担当授業のこととか,なんかそういった話題。

主に自分の身の回りのことと担当講義に関する話題。時々,寒いギャグ。

手作り感。

2015-01-14 23:58:57 | 雑感
最近のマイブーム(死語か?)はオートマトンの理論だったが,なぜ夢中になれたのか,理由を考えてみた。

ポイントは「ものづくり」であろうか。

オートマトンというのがどういうものかイメージをつかむには,具体的な問題を考えてみるのが手っ取り早い。例題を参考に試行錯誤してみると,自分なりの作品が仕上がる。そういったオートマトンというおもちゃを作っていじる楽しさがオートマトンの理論の大きな魅力であろう。

翻って自分が担当している微分積分の授業と比較してみると,そちらには自分であれこれ試行錯誤できるような要素がほとんどない。強いて言えばεδ論法を駆使して数列の極限や関数の極限に関する様々な結果を厳密に証明するといったものが挙げられるだろうが,オートマトンに比べて論理展開を習得するのはかなり困難である。

オートマトンと似た分野としてプログラミングがある。そちらも自分でいろいろなプログラムを作って勝手に楽しむことができる。電気・電子回路の理論も,現在はブレッドボードという便利な装置があるので,少しばかりお金を払っていくつかパーツを揃えるだけで実験して遊ぶことができる。機構工学も紙や木材などの加工が簡単な材料を使って装置を組み立て,自分のアイデアを試すことができる。

このような観点から,理工系の学部で教えられている科目の分類ができるであろう。自分で勝手にいろいろ問題を見つけて楽しむことができるか,それとも理論を教わることが中心で自分でいろいろ試す余地がほとんどない(それがなぜかと言えば,物事のとらえ方などの思想的な側面が強いからであろう)か。手作り感を感じられれば主体的に学習を進められるだろう。自分が主体的に物事を考えていると学習者が感じられるかどうかは教育効果に大きな影響を及ぼすと思われる。

自分が担当している科目でそうした楽しみを味わってもらうには,やはり演習問題で疑似体験してもらう他ないだろうか。

ただし,オートマトンやプログラミングにしたって,そうした作業が好きな人に向いているだけであって,パズルが苦手だとか,どうしても興味をもてない人もきっといるだろう。けれども,ものづくりが本当に好きでないヒトというのはいるものなのだろうか。
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