身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

菊名池の冬の水鳥たち

2017年03月13日 17時27分29秒 | 2-4.菊名池
先日、東横線妙蓮寺駅にある石堂書店さんに本を買いに行ったら、店長さんに「菊名池に来ている水鳥の名前がわからないのだけど・・・」をいうお話がありました。

そこで後日、一昨日の土曜日に菊名池に、その水鳥たちの写真を撮りに行きましたので、このblogに載せつつ、菊名池の水鳥たちを紹介していきたいと思います。


キンクロハジロ(オス)

菊名池に行って、まず目につくのがこの白黒ツートーンカラーで頭にちょんまげの付いてるこの水鳥です。
キンクロハジロというカモの仲間で、目が金色、胴体が黒色、羽が白色であることからこの名があるようです。
この写真はオスで(上)、同じ体形をしているけれど色は茶色く、ちょんまげがちょっと短い感じの水鳥は、キンクロハジロのメスです(下)。


キンクロハジロ(メス)



マガモ(オス)

頭部から首にかけて緑色で、くちばしが黄色いのがマガモ。
緑色は金属的な光沢のあって、見る角度によって紫色に見えることもあります。
胸部が濃い茶色をしています。
この写真もオスで(上)、メスはやはり茶色っぽい色をしています。
マガモはアヒルの原種。
アヒルというとまず白いアヒルが出てきますが、原種と同じ模様をした品種のアヒルもいます。区別はアヒルは丸々としていて飛べないということです。


マガモ(メス)


ハシビロガモ(オス)

マガモのオスと同様、頭部から首にかけてが金属光沢のある緑色なのですが、くちばしが黒っぽて大きく、胸部が白くて、胴体の真ん中が赤茶色になっているのがハシビロガモのというカモの仲間のオスです。
メスはやはり茶色っぽい色をしています。


ハシビロガモ(メス)



カルガモ

カルガモは、これらのカモの仲間とは違って冬鳥ではなく、一年中同じ場所に住み着いている留鳥です。
同じカモの仲間でも、日本(関東の平地)に冬鳥として渡ってくるカモの仲間はオスとメスとの色が違うのですが、留鳥のカモであるカルガモは、このようなはっきりとしたオスとメスとの色の違いがないのですね。


バン

バンも冬の菊名池で見られる水鳥の一つですが、はカモの仲間ではなく、ツル目クイナ科の水鳥です。
初夏から晩夏にかけて毎年のように2回~3回、産卵、子育てを繰り返します。
1番目のひながある程度成長して幼鳥となるころ、再び産卵して子育てをするのです。
後から生まれたひなを2番びなと呼びます。
1番びなは親鳥のように口移しでエサを与えたりと、2番びなの面倒を見ます。
その家族的な暮らしは、なんとも微笑ましいです。
そのバンが菊名池で冬を越しているのです。








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菊名池の水鳥たち 2015年~2016年冬

2016年02月15日 10時22分52秒 | 2-4.菊名池
この冬も菊名池には色々な水鳥たちが飛来し、その群れでにぎわっています。
町なかに、こうした生きものたち、野鳥たちのにぎわいが見られるというのは
素敵なことですね。
ただ、彼らは野鳥でペットではありません。
野鳥たちが野鳥たちらしく生きていくため、餌付けをしないなどのルールは
守っていただきたいと思います。


キンクロハジロ
カモの仲間。この冬菊名池で見られる水鳥のうち、最も数が多いです。
白黒のはっきりした方がオス、茶色っぽい方がメスです。


ユリカモメ
この冬、菊名池でキンクロハジロの次に多く見られる水鳥です。


マガモ
カモの仲間で、アヒルの原種。
首が緑色で、くちばしが黄色い方がオス。
全体が茶色っぽく、くちばしがオレンジ色っぽいのがメスです。


ハシビロガモのオス
カモの仲間。パッと見た感じマガモのオスに似ますが胸は白く、くちばしが黒いです。


カルガモ
カモの仲間。上記のカモの仲間と違って、一年中菊名池や周辺の池や川で見られ、同じ場所で子育てもします。


アオサギ
菊名池で見られる最も大きな水鳥です。
餌となる魚を食べにやって来るだけですが、一年中見られます。


この他、バンとカワセミも見られました。

・・・tつづく・・
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セミの脱皮が始まりました

2014年07月22日 05時59分43秒 | 2-4.菊名池
さきほど菊名池公園で、池のすぐ周りの草やぶの中にセミの脱け殻を2つ見つけました。
この草やぶでは他に、緑青色の体色が美しいアジアイトトンボ も見つけましたよ。
もうすぐ梅雨明け。
6月は菊名池公園プールでヤゴ救出を開催しましたが、8月になったら夜の自然観察会を開催して、みんなでセミの脱皮などを観察したいと思います。

