/5~7 3日間 
竹内正則 妙高ビックスロープキャンプ 3/13~14 2日間
北海道・利尻スペシャルBCキャンプ 4/16~19 4日間 

トラッカー2

2010-01-19 18:56:57 | お知らせ
やっと出ました~~~トラッカー2!!!
もう首が長くなるほど待ちましたが…。

町中で使わせてもらった感想を一言(三言?)で述べると…

「早い! 美味い! 安い!」
じゃなくて、
(吉野家か!)

「速い! 簡単! 見やすい!」

この手の新種は、多機能複雑でしたが、
「単純」である事というのも大切な機能の一つかもね~。

残念ながら、日本には100台の在庫しかないらしいので、
急いで山道具屋さんに駆け込もう~!

大きさは、やはり一回り大きいね。


<大蔵タワシ髭スピーカーシリーズ> 
大蔵喜福がパタゴニア関内ストアのスピーカーシリーズで明日講演!
お暇な人は、是非足をお運びください!
詳細

<参加者募集中!>
さて、以下の講習会&BCツアー、参加者急募です!是非ご検討ください~!
ワンコイン実践講座 箱根・駒ケ岳(地図とコンパス) 1/31(日) 
北海道・ニセコ&羊蹄山BCキャンプ 1/29~31 3日間 
オッシュマンズ&AG キューピットバレイキャンプ 2/5~6 2日間 
北海道・富良野大雪山BCキャンプ  2/12~14 3日間
BCステプアップ講座山中編 かぐら(セルフレスキューⅠ) 2/20
BCステプアップ講座山中編 かぐら(ナビゲーション)  2/21
東北シークレット エキスパートBCキャンプ  2/27~28 2日間


そういえば、初詣に東京大神宮に行って安全旅行のご祈祷してきました。
シズはスイス中だけど…岳人で新年のご挨拶!モデルになりきってる!


BC集中講座in白馬・栂池 終了~!

2010-01-13 03:53:59 | バックカントリー
みっちり、みっちりのお勉強モード3日間の集中講座。

スキージャーナル社のDVD付の本
「バックカントリーセルフレスキュー」の内容を中心にした
実践トレーニングを雪山でおこないました。

関東、中京、関西の面々が集まり、
昨年暮れに開催された町中編の確認と応用をしました。

パウダーの山々を目の前にしながらも、滑りたい気持ちをグッと抑え、
雪山に潜むリスクを考え、レスキューの難しさを改めて認識した3日間でした。

もちろん、多少のBCルートを移動することにもなるので、
お楽しみ滑降もありましたが、天候も、雪の条件も厳しかったため、
雪山の奥深さと重みを感じられたのではないかと思います。

20名という人数で押しかけたにもかかわらず、
快く受け入れてくださった「樅の木ホテル」さんに今年も感謝です。

各講習場所への送迎や机上講座のラウンジも提供してくださったうえ、
食事でのドリンクサービスや最終日の部屋のデイユース、温泉入浴などなど…
樅の木ホテルのスタッフの皆さん、丸山社長、本当にありがとうございました。

出発点でナビゲーション&注意事項の解説をして各チームごとに出発!

それぞれに与えられた課題をこなしながら進んでいきます。かなり深い雪でした!

柔らかな太陽の光を浴びながら滑降となり、ラインやフラッグツリーの解説を。

各チームごとにシュートのラインを選び合流。深いパウダーでした。

最終日は、搬出・ロープワーク・懸垂下降・引き上げ・ピッケル&アイゼンワーク、
シャベリングに埋没体験、ビーコンサーチシュミレーションなどなど徹底的にレスキュー!


講習生からの戦利品。知らなかったなぁポールソーセージ&新潟チップス!

白馬濃習会一日目終了~!

2010-01-09 16:35:02 | バックカントリー
濃い~一日でした。

八方には、とにかく凄い風が吹いていましたが、
視界もあり、ルートファインディング的には良好だったので、
移動しながら地形のお勉強を!…といった感じでしたが、

あれやこれやと考えていた事は、ほとんど消化できず、
クラスコントロールしながら安全に下山するのにいっぱいいっぱいで、
それどころじゃなかった。…って感じでしたか。(苦笑)

受講生は、いきなり戦場に出されて、最前線に行かされた気分だったろうな。

少しは、気象や地形の勉強、登高技術・耐風姿勢、そしてルートファインディングや
滑降フォーメーションの勉強になったでしょうか?

強烈な風でした。その中で笑顔のツワモノも!解説しても声が届かない~!

深さ約30センチ幅約100mくらいのスラブも落ちましたが、傾斜と方角を考えて滑走。

改めて地形を観察し、二股方面へ下山です。夜は翌日のための同定表を作図!


