神なる冬

カミナルフユはマヤの遺跡
コンサドーレサポーターなSFファンのブログ(謎)

[SF] S-Fマガジン 2010年10月号

2010-09-03 23:42:51 | SF
『S-Fマガジン 2010年10月号』 (早川書房)




ハヤカワ文庫SF創刊40周年記念特集。

「文庫40周年記念パンフで、ハヤカワSF文庫が日本初の口絵・挿絵つき文庫とあるのは明らかな誤りである」とか寄稿に書かれていたり、twitterで「アーサー・C・クラーク『前哨』の表紙画像が、『雪の女王』のそれになっています」とか指摘されちゃうアレさがおちゃめ。

自分がハヤカワSF文庫に出会ったのは北見の駅裏に住んでた頃で、自転車でハッカ工場の脇を通って図書館に通うのが日曜日の恒例行事だった。さすらいのスターウルフとか、ジェイムスン教授シリーズとか、銀河辺境シリーズとかをよく読んでいた記憶がある。でも実は、当時はクラッシャージョウや幻魔大戦の方が好きだったんだけどね。

青背をよく読むようになったのは高校生くらいか。それでも、創元よりもハヤカワ派だったのはなんでだろう。創元は読みにくいというイメージがあったんだよね。だから、E・E・スミスのレンズマンですら挫折しかけた記憶がある。昔からハヤカワの方が、字が大きかったっけ?

読みきり小説は過去の名作のオンパレードで、そのままベストSF選集になっている。これは永久保存版かも。

巻末のハヤカワ文庫SF完全リストも、全巻表紙付きで、懐かしいものから珍しいものまで各種とりそろっていて、見ていて飽きない。未読の本はどれも欲しくなってしまうんだけど、入手できても積読が増えるだけだなぁ。



◎:「夜来たる」 アイザック・アシモフ
 科学の転換点と大いなる自然の驚異と人々の愚考、その中で未来への希望を残そうとする科学者たちの奮闘に敬意を表する。
 そうか、これはファウンデーションの設立意図にも通じるのだな。

◎:「輪廻の蛇」 ロバート・A・ハインライン
 今でこそ子供向けのマンガでさえ何の説明もなく使われるタイムパラドックスだが、ここまでグルグルにねじれたスパゲッティー・ウロボロスは、今の時代も驚きを持って迎えられるだろう。

◎:「オメラスから歩み去る人々」 アーシュラ・K・ル・グイン
 たった6ページのショートストーリー。ひとつの街の説明文に過ぎないのに、心の奥底から揺さぶる物語の力を感じる。

◎:「鉢の底」 ジョン・ヴァーリイ
 金星の荒野に赤く輝く爆発宝石の美しさ。それ以上に、謎めいた少女エンバーの魅力が溢れる。11歳の少女に養子にしてくれとか、名句ラブしようとか言われてみたい(違

△:「日本怪談全集」 深堀骨
 どうせなら、探偵役も高名な幽霊にすればよかったのに。いや、もしかして有名なのか、海苔玉三郎。
 クゥルマッニポピイイイイイイイイ!!!