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菊名池公園愛護会の活動に参加しました

2014年01月13日 22時26分57秒 | 2-4.菊名池
1月12日(日)、菊名池公園愛護会の活動に参加してきました。

菊名池公園愛護会の活動は毎月第2日曜日の朝に行なわれています。
昨年12月、愛護会の会長さんとお話する機会があり、お互いに理解を
深め合うことができました。

そしてこの12月に活動に初めて参加。今回で2回目の参加となります。

菊名池公園を取り巻く社会的なゴタゴタについて、実際の状況が不透
明でわからなかったのですが、愛護会は決まったルールに沿って清掃
活動をしているだけであり、ルールに沿っているのか沿っていないの
かわからないような活動はしていません。

今回は30分ほどの清掃活動の中で、郵便局の裏側にある側溝の清掃も
行ないました。
落ち葉がすっかり腐葉土化してミミズが生息しており、腐植質の豊か
な土壌になっていたので、木や草の生えているところ(植えられてい
るところ)にまいておきました。


今回は側溝の清掃も行ないました。


落ち葉の下の方はミミズが生息していて、すっかり腐葉土化していました。

事前に

・「この冬 菊名池で見られる水鳥たち6種」
・「この冬 菊名池公園で見られる赤い実のなる草木8種」

のA4版パネルを作成し、愛護会長さんに了解を得ていたので、活動
終了後に、この2点を掲示板に掲示しました。


菊名池の柵の内側(池から見て内側)には自然・生きもの掲示板があります。


この掲示板に、今菊名池公園で見られる水鳥や草木についてのパネルを掲示してもらいました。
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菊名池で見つけました

2013年12月15日 00時09分57秒 | 2-4.菊名池
●ゴタゴタしている菊名池だけど…

 久しぶりに菊名池に行ってみました。
 菊名池をとりまく社会的環境は相変わらずゴタゴタしていて嫌なので、
私はたいてい菊名池をよく見ることなくとおり過ぎていくのです。
 菊名で生まれ育った私は幼少期から菊名池やその周辺の自然に親しみ、
そこで周りの大人たちから自然の楽しさや生命の大切さ(野生の生きも
のたちの儚さ、力強さ、大切さ)を自然と教わりました。
 そんな菊名池なのに自然の乏しい公園にしようとする動きがあるのは、
大変残念なことなのです。

 しかし公園には地域の自然・緑を残していく役割もあるという認識を
持っている人たちも私以外にも菊名池の周辺にいらっしゃるいることを
知り、私も何かできることはないかと久しぶりに行ってみることにしま
した。
 そこで、今日見つけた生きものたちを紹介したいと思います。


●水鳥たち

既におなじみとなっている冬の水鳥のキンクロハジロのほか、オオバン
やマガモが見られました。


キンクロハジロ(カモ目カモ科)
既に冬の水鳥としておなじみとなっているキンクロハジロ。
昔から見られたわけでなく、1980年代から飛来するようになりました。


オオバン(ツル目クイナ科)
菊名池に1980年代から生息するようになったバンに近縁の水鳥。
私は例年菊名池では見たことがなく、この冬に初めて見ます。


マガモ(カモ目カモ科)
写真はオスで、今回菊名池で4羽見られました。
マガモが菊名池に4羽も飛来しているのを見るのも私は初めてです。


●まだ見られる秋の野草

 秋には秋に花や実をつける秋の野草が見られますが、冬となった今
でも見られるものがありました。


イヌタデ(タデ目タデ科)
昔から「あかまんま」という愛称で親しまれてきた野草です。
ご飯粒を小型にしたような形のこのイヌタデのつぼみを取って、昔、
女の子たちがおままごと遊びに使っていたそうです。


ミズヒキ(タデ目タデ科)
他のタデ類のよに花が密についていませんが、これもタデ科です。
この花が上から見ると赤いですが下から見ると白いので、紅白の紐の
水引になぞらえてミズヒキという名があります。


センダングサ(キク目キク科)
種子の一部が繊維にひっかかる構造になっているため、服にくっつ
きます。
昔の子供たちはこれをひっつき虫といって服に着けたり投げ合いっこ
をして遊びました。


