身近な自然となかよくblog (旧「菊名エコクラブblog」)

自然環境と調和した持続可能な社会を!

by NACS-J認定 自然観察指導員 松田 照之

クワの実も成っていました

2016年06月16日 21時19分38秒 | 篠原園地
今、篠原園地ではコウゾの実が見られますが、その少し前まではクワの実もなっていました。
園地の上の方からプール前に抜ける階段の小道。
ここでクワの木を綺麗に見ることができます。

5月下旬のある日のこと。
ジュイーッ、ジュイッジュイッジュイーッ・・・とオナガの鳴く声がするので目を向けると、オナガたちがクワの実をついばんでいました。
小道に入るとシジュウカラの群れがクワの木陰に隠れました。
シジュウカラたちもクワの実を食べていたようです。


オナガがクワの実をついばんでいました。


クワの木は、子供の目線の高さから樹冠の方まで実を付けていました。
木の頭のすぐ上を見ると、緑の葉と赤や黒い実を付けた枝に陽光が透き通り、とても綺麗に見えました。

篠原園地には、このように食べられる実の成る木が何種類も生えています。これらの実は小鳥たちに食べられ、消化されなかった種子が糞とともにどこか地面にへ落とされると、そこから芽生えて育ちます。

こうした食べられる実の成る低木の茂みやそれらをついばむ小鳥たちの風景は、篠原園地で大切にしていきたいものの一つです。


たくさんの実を付けたクワの木。
陽の光が透過して綺麗でした。











コウゾの実がなっています

2016年06月14日 18時50分54秒 | 篠原園地
今、篠原園地でコウゾが実をつけているのが見られます。
コウゾはクワ科で、和紙の原料になる低木です。
クワの仲間なので葉も実もクワに似ています。
といっても、実はクワよりも木イチゴのカジイチゴの方が似ているかもしれません。
クワの実のように食べられますがクセがある感じのため、好きな人と好きでない人とに分かれます。


今、篠原園地のあちこちで見られるコウゾの実。
実にも葉にも陽の光が透き通る様子が綺麗に見えました。
斜面の上下に曲がりくねって通っている新しい遠路沿いや、斜面の下にある古くからの遠路沿いで見られます。

今年もホウネンエビが見られました

2016年06月13日 22時15分38秒 | 5-2.生きもの写真館
6月11日の土曜日の千草台公園プールのヤゴ救出ですが、今年は現地での宣伝がなかったため、参加者0人でした。
ヤゴはたくさんいましたがどうしようもなく、10匹ほど捕獲して、家に持ち帰りました。

「ヤゴ救出」はそれで終了してしまいましたが、僕は一昨年この近くの水田でホウネンエビを確認して以来、昨年も今年も、このホウネンエビを見るのを楽しみにしていました。
そして、今年も見られました!

ホウネンエビは不思議なエビです。
この時期1ヶ月くらいの間しか姿を現さない大きさ1.5㎝ほどの小さなエビなのです。
水田に棲み、仰向けになって泳ぎます。



これはオスです。大きなキバ(アゴ)のように見えるのは触覚で、これがついているのがオスです。

メスにはオスのような大きな触覚は付いていません。このメスはお腹に卵を抱えています。

以上の写真を見れば、この写真は上を泳いでいるのがオスで下を泳いでいるのがメスだということがわかると思います。
そして、周りにいるミジンコのようなツブツブの生きものはホウネンエビの幼生らしいのです。
飼育していてもなかなか確認が困難なのですが、何回か脱皮をして成体になるらしいです。


水田は通常、稲の刈り取り時には水が抜かれ、翌年の田植えの時期まで再び水が入れられません。秋にはすっかり田は干からびています。
ホウネンエビの卵はこの乾燥と冬の寒さとを耐え抜き、翌年流れ込む温かな水に刺激されて目覚めるのです。

エビは農薬に弱いので、ホウネンエビの見られるこの水田が、農薬に頼らず稲作を行っていることがうかがえます。
しかしそれほど広くありませんし、周辺の開発も進んでいるため、いつまでこの水田があるのかと不安もよぎります。
でも、また来年も見られることを楽しみにしています!