ケニア山ネリオン峰フォトⅡ!(クライミング編)

2010-01-09 13:33:55 | ケニア山
登りがいのある凄い岩壁でしたね~。

ネリオン登頂後、「霧のゲート」へ懸垂下降してバチアンへ向かったけど、
アフリカ人ガイドがラッペリング中に痛恨のミス。足を捻挫しちゃいました。

彼を無事に下山させる事が第一という意見が一致し、残念ですがバチアンは諦めました。
かなり痛そうでしたが、テーピングで固定してアイゼンつけさせて、
かなり急なスラブと雪のクーロアールを1時間以上かけてネリオンに登り返しました。

帰りのラッペリング中にミゾレが降ってきたときは寒かった。
60mダブルでのカウンターラッペリングが5回!順番待ちの時間もあったしね。

かなり長い空中懸垂もあったし、ラッペリングオンリーの下山でしたね。
それにしても手が冷たかったぁ~。

多少のガリーはあるものの、ネリオンの倒れてきそうな前衛壁に感動。

壊れたベイリービバーク。ここで中間点くらい。圧倒的な高度感の中でトラバース!

上部岩壁もほとんど直上!雪も出てくる。ネリオン山頂にはしっかりしたアルミ小屋が。

氷雨にやられてロープも手袋もビチョビチョ。晴れたり降ったりの繰り返し。懸垂も繰り返し!

お陰で最後に綺麗な虹が。ぬかるんで車が来ない為、全て歩いて下山。疲れたねぇ~。
赤道の貿易風になびくタカ。

ケニア山ネリオン峰フォト!(アプローチ編)

2010-01-08 23:49:05 | ケニア山
皆さん頑張りましたね~。
ホテルを出発するAGチームの面々。右端が今回のアシガイドのタカ。ヒロの旦那様!

なかなか登り甲斐のあるビックルートで、
Ⅳ級~Ⅳ+の連続で、少し傾斜が緩くなるところは浮石がたまっているし!

ピンは、まばらで、かなり昔の鉄のハーケンやチャンネル、木のクサビ!
なので、キャメロットやナッツを多用する登攀ってかんじでしたね。

下降点にはスチュバイのアンカーや縦リスのハーケンが一本だけ!とかなので、
ナチュラルプロテクション(自然の岩を利用する)も組み合わせながらでした。

ほとんど壁の連続で、ノーザイルで移動できるところなんて山頂だけ。
なかなか緊張しっぱなしのルートでしたね。

しかも、5000mを越える息切れする標高で、雪も降るし、氷河もあるし、
久しぶりに冒険的な面白い登攀をしましたね~。

現地ガイドのアクシデントもあって、バチアン峰は次回に持ち越されましたが、
この季節でも山頂まで到達できる可能性が大いにあることを確信しました。

ベンツの四駆でナロモルのホテルからメットステーションへ。道はドロドロ、服はビショビショ。

翌日は湿地帯を抜けてハイラックスの待つ4200mのマッキンターズキャンプへ移動。

更に翌日、5700mのオーストリアン小屋に移動し、レナナピークに順応登山。

そしていよいよアタック開始。ヘッドランプを頼りにルイス氷河を渡り、取り付きポイントへ。



日本に帰りました。

2010-01-06 02:15:47 | ケニア山
長い空の旅を堪能して日本に帰ってきましたが、

今回は、私の海外登山史上でも稀な、

『登山開始後7日間風呂に入らず帰国~!』

という記録を打ち立ててしまい、

臭いお正月となってしまいました。
(僕の部屋のシャワーがお湯が出なくて…トホホ。)
メインフォトは、マッキンターズキャンプを後にする9人の戦士達です。


人間のルーツともいわれるアフリカでのスタートは、
原点に返れ!といわれているようでしたが…、

そうか、臭くなれと言う事か…

風呂なんか入らなくてもいんだぞっていう…。

原点の香りってこんなだったかな…。

ブログから皆さんに臭いが出せればなぁ~。へへへ。


本年も宜しくお願いします!

ナイロビに向かってます!

2010-01-01 17:34:28 | ケニア山
いろいろとアフリカ的なトラブルも数々ありましたが
無事に全員が新年を迎えることができました!

昨夜はロッジでニューイヤーパーティーだったのですが、
みんなパタンキューでカウントダウンどころではなかったようです。

だいだい僕が早々にダウンしてしまいましたので…

さて、本日はナンユキの赤道まで行き、
南半球と北半球のコリオリの力による水の渦の違いを検証してきました。(笑)

お土産もたくさん買わされちゃいましたが。

ただいまサバンナの中をナイロビに向かって走ってます。

きょうはいい天気です!
青い空、白い雲、緑の大地が印象的です。

皆さん、あけましておめでとうございます!

2010年もたくさんの応援をいただけますよう頑張ります。

本年も宜しくお願いします!