●木の実

 秋は実りの季節。
 冬となった今でも、まだその実が見られるので、ざっと紹介します。
 赤や橙色に実った木の実は秋らしさを感じさせてくれます。


モチノキ(ニシキギ目モチノキ科)
樹皮からトリモチ(鳥や昆虫を捕獲するために使われたネバネバする餅の
ようなもの)を作ったのでこの名があります。


ピラカンサ(バラ目バラ科)
外国産の園芸植物でトゲがあります。
この時期、赤や橙色の実がなるので、日本古来のセンリョウやマンリョウ
といった植物ともに親しまれるようになりました。


トベラ(バラ目トベラ科)
昔、年越しや節分に魔よけとしてイワシの頭と一緒に扉に飾ったこと
からこの名があるそうです。
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菊名池公園 2011年秋

2011年11月03日 13時08分51秒 | 2-4.菊名池

 2011年10月中旬、秋が深まり池の回りのススキやチカラ シバは穂をつけ、木々も赤や黄、そして褐色に色づいています。
 池には冬鳥でカモの仲間のキンクロハジロも渡ってきました。
今年7年ぶりに菊名池で子育てをしたバンも、枯れたヨシ(アシ)の茂みに隠れて、菊名池で冬を越しそうな様子を見せています。


キンクロハジロ
 チョンマゲのような冠羽とオスに見られる白と黒のコントラストがかわいらしい冬鳥(冬の渡り鳥)のカモ。
 羽を傷めた個体以外は春になると北国へと帰っていくので、群れは秋から春にしか見られません。菊名池には1980年代に初めて姿を現し、以後、毎年秋が深まると飛来するようになりました。
 水中に潜って魚介類や水草を食べ、小さな声でクピッ、クピッ…と鳴きます。


バン
 沖縄に国の天然記念物となっているヤンバルクイナという野鳥がいますが、バンは、このクイナの仲間です。ヨシ(アシ)やガマなどの茂みのある池でないと生息せず、昆虫や魚介類、 植物の種子などを食べます。
 菊名池には1988年から生息し始め、以後16年の間、夏になると、毎年のように子育てを繰り返してきました。
 2005年から2010年の間はガマ(ヒメガマ)の茂みが消失するなどしていたため、子育てをしなくなっていましたが、今年は7年ぶりに子育てをしました。
 今の様子だと枯れたヨシの茂みに隠れて、菊名池で冬を越しそうです。


センダングサ
 似た種類がいくつかあるのですが、これは在来種のセンダングサ。キク科の1年草です。冬になると細かなトゲのついた種子がなり、衣服にくっつきます。
 昔の子どもたちはこれを面白がり、小学校の帰り道に種子を取って友だちと投げっこをして衣服に付け、ひっつき虫と言って遊んでいました。
 こうして遊んでいた大人の方たちにとっては、思い出深い 植物だと思います。


ススキ
 乾いた土地に生えるイネ科の多年草。
昔の人里(里山あるいは谷戸)には、雑木林とともに茅場と呼ばれるススキの草原がありました。年に1度、茅場から刈り取られたススキは、かやぶき屋根の材料にされていました。
 また秋のススキ草原は月とともに鑑賞の対象となったり、 ススキを切り取ってお月見の飾りつけに使われたりと、日本人の暮らしに深く関わってきた植物です。


チカラシバ
 イネ科の多年草で、ススキとともに秋の風物詩となって  います。
 しっかりした草で、引き抜こうとしてもなかなか引き抜けなかったり、柔らかそうに見えても茎を手で引きちぎったりしにくいことから、この名があります。
 このように丈夫なのですが柔軟性もある草なので、昔はワラジの材料の一つとなっていたそうです。


ミズヒキ
 雑木林の日陰に生えるタデ科の多年草。
 冠婚葬祭などの際に和式の贈り物に付けられる、飾りひもの水引に似ていることから、この名があります。
 写真の赤いツブツブが、一つ一つ小さな花になっています。
 この花は上から見ると赤く見えますが、下から見ると白く見えます。こうしたことも、めでたい時に使われる紅白の水引に見立てられています。


イヌタデ
 昔の子供たちは、イヌタデの花や実の赤いツブツブをままごと遊びで赤飯にしていたので、「赤まんま」と呼ばれて親しまれてきました。
 「タデ食う虫も好き好き」ということわざのタデは辛みがあって薬味になるヤナギタデのことです。イヌタデは辛くなく薬味などにはならないことからイヌタデといいます。
 人間には特に実用の価値がない生きものには、どういうわけか、よくイヌ(犬)~~という名がつけられています。
 タデ科の1年草で道端に生えます。