シオカラトンボも羽化しました

2016年06月12日 20時37分51秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
シオカラトンボも羽化しました。
部屋を暗くしないと羽化を始めないみたいで、なかなか最初からみることができません。
今回は、まだ翅の白いところを見ることができました。






シオカラトンボのオスは黒い胴体に塩を噴いたような粉っぽい白い帯が太く入りますが、それは成熟した成虫になってからです。
羽化したときは、ムギワラトンボと言われるようなメスと同じ体色をしています。


ヤゴ救出のヤゴのほとんどはコノシメトンボのヤゴ

2016年06月11日 20時04分12秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
ヤゴ救出で自宅に持ち帰ったヤゴたちが、次々とトンボへと羽化しています。
これらのヤゴのほとんとはコノシメトンボという赤トンボの仲間のヤゴのようです。
胸の黒い模様の形からコノシメトンボということがわかります。


羽化したばかりのコノシメトンボ。翅の先端の黒い部分がまだでてきていません。


胸の黒い模様の形からコノシメトンボということを見分けることができます。


夏はオスメスともに黄色っぽい色をしていますが、秋になるとオスは赤くなります。

ビオトープ池のクロスジギンヤンマ

2016年06月10日 22時16分22秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
昨日、ヤゴ救出で自宅に持ち帰ったギンヤンマが羽化した話をしましたが、5月の連休は篠原園地のビオトープ池でクロスジギンヤンマの羽化がピークを迎えていました。

ギンヤンマは篠原池や菊名池など開けた明るい池でよく見られ、羽化は6月ごろです。
これに対しクロスジギンヤンマは、篠原園地のビオトープ池のような木に覆われた暗い池に幼虫が生息します。また、羽化は4月から5月にかけてと、ほかのトンボよりもやや早いです。



ヤゴ救出で持ち帰って自宅で羽化したギンヤンマ。
水色と明るい緑色の綺麗な大型のトンボです。



ビオトープ池に生息するクロスジギンヤンマ。
ギンヤンマによく似ていますが、黒い筋が入ります。


クロスジギンヤンマが羽化するためにつかまっている草は、ビオトープ池に植えられたショウブです。
これは花菖蒲でなく、5月5日のショウブ湯に使われるショウブです。
ショウブ湯のショウブは今はスーパーマーケットなどで売っていますが、昔は身近なところにある池の畔などに生えているショウブを刈り取って使用していたのでしょうね。
もともとはこのビオトープ池のような水辺に生える植物です。


5月の連休、ショウブが花を咲かせていました。


これらの写真を撮影した5月2日3日とも、僕が何の写真を撮っているのか様子をうかがう方がいらっしゃったので説明し、お見せしました。
珍しいものが見れたと喜んでいただきましたし、写真を撮られていた方もいました。

このように篠原園地の自然や生きものたちに目を向けてくださる方がいるのは、たいへん喜ばしいことです。



ヤゴ救出後のギンヤンマの羽化

2016年06月09日 21時20分44秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
6月4日に行ったヤゴ救出。
その時に持ち帰ったヤゴがトンボになっています。

昨晩、仕事から家に帰ると、ギンヤンマの幼虫(ヤゴ)が、飼育容器にしているペットボトルに取り付けた割り箸をよじ登ろうとしていました。



次に様子を見たのは、夜中にトイレに目覚めた時です。
ペットボトルには2セットの割り箸を取り付けてあるのですが、どういうわけか、よじ登ろうとしていたものとは違う方の割り箸によじ登って羽化していました。



睡眠不足になって仕事に差し支えるといけませんので、長時間の観察はしませんでしたが、この時だけ写真を撮りました。

「里山アカデミー」の示す方向性と篠原園地

2016年06月08日 21時16分53秒 | 6-2.思ったこと・考えたこと
都市公園の中にも、昔からの自然を残している公園があります。
しかしながら都市公園だからという理由で、せっかく生えている野草たちが雑草扱いされたり、小鳥たちに運ばれて種子から育った小さな木々たちも、野草たちと共に刈り取られたりしているのです。

ですが篠原園地では、自然の緑すなわち在来の木々や草花を大切にしていこうという方針ができ、高木はもちろん、低木さらに草花にも植物の名札を取り付けることとなりました。


5月21日の活動での作成中の様子。このように篠原台町の子供たちに植物に名前を書いてもらいました。


書き終わった植物の名札。子供たちの個性溢れる手書きの植物の名札が並びます。
6月19日の日曜日、朝10時からの篠原園地愛護会(準備会)の活動で、これを取り付けます。


こうした流れの中で、四季の森公園で始まった「里山アカデミー」は、これからの都市公園のあり方の一つの方向性を指し示していると見て取れます。
それは自然環境を資産とし、それらとふれあって楽しむ場所というあり方です。
しかも、それによって集客が促進されることが求められています。
「里山アカデミー」は、その実現に向けて大きな柱となるはずのものです。

都市化(住宅密集地化)が進むに伴って壊されていく自然。その中で残っている自然もまだあります。
それを都市公園だからという理由でなくしてしまうのではなく、大切にしながらふれあって楽しむ。
このことによってこそ、自然と共存したより良い町づくりに、少しでもつながるのではないでしょうか。
そうなることを期待して楽しみながら、今後も受講や自然ガイドを頑張っていきたいと思います。


