6月29日(土曜日)、毎月1回の「篠原池の自然観察&ゴミ拾い」を行ないました。
この日参加してくれたのは、ご家族1組と子供1人、主催者の私1人の合計5人。
池はすっかり夏らしくなっていて、4月、6月には見られなかった生きものたちや
自然の様子が見られました。
まず注目したかったのはバンの幼鳥を3羽確認したことです。
もしかすると確認できなかっただけで、先月行なった観察会の時にすでに親鳥が
ひなを孵していたのかもしれません。
1ヵ月後の観察会で、二番びなが生まれていることが期待できます。
●バンの幼鳥が3羽確認できました。
次に注目したかったのはガマ(ヒメガマ)が満開になっていることです。
ガマにはガマ、ヒメガマ、コガマの3種類がありますが、篠原池のガマはヒマガマ
です。
秋になるとホットドッグのような形をした穂をつける植物で、冬になるとはじけて
綿毛の付いた種子を飛ばします。
昔、綿がなかったころは、このガマの綿毛を綿として使っていたそうです。
またこのガマは日本神話に登場する「因幡の白兎」という話の中でも有名です。
●ガマの花が満開です。
●篠原池に生育しているのはヒメガマ。ガマは秋になるとホットドックのような形状を
した穂を付けます。
●上の黄色い方が雄花、下の褐色の強い色の方が雌花です。
黄色い花粉が葉に付いているのがおわかりでしょうか。
ガマの茂みを見ると先端が特有の形に折れ曲がっている葉がたくさんありました。
これはあるクモの一種の産卵のための巣です。このクモの名はヤマトコマチグモ。
葉を開いてみると子グモがすでに生まれていました。
●特有の形に折れ曲がっているヒメガマの葉。
●こんなふうに折れ曲がっています。
●これはヤマトコマチグモというクモの産卵用の巣です。
開いてみると子グモが生まれていました。
生物保護区の中に入るとアジサイが綺麗に咲いています。
よく見ると花が上を向いているものと下をむいているものがあります。
どうしてなのか、おもしろいですね。(あえて理由はいいません))
●アジサイが満開
●よく見ると花が下向きになっているもの(左)と上向きになっているもの(右)があります。
さらに奥へと入っていくと、草むらの中にキイトトンボが何匹もいました。
このトンボは黄色の体色が綺麗なイトトンボで、毎年この時期になると篠原池で
たくさん見られるようになるのです。
●2匹のキイトトンボ。何匹も飛んでいました。(ピンボケなので今度撮り直します。)
●ほかにもオオシオカラトンボや・・・
●細長い葉を行き来するのに適した体の形をしたクモの仲間(前回とは違う種類)など
も見られ、子供たちからは「草原だけで自然観察ができてしまうね。」という声も
聞かれました。
池の中はというと・・・
いつもと違って、魚もエビも小さなものばかりが捕獲されました。
今は鳥も魚介類も、子供が生まれて育つ季節なのですね。
●今回はいつも使っている魚介類捕獲用トラップのほかに・・・
●子供たちがペットボトルで自作したトラップも登場!
●4月5月と比べると小さい個体ばかり捕獲されました。
バンやコマチグモの様子からもわかるように、今は子供が生まれて育っている
時期なのですね。
●
自然観察をしながら、ゴミもちゃんと拾いました。
今回アマガエルは見られませんでしたが、鳴き声だけ聞くことができました。
また池の周囲に植えられているアベリア(ハナツクバネウツギ)は満開。
ほのかに良い香りのする花で、クマバチとモンシロチョウの蜜を吸う姿が見られ
ました。
●池の周りではアベリア(ハナツクバネウツギ)がほのかによい香りをただよわせ
ながら満開。クマバチやモンシロチョウが蜜を吸いにきていました。