風に誘われて

あの山から、あの海から、私を呼ぶ声が聞こえます。
風が「行こう!」と誘います。
風に誘われて、さあ立ち上がろう!!

秋田 マタギの里へ 《 マタギの宿 》   

2015-02-20 | 小さな旅
もう20数年前になるが、子供を連れて「イタズ」という映画を観に行ったことがある。
内容は、はぐれ小熊を育てたものの成長して大きくなったので山に放したが、
その熊が人間を襲うようになってしまったので、マタギが山に入って仕留めるまでの話だった。
その舞台となったのが、この北秋田一帯だ。

昔と違って近頃はマタギが少なくなったとは言え、いまもマタギは存在している。
そんな数少ないマタギでもある宿のご主人に、もしかしたら話が聞けるかも!と、楽しみに宿泊した。



宿には射止めた熊の剥製や毛皮、マタギの道具などが並べられている。



宿の歴史は古く、現在のご主人は15代目だそうだ。
二階には秋田出身の画家・寺崎広業が描いた襖絵もあるし、珍しい唐傘天井も見られる。



マタギとして北海道まで鹿の狩猟に出掛けるそうで、食事にはエゾ鹿肉も出してくれた。
その他に、ご主人が釣ったイワナ(岩魚)や、山で採ってきた山菜やキノコが並ぶ。

食事時にはご主人も同席してくれて、マタギの話を聞く機会となり、とても貴重な時間となった。
マタギとは、熊の狩猟だけだと思っていたが、山に入って山菜を採ったり魚を釣ったりすることも含まれるそうだ。
数少なくなった現役マタギのお話を直接に伺えて、本当に嬉しいひとときだった。



朝起きると一晩のうちに30センチほどの雪が積もっていて、さらに今日も明日も大雪になるそうだ。
あまりの寒さに私は外に出ることは出来なかったが、夫は宿のご主人に指導を頂いて、
スキー板をかんじき代わりに歩く練習。
歩くスキー板は滑り止めをしているので、スキーを出来ない人でも歩きやすいそうだ。



運動したあとの朝食は美味しい。
ここでも珍しい食べ物があって、奥さんに説明をしていただく。
食卓に並ぶ食材のほとんどは、山で採ってきたり自家製のものだそうだ。
(なんとお米まで自家製!)



右上から時計回りに、サワモダシ(ナラタケ)の佃煮、みず(ウワバミソウ)の実、ワラビの一本煮、ブナカノカの味噌漬け。
みずの実は初めて食べたが、コリコリとした食感が楽しい。
ワラビは、刻まずに長いまま煮ているが、手間を省くため? 1本のままが美味しい?
(うっかり訊くのを忘れてしまった)

ブナカノカは、最初は鮭の身をほぐしたものと見間違ったほど色がソックリ。
初めて食べた味は・・・ちょっと塩辛かったような・・ゴメン
きっと味噌に漬けすぎたんだろうね。

次回は、採ったばかりの味が楽しめる、山菜の春か、キノコの秋に来てみたい


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