大学で教え始めて8年になりますが、当初一番最初に驚いたのは「電子辞書」の出現でした。
ちょっと難しい単語を口にすると、学生たちが机の上に置いてある電子辞書の蓋をぱかっとあけて、キーを打ち始めるわけです
恥ずかしながら、私はそれまで「電子辞書」をほとんど使ったことがなく、学生時代から愛用している「コンサイス」「中辞典」(但し、買い替えている)そして「ジーニアス」あたりの紙の辞書を用途に応じて使い分けています。
息子たちは高校に入る時に、電子辞書を入学祝いで贈りましたが、それまでは徹底的に紙の辞書を使わせました。
理由はひとつ――脳を鍛えるためです。
紙の辞書は電子辞書より「面倒臭い」かもしれませんが、その不自由さゆえ、脳が働きます。なんでも便利なのがいいってことはありません。便利すぎると脳が働かなくなって退化するんです。
電子化は便利ですが、ほかにも様々な問題が起きています。
たとえば、私は大学でレポート課題を出しますが、自分が考えたのではなく、おそらくインターネットで調べたものをそのまま写したというものが多々あります。私たち専門家である講師側からすれば、読めば一発でわかります。
これは「盗用」―英語では「プレジャリズム plagiarism」と呼ばれ、アメリカの大学でこれをすると退学という厳しさです。「引用」なら出所を明らかにしなくてはいけません。
酒井邦嘉氏が書いた新刊「脳を創る読書」で、氏はこのように述べています。
「宿題でもレポートでも、自分で苦労して考えるからこそ意味があるのに、今は考える前に調べ、見つからなければ質問サイトに投稿する時代なのだ。答えに出会った時点で、一切考えることをやめてしまう。それは、人間であることを自ら否定しているようなものだ。人間が創ったものによって人間が堕落するのを見るのは、耐えがたい。」(p.184-185)
同様に、子どもの教育面でも電子化の弊害は増えてきています。
ワープロによる簡単な漢字変換機能で、漢字が書けなくなっている
インターネットで膨大な情報にアクセスできる反面、考える前に調べてしまい、調べただけでわかった気になってしまう。結果、自分で考えない。
どうですか? これでは、電子化で脳が進化するわけがありません。
但し、単に「電子化」が悪いわけではなく、使い方が悪いのだと思います。
児童期にはしっかり文字を書く練習をする。英語なら筆記体まで練習する。手がかりとなる情報だけ与え、それをもとに集中して考える時間を持たせる・・・そうした工夫で、「電子化」とうまく共存していきたいものです。

「人間は考える葦である」 by パスカル
ちょっと難しい単語を口にすると、学生たちが机の上に置いてある電子辞書の蓋をぱかっとあけて、キーを打ち始めるわけです

恥ずかしながら、私はそれまで「電子辞書」をほとんど使ったことがなく、学生時代から愛用している「コンサイス」「中辞典」(但し、買い替えている)そして「ジーニアス」あたりの紙の辞書を用途に応じて使い分けています。
息子たちは高校に入る時に、電子辞書を入学祝いで贈りましたが、それまでは徹底的に紙の辞書を使わせました。
理由はひとつ――脳を鍛えるためです。
紙の辞書は電子辞書より「面倒臭い」かもしれませんが、その不自由さゆえ、脳が働きます。なんでも便利なのがいいってことはありません。便利すぎると脳が働かなくなって退化するんです。
電子化は便利ですが、ほかにも様々な問題が起きています。
たとえば、私は大学でレポート課題を出しますが、自分が考えたのではなく、おそらくインターネットで調べたものをそのまま写したというものが多々あります。私たち専門家である講師側からすれば、読めば一発でわかります。
これは「盗用」―英語では「プレジャリズム plagiarism」と呼ばれ、アメリカの大学でこれをすると退学という厳しさです。「引用」なら出所を明らかにしなくてはいけません。
酒井邦嘉氏が書いた新刊「脳を創る読書」で、氏はこのように述べています。
「宿題でもレポートでも、自分で苦労して考えるからこそ意味があるのに、今は考える前に調べ、見つからなければ質問サイトに投稿する時代なのだ。答えに出会った時点で、一切考えることをやめてしまう。それは、人間であることを自ら否定しているようなものだ。人間が創ったものによって人間が堕落するのを見るのは、耐えがたい。」(p.184-185)
同様に、子どもの教育面でも電子化の弊害は増えてきています。


どうですか? これでは、電子化で脳が進化するわけがありません。
但し、単に「電子化」が悪いわけではなく、使い方が悪いのだと思います。
児童期にはしっかり文字を書く練習をする。英語なら筆記体まで練習する。手がかりとなる情報だけ与え、それをもとに集中して考える時間を持たせる・・・そうした工夫で、「電子化」とうまく共存していきたいものです。

