身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

お花見と本来の春らしさ

2019年04月01日 06時45分39秒 | その他
桜は確かに綺麗だとは思うし、お花見の会場、名所に出店している屋台なども含めて、その楽し気な雰囲気が好きなことは好きです。
けれども、春に咲く花はサクラだけではありません。
それなのにサクラだけにしか目を向けない風潮が世の中に蔓延していることに対して残念な気持ちでいます。

なぜなら春は様々な植物たちが花を咲かせ、緑が萌えるのですから。
私たちの身の回りにはもともと色々な植物が生育しているものです。
サクラだけしか生えていない、生やさせないというのは、とても不自然なことです。
僕はサクラが見れなくても、これらの植物とふれあえれば春だと感じますが、逆にこれらの植物たちとふれあうことなしにサクラを見ても春という感じは薄く、淋しい感じさえするのです。

しかしながら、昔は家の近所の道端や空き地や土手で、こうした植物たちが普通に見られましたが、今ではどんどん空地も土手も消失し、地面も舗装されて、見られなくなってきてしまいました。
非常に残念なことに緑の多い、地面の残っている公園でさえも自然の草花はいらないと言われ、これらの野草たちは抜き取られたり刈り取られたりすることが多く、残っていかないケースさえ見られるのです。

そこで我が家では、こうした植物たちをコレクションしていて、これらの植物たちとふれあって春を楽しんでいます。
自宅の庭に植えた、元々私たちの身の回りで普通に見られたようなこれらの植物たち。
実物を見ても、こうして撮った写真を見ても、本来サクラというのは、春に見られる色々な植物の中の一つに過ぎないということ。
春は花だけでなく、緑の萌える季節なのだということがわかります。
この本来の自然環境の姿を身近に取り戻したくて、庭にこれらの植物たちをコレクションしたのです。

念のため書き加えておきますが、我が家のこうした植物の中には、僕の幼少期から近所では見られなかった植物も含まれています。


我が家の庭にはサクラも植えてはあります。
5年くらい前に高尾駅の京王線構内のお花屋さんで購入した、フジザクラ(富士山の麓に自生するという在来種)の実生苗です。
本当は地元にも自生するヤマザクラの花の咲く実生苗がほしいと思っていたのですが、野生種の実生苗はあまり流通しておらず貴重なため購入しました。


この春に購入したサクラソウ(日本サクラソウ)です。
昔(僕の幼少期)に近所に地元に生育していたわけではありませんが、日本の代表的な春の野草。
現在では全国的に絶滅危惧種となっています。


スミレも花を咲かせはじめました。
右が町なかでもよく見られるタチツボスミレ、左は判別が付かないのですがエイザンスミレか、ヒゴスミレだと思います。
タチツボスミレは雑草扱いされて引き抜かれてしまうため、公園の花壇からいただいてきました。
左のスミレは昨年植木市で販売されていたハナイカダと一緒に生えていたので、このスミレほしさに購入したものです。


ウラシマソウです。
これは僕の幼少期から、近所でもみられました。
しかしながら本文で書いたように、どんどん見られなくなってきました。


ホウチャクソウ。
ホウチャクソウも近所の野山や野山環境の公園でよく見られますが、刈り取られてしまい、毎年は見られない公園もあります。
見られないと、その年だけ見られないだけなのか、それとも本当に消失させられてしまったのかがわからず、心配になります。


昔は近所の土手などでよく見られたキランソウです。昔からある地面が次々と消失したり舗装され、見かけなくなってきました。
この株は元農家の知人のお庭から分けていただいたものです。


ワスレナグサに近縁の日本の野生種キュウリグサです。
これは植えたものではなく、自然に我が家の庭や敷地内の地面に生えています。
ワスレナグサのミニ種のような花が栽培しているわけではないのに、野草として自分で生育してくれているのって、ステキなことだと僕は思います。
小さいですが、ブルーの花が綺麗です。


一昨年に植木市で購入したモミジが小さな花を咲かせています。
モミジの魅力は紅葉だけではありません。
今の時期の新緑、萌える姿も魅力的です。

コメント
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