エノコログサ
 イネ科の1年草で、似た種類がいくつかあります。 
穂が犬の尾に似ていることから、犬っころ草と呼ばれていたのがなまってエノコログサになったと言われています。
 茎を引っ張るとスッと茎が抜けます。それをネコの目の前で揺らしてやるとネコがじゃれつくことから、昔はネコジャラシという別名でも親しまれていました。


カラスザンショウ
 自然に発芽した小さな苗が菊名池公園内でもいくつか見られますが、育つと15mくらいの大きな木になります。
 菊名池公園で幼木が見られるのは、大きく成長して実を成らす木が菊名や篠原の町にも生えていて、その実を食べた鳥が 種子を運んでくるからです。
 写真中央に写っているのはアゲハチョウの幼虫です。
 カラスザンショウは夏緑樹(落葉樹)で、秋が深まるにつれ葉を落としていきます。アゲハチョウの幼虫はそれまでの間に盛んに葉を食べて成長し、このカラスザンショウの茎でサナギになります。
 ミカン科で、特に幼木にはするどいトゲがあるので気を付けましょう。
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菊名池の生きもの自然調査報告(前半)

2011年10月09日 07時17分09秒 | 2-4.菊名池
9月27日、菊名池の簡単な生きもの自然調査を行ないました。
これは「菊名池公園の自然と生きもの展」終了後の課題として考えていたことの一つです。

23日の活動の樹名板を付ける活動に参加の方々に、この調査の参加も呼びかけたのですが、なかなか人が集まりません。
当日9時からを予定していましたが、午後2時から行なうよう変更しました。
参加者は私のほか、菊名池の自然環境保全に強い関心を寄せる地域住民の古川さんと、港北土木事務所の職員の方となりました。

9時過ぎに一時撤退作業をしていると、小学校の児童たちが先生に連れられて自然観察を始めました。
私はサービス精神で、池の中の小魚や小エビを捕獲して見せることにしました。
公園内に生えている野草たちにも目を向けてもらえるよう、「ここにもこんなのがあるよ。」などと声をかけ、質問にも答えるようにしました。
興味を持って聞いてくれたので、調査の参加者に見せようと用意していた昔の菊名池の写真なども見せたところ、大変関心を持って見てくれました。
このように地域に残された貴重な自然にふれながら学ぶ自然体験学習は、子供たちの健全な育成のため、また大人が自然の素晴らしさや大切さを再認識するためにも、とても大切なことで、地域の自然を守っていく土台になもなります。

ところが、子供たちに話をしている私に向かって突然「子供たちの前で柵の中に入るのは良くないねぇ!」と文句をつけてきた通りがかりの人がいたのです。
私が「子供たちに池の生きものを説明するのに入っているんです。」と説明しても「許可は取ってるのか?!」などととしつこくからんできます。
「子供たちに授業の一環で生きものの説明をしてるので妨害になります。やめてください。」
「許可は港北土木事務所に取ってるので。」と言っても納得せず引き下がりません。
「港北土木事務所に電話してください!」と3度ほど強く言うと、ようやくあきらめたのか、去って行きました。

活動目的等を理解しようともせず、この人は一体どういう立場でこんなことをしてきたのでしょうか。
嫌がらせだと思います。子供たちもいるのに大変迷惑しました。
この人も会社や家庭で何かあってイライラしていたのかも知れませんが、八つ当たり的な行為は他人に迷惑をかけずにやってほしいと思います。
子供たちには、「自然のことを勉強するためにみんなでやっているので、いいのです。酔っ払いみたいだね。」とアフターフォローしておきました。

菊名池には時折こうした人もいるようです。
菊名池公園の自然や生きものたちとふれあう活動が安全に楽しくできるよう、管理行政や地域との間などで協力体制をつくることも必要だと思います。
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「菊名池公園の自然と生きもの展」 終了後の課題 (後半)

2011年10月08日 08時33分46秒 | 2-4.菊名池
菊名池は数年ほど前までは、昔ながらの色々な生きものたちの生息する良好な自然環境が形成されていましたが、この数年ですっかり変わってしまいました。
それは、テレビなどでも外来種問題として取り上げられている、ブルーギルやブラックバスなどが菊名池にも持ち込まれた上に、同様に外来種である植物のハスまでもが入れられたためです。

↑写真解説
菊名池公園内に設置されている「菊名池の生きもの」パネル。
このパネルは今となっては、数年前まで多種多様な生きものたちの生息場所となっていた時期の菊名池の模式図、過去の菊名池の状態を示したものとなってしまいました。

2008年に行なわれた菊名池の浚渫工事で、これらの外来種は駆除されました。
しかしながら、菊名池で絶滅または激減してしまった生きものたちの保護や生息環境を回復するための措置は行なわれませんでした。
このことを重く見た私は、この工事中に調査を申し入れ、その結果をまとめて提出するということもしています。

↑写真解説
2008年3月、菊名池の浚渫工事の際に行った生きもの調査結果。
私をはじめ、三ッ池公園でボランティア活動する方、地域の子供や父兄の方たちで集まり、生きもの調査を行いました。
ブルーギルやブラックバスは確認されましたが、菊名池に昔から生息していた小魚であるモツゴ(クチボソ)、ヨシノボリ、ドジョウ、小エビであるスジエビ、テナガエビ、ヌマエビは1匹も確認されませんでした。

また、その直後には正式に調査協力依頼を受けて、「(仮称)菊名池改修工事に伴う水生生物補足調査業務委託報告書」を作成。
この時、依頼を受けた調査員の立場で菊名池の中にも入りました。
報告書の中では、これらの調査結果を踏まえて、目標とすべき菊名池の将来像(下図参照)やそれに必要な作業内容、全体のフローチャートも記述しています。
これらも、こうした項目を報告書に入れてほしいとの要望が行政からあったからです。
ですが、3年経った現在になっても菊名池の自然環境を回復させるための措置は何も行なわれていません。



港北区には「まちづくり基本方針」というものがあり、「菊名池の生物生息環境を保全する」ことも目標の一つになっています。(下図参照)



「目標とすべき菊名池の将来像」はこれをベースに設定されています。
しかしこれは、始めに示した菊名池公園内に設置されている「菊名池の生きもの」パネルに描かれている自然環境にほかなりません。
つまり「目標とすべき菊名池の将来像」とは、数年前までの自然環境の良好だった菊名池の姿を回復させるということなのです。

なかなか自然環境回復措置が行なわれない理由の一つとして、行政の方も予算が限られていて、なかなかそこまでできないということがあります。
こうしたことも理解している私としては、それならば仕事(一時的な内職)となるかボランティアとしてやるに関係なく、地元の自然を次世代に残していきたいという強い思いを持つ市民ボランティアの立場で、調査をしようということになったのです。

この調査は27日に実施しましたので、次の記事で結果を報告することにします。
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「菊名池公園の自然と生きもの展」 終了後の課題 (前半)

2011年10月08日 07時32分53秒 | 2-4.菊名池
この夏、菊名池公園プールのプール施設内にて「菊名池公園の自然と生きもの展」を行ないました。
準備の際、展示のために菊名池に昔から生息している小魚や小エビを捕獲しましたが、捕獲できなかった種類もいたのです。
そのため、これらの生きものが本当に菊名池から絶滅してしまったのかどうかなど、環境調査を行なう必要があると考えていました。



写真解説
「菊名池公園の自然と生きもの展」で展示した生体(生きた生きものの飼育展示)はモツゴ(クチボソ)、トウヨシノボリ、スジエビ、ヌマエビでした。
しかし、トウヨシノボリとヌマエビは菊名池では捕獲できず、市内の他の池で捕獲しました。

この調査は池の中に入る必要があるため、実施の時期としては生きものたち、特に水鳥たちの生息を邪魔しない時期を選ぶ必要があります。
具体的にはバンの子育てが終了する9月下旬から、キンクロハジロが飛来する前の10月上旬に限られ、この期を逃すと、また1年先を待たなければなりません。

喜ばしいことに「菊名池公園の自然と生きもの展」は多くの方たちに見ていただけて、人気がありました。
このような菊名池の自然や生きものに関心のある人々に参加を呼びかけ、みんなで「菊名池の環境調査」を行なえれば良いなと思っていましたが、そこまで参加を呼びかけられるような意見や感想は寄せられませんでした。
そこで、管理行政の立会いのもとで、単独に近い形で行なう可能性が大きくなっていきました。


写真解説
今年は7年ぶりに菊名池でバンが子育てをしました。また冬になるとキンクロハジロの群れが飛来します。
池の中に入っての調査はこれらの水鳥たちに影響のない時期を選ぶ必要があります。
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一歩、二歩、三歩・・・

