風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

小鹿田(おんた)の里を歩く

2016-12-17 | 小さな旅
 
日田の街から車で30分ほどの山あいにある「小鹿田の里」
「小鹿田」と書いて「おんた」と読む。
ここは300年ほど前から始まった「小鹿田焼」の窯元の集落で、
今もなお10件の窯元が作品を作り続けている。

私は20代の頃から何度か足を運んでいて、小鹿田焼の器もいくつか持ってはいるが、
夫は一度も行ったことはない。

いつも使っている器が生まれた里の・・
鄙びて、静かで・・
ちょっと時代に取り残されたようでいて・・
強い意志を貫き通している一徹な空気が流れている・・
そんな場所に夫を連れて行った。

                   

この前に此処を友人と訪れたのは15年ほど前だっただろうか。
随分前のことだが、集落の様子は以前のまま。


変化と言えば、一番奥まった場所に「小鹿田焼資料館」が4年前に建てられたということだけのような気がする。
それに、この「小鹿田資料館」では小鹿田焼の全てが分かるので、是非ここもお勧め
(特に、鑑賞ビデオは忘れないで観て欲しい)


 小鹿田焼が出来るまで 


 集落近郊で採取した土を、川の水を利用した唐臼(からうす)で20~30日をかけて粒子状に粉砕。
小鹿田の唐臼は猪脅しのような仕組みで、先端の杵を上下に動かして臼の中の陶土をつく。
「ギィー……、ゴトン」と響きわたる唐臼の音は、静かな山里に響いて心地いい音だ。



 水と混ぜて泥状にし、何度も濾す。



 陶土の水分を更に抜くために天日に干したり、窯の上に乗せて適度な硬さにする。



 ろくろを使って成形。


 
 各窯元の庭で天日乾燥させ、その後に飛び鉋、刷毛目、櫛描きなどの手法で小鹿田焼独特の紋様をつける。


 
 施釉と素焼きを経て、登り窯で焼く。

 
伝統的な紋様の完成作品
現地で完成品を写すのを忘れてしまったので、我が家の日常使いのお皿を写した。
素朴で、温かみがあって、飽きのこない器だ。

                   

小鹿田焼は、代々長子相続で弟子を取らなかったので、伝統的な技法がよく保存されている。
また、作品に個人銘を入れることなく、お互いに品質の良さを守り続けた。
こんな窯元仲間の絆の強さも、町から離れた山深い場所で支えあって生活してきたからこそだと感じた。



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