四季の森公園で行なった自然観察会と「里山アカデミー」

2016年06月07日 06時21分43秒 | その他
2月下旬だったでしょうか、ある団体から自然観察会のご依頼がありました。
約50人のお子さんからお年寄りまでを対象に、四季の森公園で自然観察会の講師をしてほしいというものです。

四季の森公園は行ったことがなく、どんな自然や生きものたちが見られるか明確にわかりませんでしたが、自分の成長にもなると考え引き受けました。

毎週土曜日か日曜日、3月から4月にかけて、四季の森公園に通って下見をして資料を作成。
4月29日の当日、何とかやり遂げましたが、反省点も多々残りました。


主催者の作った看板(左)と私の作った配布用資料(右)


依頼されて行った四季の森公園での自然観察会の様子。池で捕獲した魚介類を見せています。参加者は50人を少し越えていました。
やり遂げはしましたが、反省点が多々残りました。


自然観察指導員として自分磨きとステップアップの必要性を感じていたところ、その四季の森公園で「里山アカデミー」という講座が開催されることを知りました。
この講座は、四季の森公園での自然観察会講師の養成を目的とした、全6回の連続講座です。

社会人として忙しくなってしまってからは参加できなくなってしまいましたが、以前は目黒にある国立科学博物館付属施設の自然教育園や、秦野にある神奈川県自然保護センターなどに通って、こうした講座を受けていました。

自然観察会講師(自然解説員あるいは自然ガイド)の養成講座が、横浜市内の都市公園で行われるというのは珍しく、たいへん素晴らしいことだと思います。


四季の森公園で行われることとなった里山アカデミー第1日目の様子。
室内での講義の後、野外に出て自然観察。
この講座を受けて、自然観察指導員としてのステップアップを目指します。


次回のヤゴ救出

2016年06月06日 05時44分07秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
次回のヤゴ救出は、今度の土曜日6月11日の14:00から、田園都市線藤が丘駅から徒歩約10分の千草台公園プールで行います。
小雨決行ですが、雨天・荒天の場合は翌日の日曜日14:30から行います。

ここで少し「ヤゴ救出」についてお話ししておきます。
夏に賑わう屋外プールですが、人に使われない秋から春の間、昆虫を中心とする色々な生きものたちがやって来て住み着くようになります。
しかし次のシーズンが近づくと、プール準備の清掃のため、これらの生きものたちも下水道へと流されてしまいます。
そこで全国的に行われるようになったのが「ヤゴ救出」です。
地元のプールでも行いたいと思い、僕は10年くらい前から篠原園地や六角橋公園プールなどで行っています。

「ヤゴ救出」のやり方は主催者によって様々ですが、僕はプールに出来た小さな自然の水辺と生きものたちとにふれあっていただくこと。また、ヤゴを持ち帰って飼育することで、成虫のトンボへと羽化する様子を観察していただくことを主体にしています。


今の子供たちは昔の子供たちと比べて、池や川で小さな生きものたちとふれあう機会が極端に減っています。プールではありますが、ヤゴ救出はそうした良い機会となっています。


ご家族にとっても良い交流の場となっているようです。


プールにはヤゴ以外にも色々な生きものたちが住み着いています。
時折、「こんなのもいるの?」といった感じの生きものも見られることもあります。


夢中になった子供たちは、普段着のままプールの中に入ってヤゴを探し始めます。
(プールにガラスのかけらなどがないか、安全確認は必要です。)

むやみに自然を汚がったり生きものを怖がったりせずに、こうしてふれあう。
そういう機会って、とても大切だと思うのです。






6月4日のヤゴ救出

2016年06月05日 19時47分48秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
昨日6月4日は、以下の3箇所のプールでヤゴ救出を行ないました。
参加者の方々には、ヤゴを捕獲してもらうとともに自然のことも伝えることができ、「楽しかった」「ためになった」と喜んで帰っていただくことができました。


篠原園地でのヤゴ救出の様子


菊名池公園プールでのヤゴ救出の様子


綱島公園でのヤゴ救出の様子


僕も何匹かヤゴを持ち帰りましたが、早速今朝1匹のヤゴが羽化してトンボになりました。
みなさんのところでは、いかがですか・・・?

次回の活動は6月4日の土曜日です

2016年06月01日 08時38分16秒 | 新カテゴリー:4.初夏の活動、プールのヤゴ救出
6月4日の土曜日は、3ヶ所で「ヤゴ救出」を行います。
動きやすく汚れても良い服装で、採集用具をお持ちになって、ご参加ください。


①篠原園地の子供プール 10:00~(荒天の場合、翌5日13:00~)

②菊名池公園プール   13:00~(荒天の場合、翌5日15:00~)

③綱島公園プール    15:30~(荒天の場合の順延、予備日はありません)


①は篠原台町自治会の主催、②と③は㈱オーエンスと菊名エコクラブとの共催になります。