身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

今日の「おたまじゃくし救出」の配布資料

2019年04月13日 16時49分44秒 | 篠原園地
篠原園地の野外プール おたまじゃくし救出2018 活動資料

1.はじめに ‐身近な自然とカエルについて‐

私たちの住む町も、昔は谷戸・里山と呼ばれる環境で、自然と人とが共存していました。このため都市化、宅地化の進んだ今でも、その環境が少しは残っています。ところが、こうした生きものたちが町からいなくなってほしい、生息環境が町からなくなってほしいと私たちが思うことが、さらに自然を壊し、生きものたちを絶滅させていく状況を強めてしまいます。
カエルも、こうした中で生息環境がなくなり、生息数を減らしています。今回はズーラシア繁殖センターの尾形先生に、横浜市のカエルの生息状況について、お話を聞いてきました。
(取材、とりまとめ:松田)


2.横浜市に生息するカエルと生息状況一覧(市内で生息地が多く認められる順)




3.カエルの生息環境について

(1)生きものたちの生息環境と生育環境
 自然の生きものたちは、人間にエサを与えられたり世話をされたりして生きているのではありません。
全て自然環境の中で食べたり寝たり産卵したりして自力で生きています。このようにある生きものが、生きていく条件の整った環境のことを動物の場合は生息環境、植物の場合は生育環境といいます。
 自然の生きものたちのことを考える場合、このことがとても重要です。
 種類別の生息環境は「2.」にまとめましたが、カエル全体としてどのような環境が必要かを次にまとめます。

(2)カエルの生息環境(模式図)




3.おたまじゃくしの飼い方

(1)用意しておくもの
 大きめの飼育容器を用意してください。ガラスで製、プラスチック製、不透明なもの、どれでもかまいません。大きなものでは衣装ケースや同じようなコンテナ、丸型や四角のたらいが一番良いですが、大型の飼育容器や水槽でも良いです。(一般的な飼育容器や水槽だと少し深いです。)
 また、汲み置きした水を常に用意しておいてください。水道の水には塩素が入っていますが、一昼夜の汲み置きによって塩素が空中へ出ていきます。水は、水が足らなくなった時に補充するために使います。

(2)プールの水を持ち帰ってください
   水温や水質が急に変化すると、おたまじゃくしが弱ってしまうので、おたまじゃくしと一緒にできるだけたくさん、プールの水を持ち帰ってください。にごっていない、きれいな水を持ち帰りましょう。この時、プールの底に落ちている落ち葉も持ち帰ってください。

(3)エサについて
 おたまじゃくしは雑食性です。金魚のエサ、乾燥ミジンコ、ほうれんそうや小松菜のゆでた破片、かつおぶし、ゆで卵の黄身など柔らかいものをバランスよく与えましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おたまじゃくし救出終了しました

2019年04月13日 16時19分03秒 | 篠原園地
本日の篠原園地での「おたまじゃくし救出」終了いたしました。

今年度プールが閉鎖され取り壊されることになったとあってか、大人と子供合わせて120人もの方たちが参加してくださいました。
おたまじゃくしは匹数がたいへん少なく、全員が捕獲できたわけではありませんでしたが、ミジンコやコカゲロウの幼虫などを初めてごらんになる方も多くいらっしゃり、喜んでいただけました。

おたまじゃくしが少なかったため2部制とし、後半は希望者のみで篠原園地で見られる春に花を咲かせる野草たちを観察。
こちらまでご参加していただいたのは5家族30名くらいで、これらの野草たちをスマートフォンのカメラで撮影される方もいらっしゃいました。


全体の様子。
多くの方たちが参加してくださいました。

おたまじゃくしのほか、コカゲロウの幼虫やミジンコが多く捕れました。

野草の観察では、雑草と呼ばれて引き抜かれたり刈られてしまう植物を取り、においをかいだりして五感で観察しました。

たいへん多くの方たちが参加してくださったため、配布資料が行き届かかなったご家族もいらっしゃったため、次の記事に掲載いたします。
内容は横浜市に生息する野生のカエルについて、その生息環境や生息状況をまとめたもので、大人向けのものです。
お子様には難しい文章となっておりますので、お母さまお父さまに説明していただけると幸いです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自然観察の意義

2019年04月13日 10時35分23秒 | 1-1.菊名エコクラブの町なか自然教室
自然観察、それは自然の様子を見て知ることです。
たとえば木々のそばを歩いていたら、鳥の鳴く声が聞こえたとします。そちらに目を向けてみましょう。
木の枝にいるのでしょうか。それとも木の下の地面を歩いていますか?
どれくらいの大きさでどんな模様の鳥でしょうか。
何か食べていたら、何を食べているのかを見てみましょう。
ほかにも何かをしているようだったら、静かに見守りましょう。

ペットショップで昆虫や小鳥を買ってきて、エサを与えて飼育ケースの中で観察したのでは、その生きものが生活している生息環境や他の生きものたちとのつながりがわかりません。
もちろん飼育をすることで常にその生きものを観察していないと、なかなかわからない生態もありますが、それは飼育下での観察ということになり、自然観察とはまた違います。

生きものをただ見るというのではなく、その生きものがいる場所に自分も一緒にいながら観察することが、自然観察の肝心要(かんじんかなめ)なところです。
自然観察とはそうすることによって、その生きもののいる環境、生息環境や他の生きものたちとの関わりも体感しながら、自然環境全体について知っていくことに、意義があると私は考えています。

最初に例に出した野鳥にしても、このように観察していると、いろいろな野鳥たちがそれぞれの捕り方で自分の食べるものを捕らえて食べていることがわかります。
そしてこれは、他の生きものに対しても言えますし、エサの捕る以外の行動についても言えるのです。












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする