身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

菊名池の大樹を語りつぐ会(仮称)をつくろうと思います

2011年01月30日 21時14分29秒 | 2-4.菊名池
伐採された菊名池公園の大木。
その後残った株の移植作業が着々と進められています。
その様子を見ながら、その後どうなるのか、どうしていけば良いか、自分にやれることはないか、
いろいろ思いを巡らせました。

わざわざ伐採を最小限にして移植をするのですから、
このイチョウの大木が菊名池公園内で、どのような存在であるかを位置づけて、
どのように公園利用者や地域住民が関わりながら大切にしていくのかを考える必要があります。

特に移植直後は枝や根がかなり切られて傷んでいますから、
その後の健康状態を見守っていくことも大切でしょう。
また位置づけとしては、前回、前々回の記事にも書いたように、
「菊名池公園の主」「菊名池公園のシンボルツリー」として扱い、
語り継いでいくことが大切なことだと思います。

そこで、この大木を大切に思っている人間の一人として、
「菊名池の大樹を語りつぐ会(仮称)」をつくりたいと思います。


この大木は昭和40年代に菊名池の大半が埋め立てられる前から生えていて、
菊名池の様子を見守ってきました。
また、その枝はスズメをはじめムクドリやヒヨドリ、コゲラ(キツツキの一種)、
オナガなどの小鳥が羽を休めたり、餌を食べる場にもなっていました。
カラスが巣をつくったこともあります。
そして、まわりにはヒサカキやハラン(葉蘭)なども仲良く生えていました。

このように、菊名池公園の生きものたちとも関わりをもってきた木です。
活動は定期的に皆で集まって行うということで、次の内容にします。


1.この木が見守ってきた菊名池の歴史を語り継いでいくこと。

2.移植後の新たな芽吹きを見守っていき、必要に応じて市に要望したり、自分たちで行うこと。
具体的には次のようなことです。

 ・健康状態が思わしくない場合は治療を要望したり、樹木医さんのアドバイスを受けて処置をしたりすること。
 ・公園利用者に大切にするよう呼びかけること。

3.菊名池の木や野の草花、それらに集まってくる小鳥や昆虫たちと親しむ活動をみんなで行うこと。



「菊名池の大樹を語りつぐ会」というのは仮称(仮の名前)です。
ほかに私からの案としては

①菊名池の大樹を囲む会
②菊名池 大樹の輪をつくる会

がありますが、上記の活動内容は変わりません。

活動目的や活動内容のキーワードは「大樹」「語り継ぐ」「木と生きものたちとのつながり」
「大樹を中心とした人と人、人と自然とのつながり」なので、
これらのことがなんとなくてもわかるような会の名称にしたいと思っています。

仲間になってくれそうな人は何人かいますので、声をかけてみます。
公園を管理している行政である「港北土木事務所」には、
週明けにその申し出をしようと思います。


*「菊名池の大樹を語りつぐ会(仮称)」を立ち上げるのは、
現在の菊名池公園の状況では、いきなり「菊名エコクラブ」としての活動を持ち込むのは困難であると判断してのこともあります。



移植後(仕上げ前)のイチョウの大樹

伐採された菊名池公園の大木

2011年01月26日 07時09分22秒 | 2-4.菊名池
一昨日の記事のとおり、昨日、菊名池公園に昔から生える大きなイチョウの木が伐採されました。
今日以降、園内の元生えていたすぐ近くに移植されるそうです。


管理行政の方とお話をしましたが、木を伐らないでとの電話が多数あったそうです。
業者さんも、このように公園に昔から生えている立派な木は切れないと判断したのでしょう。
最終的に「最小限の伐採をし、その後移植する。」という業者さん側の提案が採用されることになりましたが、
伐採作業の依頼が来たときには「そんなことはできない。」と断ったそうです。
(このようなわけで根元からは伐られず、5mくらいの高さは残されています。)


昨日、行政の方との話をさせていただいたのですが、このイチョウの木に関して、新たに次のことを要望しました。
また、ただ要望するだけでなく、私自身も協力はできると申し出ています。


1.木を伐らないでとの電話は具体的にどんな内容で、何件くらいあったのかくらいは公表するべき。

私の要望だけでなく、これらの電話や業者さんの提案などもあって、根元から伐られずに済んだのですから、
このようにイチョウの木は大切に思われているのだということを隠さずに公表するべきだと思うからです。


2.イチョウの木の移植後、この木の幹周・高さ・推定樹齢、伐採の経緯などを示したパネルを設置してほしい。

ただ移植しただけでは、どうして伐採された状態でここにこんな大木があるのかが、当事者やその周辺の人しかわかりません。
後の世代も含めた公園利用者や近隣住民に、そのことが伝わるような説明文の書かれたパネルは現地に必要だと思うからです。




伐採後のイチョウの大木
根元からの伐採は免れたとはいえ、その姿は痛々しいです。
右に見える低い茶色の鉄柵が境界。ギリギリではありますが、しっかり公園内に入っています。伐採せずに済ませることはできなかったのでしょうか。


伐採当日、このような張り紙がしてありました。
私も同じ気持ちです。昨日はあまり眠れませんでした。


このような張り紙もしてありました。
そのとおり、埋め立て前から生えている大木で、菊名池公園のシンボルツリー的な存在でした。
いや、「でした」と過去形で言ってはいけませんね。
これだけの高さになってしまいましたが、ある程度の高さが残っているのですから、
これからもシンボルツリー、池の主であり続けてほしいと思います。


公園管理が北部公園緑地事務所から港北土木事務所に変わり、
自然や生きものも、土木で扱うモノのようにしか扱われなくなってしまった感じがあります。
そういう体質は横浜市にも変えてもらわないと困ります。

菊名池公園の大木伐採

2011年01月24日 18時37分38秒 | 2-4.菊名池

2010年12月12日撮影 菊名池公園のイチョウの大木


大変残念なことなのですが、菊名池公園に昔からあるイチョウの大木が明日、伐採される予定です。

菊名池公園の樹木の大部分は、昭和40年代の菊名池の埋め立て(現在のプールや広場の部分)および平成初期の大規模な改修工事の際に植えられたものですが、このイチョウの木はその前からここに生えているものです。

昨年12月に親しくさせていただいている樹木医の方と測定をしたところ、胸高の幹周3m16㎝、高さ26mでした。
また、樹勢は十分にあり健康そのもの。樹齢は約130年~150年。幹が途中で3本に分かれた、変わった樹形をしているということでした。

通常、幹周150㎝を超える樹木は「大径木(たいけいぼく)」と呼ばれ、マンション建設などの「環境影響評価(環境アセスメント)」の際に保護の対象となります。

このような大きく昔からある木がなぜ伐採されなければならなくなったのか。
それは公園内に生えているとはいえ、境界ぎりぎりに生えていて、隣地の民家の建て替えの邪魔になるということらしいです。

大木は人間よりも長く生きているということで、大事にする慣習が日本にはあります。
ところが、近年はそれが変わってきて「大事にする慣習が日本にはありました」といわなければならなくなってきたとすれば、それは非常に残念なことです。
(本当は、ただ残念ではすませられないことだと思います。)
この木は、菊名池の埋め立ても、大改修も、昔から菊名池を見守ってきた、菊名池公園のシンボルツリーともいうべき木なのですから。

このことを知り、せめて伐採後の株は移植することや伐採部分をただ捨てるのではなく有効利用することを要望しました。
今後、見守っていくつもりです。

伐採せずに、移植する方法もあるようなのですが、無理だったのでしょうか…。
「株式会社 富士植木」のホームページに大木の移植工技術が載っています。

篠原池にも冬の水鳥が渡ってきています。

2011年01月10日 18時03分15秒 | 2-5.篠原池
前回の記事で、菊名池に今年も冬鳥のキンクロハジロが渡ってきたことを紹介しましたが、
となりまちの篠原池でもオナガガモが渡ってきています。

キンクロハジロもオナガガモも、どちらもカモの仲間。
カモというとアヒルと体型が似ているので、ついついペットのように扱ってしまいやすいかもしれませんが、
その多くは遠くの国からはるばる飛来する冬鳥で、野鳥です。

菊名池でも、鶴見区にある三ッ池でも「野鳥にエサをやらないように」という主旨の看板が掲示されています。
それには、大きく次の3つの理由があります。


①野鳥に限らず野生生物にエサを与えたりすると、エサを人に頼るようになり、自力で生きていく力を失っていく。

②エサを池に入れると、池の水が汚れてしまう。
 訪れる人たちが入れ替わり立ち代わりエサをやっていくことを考えると、
 エサやりによって、けっこうな量の有機物が池に投入されていると思います。
 これでは池の水が汚れてしまいます。 

③野鳥ですから他の場所に移動します。
野鳥は狩猟で狙われることがあります。人に馴れてしまうと、簡単に猟師の餌食になってしまいます。
これは犬に馴れさせることも同じです。


篠原池は、町なかの池といえども野生の生きものたちの生息する、生態系の成立した池です。
生態系を復元する目的で再整備が行われ、それが見事成功した池なのです。

菊名エコクラブは、自然環境を守るボランティア活動をしています。
その立場から言わせていただきますが、篠原池に来られる方々には、こうした篠原池の経緯にふさわしい利用と扱い方をしていただきたいと思っています。
せっかく復元された、町なかにありながらも良質の生態系が復元された池です。
それを守っていくためには篠原池に関わる人々が、篠原池に生息する野生の生きものたちの生態や自然環境のしくみを理解し、それらに基づくマナーを守りながら関わっていくことが必要不可欠なのです。



ところでオナガガモは、私の観察した10月11日と16日には篠原池では見られず、菊名池でキンクロハジロに混じって2羽見られる程度でした。
これらの日、篠原池にはカルガモ50羽ほど集まっていましたが、他のカモは見られませんでした。
それが11月13日には篠原池に18羽のオナガガモが飛来していました。

以後、11月28日には23羽、12月25日には38羽と数が増えましたが、年明けの1月8日には17羽と数が減っています。
例年これらの池では、オナガガモはキンクロハジロに比べて遅く飛来し、去って行く時期は早く、滞在期間が短いようです。
また、キンクロハジロもオナガガモもカルガモも、これらの池の間で行き来があるようです。