トッペイのみんなちがってみんないい

透析しながら考えた事、感じた事。内部障害者として、色々な障害者,マイノリティの人とお互いに情報発信したい。

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ミュージアム初詣②国立西洋美術館常設展示、上野の森美術館「チベット展」

2010-01-02 23:50:52 | 芸術
 上野の美術館では、東京都美術館では、1月16日から「ボルゲーゼ美術館展」が、国立西洋美術館では、2月23日から「フランク・ブラングイン 伝説の英国人画家―松方コレクション誕生の物語」という興味深い企画が予定されている。
 残念ながら、2日には開催されていない。

 でも、国立西洋美術館では、常設展示として松方コレクションを観ることが出来た。いつも、ロダンの作品を中心に観ている。青銅時代は、制作時には、人間から型をとったなどと言われた作品である。まとまったロダンの彫刻を観ることが出来るのが、この美術館の良い所である。もちろん、モネの睡蓮も有名な作品であるのだが。







 ロダン以外の彫刻家の作品も展示してある。ブールデルの弓を引くソクラテスも屋外で観ることが出来る。






 上野の森美術館では、「聖地チベット ポタラ宮の至宝」が、11日まで開催中だった。前回も鑑賞に行ったが(本来は信仰の対象であるが)、今回は、初詣を兼ねてみた。チベットでは、布をかけられている仏たちが、日本での展覧会では間近に観ることが出来る。密教という特異な仏教の世界を垣間見ることが出来る。日本の国宝に相当する中国の国家一級文物が36件も展示されている。
 カーらチャクラ父母仏立像、ヤマーンタカ父母立像は、陰と陽の調和を、男女の交接という姿で表わしている。後者の像では、若いアベックが、直接的な表現に気付いて、何事か話しながら、ずっと観ていた。性的なものに関しては、日本の密教の経典でも、男女の交わりは浄いとするものがある。

 付記:会場の外では、以前来た時にはいなかった、ダライラマのチベットを支持する日本人が、抗議の展示を博物館の前でしていた。日本の僧侶と見られる人物が、博物館に向かって、他の支持者と般若心経を唱えていた。
 民主党の小沢氏が、仏教はキリスト教などの他の宗教と違って、寛容であると言っていたが、実際は、仏教も社会と関わってきた。ダライラマは、今回も、長野の善光寺を訪れている。成田山新勝寺にも過去に訪問している。
 戦時中、戦争に反対した竹中彰元師や新興仏教青年同盟の活動もあった。その反面、本願寺は戦争に協力したし、また、密教系の寺院では、調伏護摩が焚かれていた。
 キリスト者にも、明石順三のような反戦を訴えたケースがある。
 宗教も多分に政治的でありうるのは、仏教も例外ではない。

ミュージアム初詣①「国宝土偶展」

2010-01-02 23:49:42 | 芸術
 縄文時代は、約1万年続いた平和の時代だったらしい。僕らが、小学生・中学生の時に習った縄文時代の理解は、その後の考古学的発見により、大きく変化した。
 気候が温暖だった縄文時代は、豊かな自然の恵みを受けながら人々が暮らしていたようだ。三内丸山遺跡の発見などで、植物の栽培が行われていたようだ。また、元始的な稲作を行われていた遺跡も見つかっている。
 日本の伝統といった場合、古事記などによる歴史の改ざんが行われていなかった貴重な時代である。事実、歴史修正主義者の面々は、日本神話を教えることには熱心だが、縄文時代は都合の悪い時代のようだ。
 縄文土器と共に、土偶の持つ魅力は、人々を惹きつけるようだ。今回、東京国立博物館で開催中の「国宝土偶展」に初詣で出かけて行った。2日の今日から、今年の展示が始まる。

 僕が、持っている「縄文のビーナス」のレプリカ。今回は、この国宝の土偶に会うことが出来た。



 こちらのレプリカの実物は、今回、展示されなかった。



 今年初めての2日の開催にも関わらず、多くの人々が展覧会に訪れていた。



 国宝の土偶は、「合掌土偶」と「中空土偶」が展示されていた。「合掌土偶」は思ったより小さかった。「中空土偶」は、北海道にある唯一の国宝であるが、北海道からも土偶が出土するということは、驚きであった。

 「仮面土偶」「ハート型土偶」「みみずく土偶」「遮光器土偶」も見ることが出来た。この他にも、多くの重要な土偶を観ることが出来る。土偶の仲間達というコーナーでは、土面や、顔や人型装飾のついた器の類いも見ることができる。

 縄文時代の土偶や、土器は、現代のアートの視点から見ても興味のあるものである。

 土偶の意味については、豊穣を祈って破壊されたという外国にある同類の遺物と関係が深いのかもしれない。女性の豊かな体系を表しているものが少なくないし、女性器を確認することもできる。

 なお、展示室の他の部屋にも、土偶や土面などの仲間を観ることが出来る。

声に出してみる/絵本『ワイズ・ブラウンの詩の絵本』

2010-01-02 00:27:21 | 絵本・児童文学
ワイズ・ブラウンの詩の絵本
マーガレット・ワイズ ブラウン
フレーベル館

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 本の初めに引用されている旧約聖書からの引用が、この詩集の内容を物語っているようだ。

 『けものに たずねるが よい、おしえてくれるだろう。
    そらの とりも あなたに つげるだろう。
  だいちに といかけてみよ、おしえてくれるだろう。
    うみの うおも あなたに かたるだろう。』
      ―ヨブ記 12章7・8節

 マーガレット・ワイズ・ブラウンは、1910年にニューヨークに生まれ、1952年に亡くなっている。もう、古典的な絵本作家といってもいいのだろう。
 
 今では、子ども達にとっては、自然は身近な存在でないのかもしれない。昆虫を怖がる子供、ゴキブリを見てセミだと言う子供、草はらや、林や、浜辺で遊ぶことも極端に少なくなったようだ。お正月に、河原で凧を飛ばす子供の姿を見ることがなくなった。家の外に、子供の姿はほとんど見ることがない。
 街に行くと、トレーディングカードやゲームソフトの店先では、子供たちの姿を見ることができる。
 
 夏になれば、ガサガサ探検隊の大人が、子供に魚のとり方を教えている。

 本書には、作者が綴った子供のための詩が1冊の本に集められ、緑と黒の2色で書かれた絵が添えられている。
 昔、子供達に身近だった草むらや森や海に生きるモノ達や、自然が歌われている。

 せめて、声に出して、生き生きと自然を描いた絵を観ながら、詩を鑑賞してもらいたい。子供達に。

 まだ、自然が子供たちを待つ余裕があることに、気付いてほしい。