作曲家筒美京平氏は表に姿を現さない人だった。
彼の名前を知ったのは50年以上も昔。彼の作風を見てこの人はよく勉強しているなと何回も感心した記憶がある。
作曲家協会の熱海旅行で有名な作曲家・渡久地正信先生と二人で筒美さんのことを話題にして語り合った。
結論は流行歌というものをよく研究していて、世界中の音楽を聞いていたのであろう。
その中からいろいろなパターンを引き出して我が物にし、それに日本の伝統的な歌謡曲を混合させたもの、洋物・邦楽を融合させ独自の世界を切り開いた人だ。
彼を天才と言う前に、僕は彼は勉強という努力を重ねて、筒美音楽・ポップミュージックを作り上げたと思っている。
努力+天才は鬼に金棒である。
彼はヒット作品を作る職業作曲家であった。第一目標はヒット曲を作ることで生涯この路線はあゆみ続けたようだ。
何に重点を置いて作曲家するかは、作曲家それぞれである。
ヒット曲作りに邁進するのがおおよその作曲家である。
売れもしない曲を書く芸術家もいるが、それはそれで良いことだ。
命の短い曲を書いて金を稼ぐより、後世に残る息の長い曲を願って作曲している人もいる。
筒美さんの作風を見て、よく勉強しているなーと何回も感心した。
1天分は申すまでもないが、
2、いつも時代の風にマッチした曲を追求している
3、常に流行を意識している職業作曲家であった。
4、日本の歌謡史に残る業績を上げている。
5、レコード売り上げ枚数はおそらく日本一だろう。
私見だが、魅せられて の最後のフレーズは並の作曲家では出てこない。
ここにも努力と天才の部分が現れている。