2011年09月23日 06時24分35秒 | 2-4.菊名池
菊名池(菊名池公園)は、かつては町なかにありながらも自然環境の豊かな場所でした。

しかし自然環境やその保全という観点から見て、その自然環境はもちろんのこと、菊名池を取り巻く人的・社会的環境までもが良好とは言えない時期が何年も続いていました。

それが昨年あたりから少し良くなるような兆しが見えてきたため、菊名池公園での活動を再開。
その第一歩として今年の3月、菊名池公園愛護会と協働で公園内の樹木に樹名板を付ける活動をを行ないました。
二歩目としては、6月に菊名池公園プールでプールのヤゴ救出。
三歩目として、菊名池公園プールの利用期間中にプール施設内で「菊名池公園の自然と生きもの展」をプールの管理会社と共同で行ないました。

また、昨日は「菊名池公園の自然と生きもの展」の展示内容資料を地元小学校にお届けしました。
その際、校長先生と「菊名池公園は地域の貴重な自然であり、その大切さを子供たちに伝えていきたい。大人が子供たちへと伝えていかなくては。」といった内容のお話をすることができ、大変良い時間を過ごすことができました。
私もまた子供のころ、菊名池をはじめとした身近な自然で、地域の大人たちにこうしたことを伝えてもらえたから、今のように自然を大切にする大人になったのです。

私は仕事のかたわらではありますが、これからも子供たちに、また若いお父さんお母さん方に、この大切なことを伝えていけるよう尽力します。

次の活動は、菊名池公園現地の掲示板にはすでに掲示されていますが、明日になります。





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菊名池で水鳥バンが7年ぶりの子育て

2011年06月25日 21時32分46秒 | 2-4.菊名池
6月25日(土)の9時ごろ、菊名池でバンという水鳥がひなをかえしているのを確認しました。
バンはツル目クイナ科の水鳥で、菊名池でひなをかえすのは実に7年ぶりのこと。

菊名池の大半は1970年代に埋め立てられてプールと広場とになりましたが、埋め立て前に隣接した湿地に生育していたヒメガマ(水生植物の一種)が生き残り、それが少しずつ増え広がって茂みになっていきました。
このヒメガマの茂みをよりどころに、菊名池に埋め立て前の昔から生息している小エビや小魚、トンボ類などが繁殖。
こうした自然環境を好む水鳥バンが1988年から生息し始めて以来、毎年ひなをかえし子育てをしていました。

ところが1998年にハスが投入されると急激に増え広がり、2007年には池の全面を覆うまでになりました。
このために2006年にはヒメガマは菊名池から絶滅。
ハスの茂みではバンは巣作りができなくなってしまい、菊名池で16年も続けられてきたバンの子育ても2004年を最後に見られなくなっていました。

それから数えて7年目。この夏、バンの家族が戻ってきてくれました。
しかし今月12日にプールから移動してきたカルガモ親子もバンと同じ浮島の茂みを利用しており、決して以前のように住みやすい環境ではありません。
カルガモの親鳥とバンの親鳥とが、互いに威嚇し合う場面も見られました。
自然環境が良好だった頃の菊名池のように、十分な広さのヒメガマの茂みが戻ってきてくれれば良いのですが…。
それでも、バンの家族が戻ってきてくれたことは大変嬉しいことです。



1988年から16年にも渡って、毎年夏に繰り返されてきた菊名池でのバンの子育て。
2004年を最後に見られなくなっていました。
それが今日、再び菊名池で子育てをしているのを確認しました。ひなの数は6羽でした。
2004年から数えて7年ぶりのことです。


しかし以前と比べて決して生息に好適な環境とはいえません。
今月12日に同じ公園内のプールから引っ越してきたカルガモ親子と、同じ場所を利用しているからです。


昨年、菊名池では本州の平地では前例のないキンクロハジロの子育ても見られました。
これらの鳥たちが同じ場所を子育てに利用するとなると、来年もバンが繁殖してくれるかどうかは、心配なところです。


カルガモの親鳥とバンの親鳥とが互いに威嚇し合う場面も見られました。
バンの生息に好適な自然環境が回復したから、バンの家族が戻ってきてくれたということでは決してないと思います。
この狭い浮島の茂みになんとか順応して子育てを始めたと考えるのが妥当でしょう。
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菊名池公園 春の野草たち

