日々雑感

心に浮かんだこと何でも書いていく。

徹底人

2019年04月24日 | Weblog
徹底人

世の中のはいろいろな人がいるが、自分の信念を徹底的に追求する人には頭が下がる。

僕が知っている徹底人の一人に常盤勝憲師がいる。

師から直接聞いたことと、僕が見た徹底ぶりについて紹介してみよう。

師は壺阪寺の住職である。ご存じのように壺阪寺は目の病気に御利益のある観音さんで

お里沢一の夫婦愛の物語で、つとに有名なお寺で、盲老人をケアーする慈母園を初め同様の

施設も国内にはいくつもある。

しかし特筆すべきは、インドにおけるハンセン氏病救済活動ではなかろうか。

師の計画はインドの患者1000万人を救済するという目標である。

金策から、治療、授産施設など。それがそれは多忙で身ひとつでは、とても回りかねる

仕事があり、そのため師から聞いた話では、睡眠は3時間しかとれないといわれた。

それが何十年もつづけるわけだから、疲労で困憊の日々であったと思われる。

ついに胃がんに冒されて58歳の身で天上界に還って行かれた。

師の訃報に接、壺阪寺に駆けつけたが、すでに亡骸は自坊に戻られていた。

対面は悲しかったけど、最後の別れをしたかったので、無理を言ってお別れさせてもらった。
普通のお顔をしておられたので、安らかな遷化をされたと涙を流しながら、お別れした。

ところが後で聞いた話だが、ご自身の体のすべてを他人のためにおいていかれたそうだ。

目は両眼とも、体内にある役立つものすべてを自ら申し出て必要な病人の用立てに使って

欲しいということだった。

生きて困っている人を助け、死してなお人を助けたいと言うことを実行される人がこの世に

いると知ったとき、僕は深い感動を覚えた。先生は真からの仏弟子だ。徹底人。

仏弟子として果たせる事はすべて果たし、お釈迦様の元に還って行かれたと僕は確信した。