2011年04月14日 19時48分07秒 | 2-4.菊名池
 2011年の4月上旬、菊名池公園では桜の花が美しく咲いています。
 菊名池の東側(菊名に向かうバス通り側)から対岸を眺めると、満開の桜が水面に映っていて、とても美しい光景です。
 そんな中、桜以外の春の植物、野の草花たちも花を咲かせています。
 ここでは菊名池公園内や、すぐそばの土手に咲く野草の花を紹介します。


菊名池では桜が満開の中、冬鳥でカモの仲間のキンクロハジロがまだ群れています。


ヒメオドリコソウ(シソ科)
 茎から葉が四方向に出ていて、うすピンクの小さな花を咲かせるヨーロッパ原産の野草です。
 日本古来のものとしては、ヒメオドリコソウよりも大型の オドリコソウがありますが、菊名には生育していません。


ホトケノザ(シソ科)
 葉の上に乗るように赤く細長い花が咲いている様子を、ハスの花に座している仏さまの姿に見立てて、この名があります。
 春の七草の一つであるホトケノザは正式名をコオニタビラコといい、こちらで紹介しているものとは別の植物です。


セイヨウタンポポ(キク科)
 私たちの身近に生えるタンポポには、日本古来のニホンタンポポとヨーロッパ原産のセイヨウタンポポとがあります。
 調べてみなければ、はっきりとはわかりませんが、菊名池公園内のタンポポはみなセイヨウタンポポのようです。



ニホンタンポポ(カントウタンポポ)(キク科)
 セイヨウタンポポは暖かい日なら冬でも花を咲かせることがあります。これに対し、ニホンタンポポは春にしか花を咲かせません。
 菊名池公園内には生育していないようですが、そばにある 土手に生育しています。
 近年ではこのような土手自体がすっかりなくなってきているので、みんなで大事にしていきたいところです。


カラスノエンドウ(マメ科)
 エンドウマメを小型にしたような草姿で、緑の葉と赤ピンクの花が綺麗です。
 草全体を湯がいたり天ぷらにしたりして食べる、食べられる野草の一つです。


ヤエムグラ(アオイ科)
 茎の回りに細長い葉が8枚ほど、車輪のような形に生えている野草。花は緑色をしていて小さいので目立ちません。
 葉や茎に細かな毛が生えていて、取って服に付けてみると付きます。五月後半になる実にも毛が生えていて、服に付きます。


ハコベ(ナデシコ科)
 春の七草の一つで、とても小さな白い花を咲かせるナデシコ科の野草です。
 草全体を湯がいたり天ぷらにしたりして食べる、食べられる野草の一つです。
 また、昔はハコベを炒った粉に塩を混ぜてハミガキにして いたそうです。


スギナ(トクサ科)
 スギナはシダの仲間なので花は咲かせませんが、その代わり土筆(つくし)を出します。
 土筆は、日本では昔から春の象徴的な存在ですね。
 昔はあちこちの土手などでたくさん見ることができましたが、近年では土手自体がすっかりなくなってきてしまいました。
 菊名池そばの土手に生えています。


タチツボスミレ(スミレ科)
 町なかでも、ちょっと地面が残っていることころなら生える、最も身近な野生のスミレです。
 菊名池そばの土手に生えています。


シャガ(アヤメ科)
 白地に黄や紫の模様のある花をしたアヤメの仲間。
 雑木林沿いの日陰の湿った斜面などに生育しますが、菊名池公園のものは、武蔵野の雑木林を復元する目的で植えられたものです。


ハナニラ(ユリ科)
 星型の白い花を咲かせる南アメリカ原産の野草。  
 きれいな花を咲かせ葉や茎にニラのような匂いがあるので、この名があります。花は甘い感じの良い香りがします。


 春にはこのように、桜以外にも色々な春の花が咲きます。
 桜と同じように春にしか花を咲かせないものが多いので、今の季節に見ておかないと、来年の春までみられません。
 ついつい桜を見上げてばかりで、足元に咲いているこれらの花を踏みつけてしまうこともあるかと思いますが、桜と比べたら小さく目立たない花でも花は花。あなたのお花見のレパートリーに加えてみてはいかがでしょうか。
 それが身近な自然を大切にする第一歩となります。
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菊名池公園の木に樹名板をつける活動をしました

2011年04月13日 20時22分40秒 | 2-4.菊名池
3月26日の土曜日、菊名池公園の木に樹名板(木の名札)をつける活動をしました。
寒い中、菊名池公園愛護会のメンバーの方々を中心に6~7名くらいの方が参加して下さいました。

愛護会の会長さんからは
「港北小学校にもこのような活動をするということを話をしにいきましたが、『菊名池には校外授業でよく行くので、このような活動をしてくれると助かる。』ということでした。」
とお話がありました。

菊名池公園には町なかでは貴重な自然が残っていて、いろいろな植物が生え、小鳥たちや昆虫たちもいます。
今後もこうした活動を愛護会と連携して行なって、菊名池公園の自然と親しみやすくしていきたいと思います。


樹名板に樹木の名前を書き込む作業


取り付け作業


取り付け後
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菊名池公園での活動決まりました

2011年03月23日 09時05分12秒 | 2-4.菊名池


地震の影響でバタバタしておりお知らせが遅れてしまいましたが、
菊名池公園での第1回目の活動予定がまとまりました。
日時、内容等は以下のとおりです。
どなたでも参加できますが、楽しく安全に活動するためにご協力ください。


日 時  : 3月26日(土) 午後2時から(1時間程度を予定)
      (雨天の場合は順延しますが、順延の場合の日程は未定です。)

集合場所  : 菊名池そばイチョウの大樹の前

持ち物など : 動きやすく多少汚れても良い服装でお越しください

問い合わせ : 070‐5080‐5297(松田)


主 催:菊名エコクラブ
共 催:菊名池公園愛護会
後 援:横浜市港北土木事務所

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菊名池の大樹を語りつぐ会(仮称)をつくろうと思います

2011年01月30日 21時14分29秒 | 2-4.菊名池
伐採された菊名池公園の大木。
その後残った株の移植作業が着々と進められています。
その様子を見ながら、その後どうなるのか、どうしていけば良いか、自分にやれることはないか、
いろいろ思いを巡らせました。

わざわざ伐採を最小限にして移植をするのですから、
このイチョウの大木が菊名池公園内で、どのような存在であるかを位置づけて、
どのように公園利用者や地域住民が関わりながら大切にしていくのかを考える必要があります。

特に移植直後は枝や根がかなり切られて傷んでいますから、
その後の健康状態を見守っていくことも大切でしょう。
また位置づけとしては、前回、前々回の記事にも書いたように、
「菊名池公園の主」「菊名池公園のシンボルツリー」として扱い、
語り継いでいくことが大切なことだと思います。

そこで、この大木を大切に思っている人間の一人として、
「菊名池の大樹を語りつぐ会(仮称)」をつくりたいと思います。


この大木は昭和40年代に菊名池の大半が埋め立てられる前から生えていて、
菊名池の様子を見守ってきました。
また、その枝はスズメをはじめムクドリやヒヨドリ、コゲラ(キツツキの一種)、
オナガなどの小鳥が羽を休めたり、餌を食べる場にもなっていました。
カラスが巣をつくったこともあります。
そして、まわりにはヒサカキやハラン(葉蘭)なども仲良く生えていました。

このように、菊名池公園の生きものたちとも関わりをもってきた木です。
活動は定期的に皆で集まって行うということで、次の内容にします。


1.この木が見守ってきた菊名池の歴史を語り継いでいくこと。

2.移植後の新たな芽吹きを見守っていき、必要に応じて市に要望したり、自分たちで行うこと。
具体的には次のようなことです。

 ・健康状態が思わしくない場合は治療を要望したり、樹木医さんのアドバイスを受けて処置をしたりすること。
 ・公園利用者に大切にするよう呼びかけること。

3.菊名池の木や野の草花、それらに集まってくる小鳥や昆虫たちと親しむ活動をみんなで行うこと。



「菊名池の大樹を語りつぐ会」というのは仮称(仮の名前)です。
ほかに私からの案としては

①菊名池の大樹を囲む会
②菊名池 大樹の輪をつくる会

がありますが、上記の活動内容は変わりません。

活動目的や活動内容のキーワードは「大樹」「語り継ぐ」「木と生きものたちとのつながり」
「大樹を中心とした人と人、人と自然とのつながり」なので、
これらのことがなんとなくてもわかるような会の名称にしたいと思っています。

仲間になってくれそうな人は何人かいますので、声をかけてみます。
公園を管理している行政である「港北土木事務所」には、
週明けにその申し出をしようと思います。


*「菊名池の大樹を語りつぐ会(仮称)」を立ち上げるのは、
現在の菊名池公園の状況では、いきなり「菊名エコクラブ」としての活動を持ち込むのは困難であると判断してのこともあります。



移植後(仕上げ前)のイチョウの大樹
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